レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/4/24
- 登録日時
- 2023/04/24 10:15
- 更新日時
- 2023/05/31 14:05
- 管理番号
- Obu2023-5
- 質問
-
解決
蛍光塗料が作れるようになった技術について。また、その技術の進歩の過程について述べている資料を探している。
- 回答
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①蛍光塗料技術の開発について
『光化学』(長村利彦/著他 講談社 2014)
→p.206 蓄光の顔料について放射線の害のある夜行塗料が1990年代に禁止、1993年に長時間発光する安全な顔料が開発などの記載あり。
『クロマトピア 色の世界 写真で巡る色彩と顔料の歴史』(デヴィッド・コールズ/著他 グラフィック社 2020)
→p.155「蛍光」「1940年代にアメリカのスウィッツァー兄弟が、可視光線下で蛍光色を発する顔料を発明し、「デイ・グロー」と名付けた。
・J-STAGE(学術論文の全文へアクセス可能なサイト)より
『螢光塗料』滝沢 達児 「材料試験」1959 年 8 巻 64 号 p. 47-52
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms1952/8/64/8_64_47/_pdf/-char/ja)
→蛍光体の歴史について記載あり。
②蛍光塗料の技術とその進歩について
→技術の進歩について、その経過を解説している資料は当館には所蔵がなかった。
参考までに蛍光塗料の性質、製法等について以下の情報をお伝えした。
・J-STAGE(学術論文の全文へアクセス可能なサイト)より
『蛍光顔料』高野 亮四郎, 宮原 貞泰 繊維と工業 1972年 5 巻 7-8 号 398-405」
(https://www.jstage.jst.go.jp/pub/pdfpreview/fiber1968/5/7-8_5_7-8_398.jpg)
→蛍光顔料の改良について記載あり。
『有機螢光顔料』 宮原 貞泰 「色材協会誌」1985 年 58 巻 2 号 p. 73-79
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/58/2/58_73/_pdf/-char/ja)
→蛍光顔料の化学構造、製法、応用(塗料含む)などの記載あり。
・「J-GLOBAL 文献、特許、研究者などの科学技術情報サイト」フリーワード検索「蛍光塗料」
→特許では457件ヒット。
(https://jglobal.jst.go.jp/)
→蛍光塗料について開発し特許を取得した順を技術の進歩の経過とするのであれば、特許取得順を検索することができる。
『大日本百科事典 24(索引小百科)』(小学館 1981)
→p.210「螢光塗料」螢光体顔料を用いた特殊塗料⑧23C→塗料→夜光塗料
→p.666「夜光塗料」暗闇で螢光・燐光を発する塗料㉒159D
『大日本百科事典 8』(小学館 1981)
→p.23「螢光塗料」
『大日本百科事典 22』(小学館 1981)
→p.159「夜光塗料」
『万有百科大事典 21(索引)』(小学館 1977)
→p.224「螢光塗料」15化学206B→塗料〔分類〕→夜光塗料
→p.736「夜光塗料<発行塗料>」15科学623B→塗料〔分類<特殊塗料>〕→ルミネセンス〔シンチレーション〕
『万有百科大事典 15』(小学館 1977)
→p.206「螢光塗料」
→p.623「夜光塗料」
- 回答プロセス
-
●インターネット検索
・「ジャパンナレッジ」フリーワード検索「蛍光塗料」
(https://japanknowledge.com/library/)
「日本大百科全書(ニッポニカ)」
「夜光塗料の一種でもあり、蛍光顔料を配合した塗料である。蛍光顔料はバリウムやストロンチウム、亜鉛などの硫化物であり、紫外線に刺激されて蛍光を発し、刺激を停止すると発光は止まる。これらの顔料に展色料、可塑剤、分散剤を混合したものが蛍光塗料で、暗がりでの標示、とくに夜間の交通標識として利用されている。」
・「J-GLOBAL 文献、特許、研究者などの科学技術情報サイト」フリーワード検索「蛍光塗料」
→特許では457件ヒット。
(https://jglobal.jst.go.jp/)
→蛍光塗料について開発し特許を取得した順を技術の進歩の経過とするのであれば、特許取得順を検索することができる。
・「J-STAGE」フリーワード検索「蛍光顔料」
(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/)
『蛍光顔料』高野 亮四郎, 宮原 貞泰 繊維と工業 1972年 5 巻 7-8 号 398-405」
(https://www.jstage.jst.go.jp/pub/pdfpreview/fiber1968/5/7-8_5_7-8_398.jpg)
→蛍光顔料の改良について記載あり。
『有機螢光顔料』 宮原 貞泰 「色材協会誌」1985 年 58 巻 2 号 p. 73-79
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/58/2/58_73/_pdf/-char/ja)
→蛍光顔料の化学構造、製法、応用(塗料含む)などの記載あり。
『螢光塗料』滝沢 達児 「材料試験」1959 年 8 巻 64 号 p. 47-52
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms1952/8/64/8_64_47/_pdf/-char/ja)
