レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2024/07/06 11:57
- 更新日時
- 2024/07/18 13:22
- 管理番号
- D2024口頭0601
- 質問
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解決
漫画家のさいとう・たかをが、自身の少年時代の回想として、近所(大阪府堺市)の老人で日本画が上手な「尾形梅花」という人物から線の引き方を教わったと述べているが、この人物の名前を調べても他の情報源が全く出てこない。
本当に実在するのか。
- 回答
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国立国会図書館が作成している典拠データを検索できる「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」( https://id.ndl.go.jp/auth/ndla )を「おがた ばいか」で検索すると、漢字が一部異なりますが、「緒方, 梅歌」という人物がヒットします。
上記を参考に確認したところ、大阪府堺市における緒方梅歌の活動について、以下のとおり記載がありました。
【 】内は国立国会図書館請求記号です。書誌事項末尾に◎を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクションの国立国会図書館内/図書館・個人送信対象資料です。
資料1:『南大阪新聞』国立国会図書館【YB-904】
* 昭和29年1月27日の3面に訃報記事(同年1月26日没)があり、詳しく経歴が記載されています。
* 山口県阿武郡須佐町の出身で、江田島小学校教員などを経て昭和初年来堺したこと、仙人の異名をとっていたことなどが紹介されています。
* 顔写真はありません。
資料2:『堺市制施行七十年誌』堺市, 1958【318.363-Sa417s】◎
https://dl.ndl.go.jp/pid/3008388
* p.256:堺市最初の文化財保護委員の一人として梅歌の名前が記載されています。(コマ番号164)
* pp.397-399:梅歌筆録の戦災による罹災者の談話が掲載されています。(コマ番号235-236)
資料3:堺市古文化調査研究会 編『堺文化 第1輯』堺市古文化調査研究会, 1950【216.3-Sa417s】◎
https://dl.ndl.go.jp/pid/3026630
* pp.63-83:梅歌による「堺醫事年表」が掲載されています。(コマ番号45-55)
* p.132:堺市古文化紀念物調査研究会々員として、「一條通八丁(堺百貨店内)緒方梅歌」とあります。(コマ番号80)
資料4:山田野理夫 編『安西冬衛全集 第9巻 (日記 3 昭和22年(1947)~昭和30年(1955))』宝文館出版, 1982.7【KH48-58】◎
https://dl.ndl.go.jp/pid/12470223
* 梅歌と共に堺市の文化財保護委員を務めていた安西冬衛の日記です。
* p.318:昭和29年1月26日の項に、昨日緒方梅歌が死去したと記述があります。(コマ番号164)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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さいとうプロダクション公式サイト“「さいとう・たかを “画”を語る」〜その1〜” 2020年01月10日
https://www.saito-pro.co.jp/archives/331
さいとう・たかを 著『さいとう・たかをのコーヒーブレイク : 俺の秘密ファイル』フローラル出版, 1992.11【KC486-E335】
p.32「どこかで見たことのある顔だと思いながら新聞の死亡欄に目をやると、それはなんと私に線の引き方を教えてくれた、あの老人の顔だった。尾形梅花という著名な古文化研究家とのプロフィルが紹介されていた。」
- NDC
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- 個人伝記 (289)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000352281