レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年03月03日
- 登録日時
- 2023/06/10 13:39
- 更新日時
- 2023/06/10 13:40
- 管理番号
- 0000002292
- 質問
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解決
えご草(海藻)について】
(1)福井県内でえご草はどこで食されているか?
(2)主にどのような調理法で料理されているか?
(3)えご草を加工した「いごねり」はどこから福井((越前国)に伝わったか?
【質問者による事前調査事項等】
(1)の質問者の考え:海草なので主に海岸沿いの集落で食されていると思う。
(1)の参考:NHK福井放送局HP「みんなのひとりごと」に美浜町佐田地区で醤油砂糖で味付けして食べるとある。
(2)の参考:同上のとおり醤油砂糖で味付けして食べるとある。
(3)の参考:農林水産省HP「うちの郷土料理」に「いごねり」は九州の「おきゅうと文化」が北前船や漁船の往来により博多から能登半島の輪島を経由して佐渡に入り、越後各地へと伝わったといわれている。
- 回答
-
(1)福井県の嶺南地域の、美浜町・高浜町・おおい町で食されていたようです。
(2)食べ方として、固めた「えご」の、ごま和え・白和え・酢みそ和えがありました。
(3)おもに嶺南地域(若狭国)で見られますが、どこから伝わったかは不明です。
詳細は、下記資料をご確認ください。
・『わかさ美浜町誌 美浜の文化 第1巻』(美浜町, 2002.3)
エゴの調理法・食べ方あり。(p73)また、「七草粥」の項目で、「当日は「ハツズリ」とも言い、コンニャク料理か代用品として海藻のエゴを使った料理を食べる日とされていた。」とある。(p355)
・『越前・若狭旬の肴さかな魚』(福井県漁協女性部連合協議会, 2002.9)
「えごのごま和え」「えごの白和え」の調理法あり。「えごの調理法」では、「固めたえご」の作り方や、食べ方としてわらび餅風おやつも紹介されている。(p30)
・『ふるさと福井の味』(福井県生活改善実行グループ連絡研究会, 1980.3)
「いご(いぎす)のゴマ和え」の調理法あり。(p53)なお、「若狭地区の行事食」の表では、「いぎすあえ」は大飯・高浜の法事食となっている。(p123)
・『福井の郷土食』(福井県栄養改善推進員連絡協議会, 1972)
食習慣のページで、大飯郡大飯町の表に「いぎすの酢みそ」として、ごま和えや酢みそ和えにするとある。(p64)また、郷土食のページで、「いご(いぎす)のごま和え」の調理法あり。(p108)
・今田節子∥著 『海藻の食文化』(成山堂書店, 2003.3)
p121-128に「エゴノリの歴史と伝統料理」のページがあり、代表的な「エゴネリ」の調理法と共に福井県のエゴネリの写真あり。
・『日本の食生活全集 18 : 聞き書福井の食事』(農山漁村文化協会, 1987.6)
「若狭湾の食」の中で、「えご」は「がしん(飢饉)年の用心の食いもの」(救荒食物)として保存し、寒天に加えると「もろくくずれない。しかし、これ以外の使いみちはわからない。」とある。(p290、294)
・今田節子∥著『食文化の諸相』(雄山閣, 2018.6) ※若狭図書学習センター所蔵
「北近畿および若狭湾沿岸地帯の海藻の食習慣とその背景」(p58-68)でエゴノリの保存法・加工法や料理法あり。「むすび : 西日本における日本海沿岸地域の海藻の食文化の特徴とその背景」(p69-71)でエゴノリ等の食習慣は、福井県沿岸地帯は石川県沿岸地帯とは相違点が多く、北近畿沿岸地域と共通性が高い、とあるが、伝播についての記述は見えず。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 8版)
- 食品.料理 (596 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000334368