レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/12/04
- 登録日時
- 2024/07/28 00:30
- 更新日時
- 2024/07/28 10:22
- 管理番号
- 0000001600
- 質問
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解決
広辞苑で砂漠を引くと「砂漠」と「沙漠」が同じ項目に出ているが、「砂」と「沙」は、意味的に同じなのか?
歌の「つきのさばく」は「月の沙漠」となっている。
- 回答
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『砂漠誌』(回答資料1)の本書の構成-砂漠誌というアプローチ viiに「砂漠」と「沙漠」の用語について解説がありました。
「沙」は「砂」の本字であり、現時点では「沙」も「砂」も常用漢字に含まれている。したがって「さばく」は「沙」であっても「砂」であっても、どちらも適切であるといえる。ただ歴史的経緯を追ってみると、1950年代までは「沙」の字が一般的であったが、1960年代に文部省による学術用語の制定や教科書採択制度が整備され、また外交文書・国立公文書などの官庁用語において、あるいはメディアにおいては「砂」が一般的であった。ただし2010年文部科学省文化審議会国語文化会が示した「改訂常用漢字表」において「沙」の文字が復活した、という経緯がある。また学術用語としての解釈についても、いくつかの立場から異なった意見が存在している(赤木、1997:門村、2009あ、2009b;堀、1993;吉野、2010あ、2010b)※
※( )は引用文
以下、関連する資料を紹介します。
『沙漠学事典』(回答資料2)p446には「砂漠」を表す文字といったコラムが掲載されています。
中国での沙漠の漢字表記について書かれいます。
『砂漠考』(回答資料3)P13-16に
砂漠の日中比較として「砂」か「沙」かなど文字について言及されており、上記『砂漠誌』と同様の経緯が書かれています。また、漢字の字義や成り立ちについても触れており、『字統』(白川1984)、大漢和辞典(諸橋1985)に砂は「沙」と同じであるが、沙は細沙。砂は砂石で、形のあるものをいう。「薬の名」などとある。とも書かれています。
p145-168には「ことばの問題・・・desertは砂漠か?」
略・・・一貫性が語られない砂漠(同義語としての沙漠を含む)という言葉について、この終章で考えてみたい。とあります。
ご一読をおすすめします。以下抜粋します。
p157のdesertの和訳再考を読み進めますと、中国や日本の砂(沙)漠観や英訳について記述があり、p162に以下の記述がありました。
・・略・・・日本ではどうか「日英中学用語辞典」で和訳に荒漠がなかったように、「英和対訳袖珍辞書」や「英華学芸詞林」以後、desertとsandy desertの区別をせずに、desertが沙漠となり、そしてそれが砂の広がる荒れ土地として通用することになった。「英華学芸詞林」の以前に、「増訂華英通語」の福沢諭吉は世界国尽(1869年)で「広き砂原に雨降らずして草木生長せざるものを砂漠という」と記している(慶応義塾1969)。国木田独歩の散文詩「沙漠の雨」(1908年)は沙漠には「ラクダがおり、雨が降らず、白砂万里で際限なし」と記す。そしてあの有名な加藤まさをの「月の沙漠」(1923年)である。こうして日本では砂漠といえば砂砂漠のイメージが定着したといえる。・・・略・・・
ほかに和辻哲郎や吉野正敏の論が続き、最後に・・略・・・
日本で砂漠の「さ」は沙だ砂だと議論するのを越えて、desertの本来の意味を生かす適切な訳語について、barren、waste、wildernessなどとの関連も含めて、考え直す必要があると思うのである。と、まとめられていました。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (821 9版)
- 参考資料
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- 1 砂漠誌 縄田/浩志?編著 篠田/謙一?編著 東海大学出版部 2014.4 454.64/ナワ サ vii
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2 沙漠学事典 日本沙漠学会?編 丸善出版 2020.7 454.64/ニホ サ p446 -
3 砂漠考 徳岡/正三?著 研成社 2019.10 454.64/トク サ p13-16、147-168
- キーワード
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- 砂漠
- 沙漠
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000353725