→蛍光体の歴史について記載あり。
「もっとも古い伝説的な記録によれば, 10世紀頃すでに日本人がかき殻(CaCO3)を焼いた夜光絵具を作ったらしいと述べてある。欧州では17世紀の初めイタリアで重晶石(BaSO4)と思われる鉱石を焼いて赤色に光る螢光体をえた。(中略)19世紀にはフランスで銅を含む硫化亜鉛螢光体を作った。これは今日でも蓄光塗料に用いられる有名な螢光体である。螢光体の工学的応用も,1930年頃から急に発達」とある。
・「レファレンス協同データベース」フリーワード検索「蛍光塗料」
→岡山県立図書館 (2110029)「蛍光顔料について調べている。参考になる資料を紹介してほしい」という質問あり。
(https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000110423)
ここに挙げられていた資料以下4冊、当館には所蔵無し。
『顔料の事典』(伊藤征司郎/総編集 朝倉書店 2000)
『顔料便覧』(日本顔料技術協会/編 誠文堂新光社 1989)
『早わかり塗料と塗装技術』(長谷川謙三/著 日本理工出版会 2007)
『機能性顔料の技術』(シーエムシー出版,2004)
●館内検索
・ブラウジングにて資料検索
『日本の参考図書』(日本図書館協会日本の参考図書編集委員会/編集 日本図書館協会 2002)
→p.667~668【塗装・塗料】より
・『塗料原料便覧』(日本塗料工業会塗料原料便覧作成委員会/編 日本塗料工業会 1993)
・『塗料便覧』(塗料便覧編集委員会/編 日刊工業新聞社 1965)
・『塗料用語辞典』(色材協会/編 技報堂出版 1993)
→内容に塗料の歴史の記載はないものと思われる。
(3冊とも当館所蔵なし。)
・フリーワード検索「顔料 歴史」
『光化学』(長村利彦/著他 講談社 2014)
→p.206「蓄光の顔料について放射線の害のある夜行塗料が1990年代に禁止、1993年に長時間発光する安全な顔料が開発」などの記載あり。
『クロマトピア 色の世界 写真で巡る色彩と顔料の歴史』(デヴィッド・コールズ/著他 グラフィック社 2020)
→p.155「蛍光」「1940年代にアメリカのスウィッツァー兄弟が、可視光線下で蛍光色を発する顔料を発明し、「デイ・グロー」と名付けた。」
『色彩 色材の文化史』(フランソワ・ドラマール/著 創元社 2007)
→記載なし
『見えない光を見る』(滝沢美絵/文 大月書店 2003)
→p.7蛍光の説明のみ。
・フリーワード検索「塗料」
『世界に誇る!日本のものづくり図鑑 [1] 』(ワン・ステップ/編 金の星社 2014)
→p.102~103 「夜光塗料」の記載あり。
『トコトンやさしい染料・顔料の本』(中澄博行/著他 日刊工業新聞社 2016)
→記載なし
『テクノロジーがサクサクわかる!機能塗料』(菅野照造/編著 日刊工業新聞社 2010)
→p.35「塗料の機能性」の説明の記載あり。
『塗料大全 』(小林敏勝/著 日刊工業新聞社 2020)
→記載なし
・フリーワード検索「塗料 事典」
『手づくり木工事典 No.46』(婦人生活社 2001)
→木工の仕上げに関する塗装の説明などについて記載。
『健康な住まいを手に入れる本』(小若順一/編著他 コモンズ 1997)
→住宅の塗料の有害性などについて記載あり。
『ものづくり道具のつかい方事典』(峰尾幸仁/監修 岩崎書店 2002)
→p.110「塗料」一般的な塗料に関する簡単な説明が記載されている。
・NDC031の棚をブラウジングにて資料検索
『大日本百科事典 24(索引小百科)』(小学館 1981)
→p.210「螢光塗料」螢光体顔料を用いた特殊塗料⑧23C→塗料→夜光塗料
→p.666「夜光塗料」暗闇で螢光・燐光を発する塗料㉒159D
『大日本百科事典 8』(小学館 1981)
→p.23「螢光塗料」「特殊塗料の一つで短波長可視光線や、紫外線よりも短波長の放射線・電子線があたると螢光を発する螢光体顔料を主体とした塗料。(中略)原料の螢光顔料には無機物と有機物とがあり、前者には硫化亜鉛および硫化亜鉛=カドミウム化合物があり、有機物としてはアルコール溶性塗料のローダミン・オーラミン・エオシン・ウラニン・ホスフィンなどと、油溶性塗料のオレイン酸塩やステアリン酸塩などがあるが、これら有機顔料の多くは耐久性が低いので、最近ではソジウムレッドレーキC・ローダミンタングステート・オーラミンタングステートなどに置き換わっている。(中略)→塗料(竹村安弘)」
『大日本百科事典 22』(小学館 1981)
→p.159「夜光塗料」「塗膜に光を当てたとき、そのエネルギーを吸収し、暗所で螢光・燐光を発する塗料。発光塗料ともいう。硫化亜鉛などの無機螢光体やローダミンなどの有機螢光体に銅などの賦活剤を微量加え、これらを顔料として展色在剤にまぜてつくる。この塗料の塗膜に太陽光などを当てると暗所でも長時間発光するので蓄光塗料とも呼ばれる。これに対し、さらにラジウムやストロンチウム九〇などの放射性元素を微量添加した塗料では、光などを当てなくても暗所で発光する。狭義にはこれを夜光塗料といい、蓄光塗料と区別される。(後略)」
『大日本百科事典 16』(小学館 1981)
→p.607~「塗料」蛍光塗料についての記載はほぼない。
➡蛍光塗料の技術については書かれているが、技術の進歩の過程についての記載はない。
『万有百科大事典 21(索引 )』(小学館 1977)
→p.224「螢光塗料」15化学206B→塗料〔分類〕→夜光塗料
→p.736「夜光塗料<発行塗料>」15科学623B→塗料〔分類<特殊塗料>〕→ルミネセンス〔シンチレーション〕
『万有百科大事典 15』(小学館 1977)
→p.206「螢光塗料」「(前略)ルモゲン、シャノン、グローなど種々の螢光性有機顔料が用いられ、成分のちがいによって青、緑、赤橙など種々の螢光を発する塗料がある。原色剤にはフタル酸樹脂、メタクリル樹脂などが用いられ、塗装の直前に顔料を混和する。(後略)」
→p.623「夜光塗料」「(前略)硫化亜鉛などの無機リン光体およびローダミン、ローダミンタングステートなどの螢光顔料が発光体として多用される。硫化亜鉛に銅、マンガン、ビスマス、銀などを添加すると発光能が増大し、銅の場合などでは著しい残光性を示すようになる。(中略)無機発光体としては硫化亜鉛のほか、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化バリウムなどが用いられる。展色剤はセラック、ダンマルゴム、フタル酸樹脂、メタクリル樹脂、繊維素誘導体などの揮発性ワニスが用いられる。(後略)」
➡こちらも蛍光塗料の技術については書かれているが、技術の進歩の過程についての記載はない。
(ウェブ・ページ最終閲覧日2023.4.27)
- 事前調査事項
- NDC
-
- 物理化学.理論化学 (431)
- デザイン.装飾美術 (757)
- 日本語 (031)
- 参考資料
-
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長村利彦, 川井秀記 著 , 長村, 利彦, 1946- , 川井, 秀記. 光化学 = Photochemistry : 基礎から応用まで. 講談社, 2014. (エキスパート応用化学テキストシリーズ)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025776629-00 , ISBN 9784061568037 -
デヴィッド・コールズ 著 , エイドリアン・ランダー 写真 , 井原恵子 訳 , Coles, David , Lander, Adrian , 井原, 恵子. クロマトピア : 色の世界 : 写真で巡る色彩と顔料の歴史. グラフィック社, 2020.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I030596856-00 , ISBN 9784766133523 -
大日本百科事典 第24 新版. 小学館, 1981.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I117156729-00 -
大日本百科事典 第8 けーこお 新版. 小学館, 1981.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I117156740-00 -
大日本百科事典 第22 もーら 新版. 小学館, 1981.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I117156727-00 -
万有百科大事典 21. 小学館, 1977.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I053312491-00 -
万有百科大事典 15. 小学館, 1977.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I053813388-00 -
『螢光塗料』滝沢 達児 「材料試験」1959 年 8 巻 64 号 p. 47-52 (J-STAGEより)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms1952/8/64/8_64_47/_pdf/-char/ja -
『蛍光顔料』高野 亮四郎, 宮原 貞泰 繊維と工業 1972年 5 巻 7-8 号 398-405」 (J-STAGEより)
(https://www.jstage.jst.go.jp/pub/pdfpreview/fiber1968/5/7-8_5_7-8_398.jpg) -
『有機螢光顔料』 宮原 貞泰 「色材協会誌」1985 年 58 巻 2 号 p. 73-79 (J-STAGEより)
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/58/2/58_73/_pdf/-char/ja) -
「J-GLOBAL 文献、特許、研究者などの科学技術情報サイト」
https://jglobal.jst.go.jp/
-
長村利彦, 川井秀記 著 , 長村, 利彦, 1946- , 川井, 秀記. 光化学 = Photochemistry : 基礎から応用まで. 講談社, 2014. (エキスパート応用化学テキストシリーズ)
- キーワード
-
- 蛍光塗料
- 蛍光顔料
- 顔料
- 塗料
- 歴史
- 事典
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
岡山県立図書館 (2110029) レファレンス事例検索
「蛍光顔料について調べている。参考になる資料を紹介してほしい。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000110423
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 技術、歴史 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000332386