レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年06月26日
- 登録日時
- 2023/01/24 11:05
- 更新日時
- 2023/07/04 14:27
- 管理番号
- ASN2020-31
- 質問
-
解決
図書館・文書館と資料保存の歴史について。
【全体の問いの概要】
歴史的(特に明治維新からゼロックスコピーの普及以前までの期間)に、日本において、資料保存や公文書管理のために、「アナログ的な複製技術」がいつ頃どのように導入され活用されてきたのかを知りたい。
【関連質問】
ASN2020-32 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000327790
ASN2020-33 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000327791
ASN2020-34 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000327796
ASN2020-35 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000327852
ASN2020-36 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000327903
ASN2020-37 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000328000
- 回答
-
回答プロセスを参照してください。
- 回答プロセス
-
1.調査年代の確認
《明治維新》
JapanKnowledge [契約DB]
「明治維新」(『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
幕藩制を廃し、中央集権統一国家と資本主義化との出発点を築いた政治的・社会的変革。
歴史学の画期としての明治維新が、いつからいつまでの政治過程をさすかは、明治維新の本質を
どう意義づけるかとかかわり、次の諸説がある。
[始期について]
①天保期(1830~43)、とくに大塩平八郎の乱(1837)、
あるいは幕府の天保の改革の失敗(1843)
②ペリー来航(1853)または安政通商条約の締結(1858)
[終期について]
①西南戦争(1877)
②自由民権運動の激化形態であり貧農が主体である秩父事件(1884)
③大日本帝国憲法の発布(1889)
『明治時代史大辞典 第3巻 に~わ』
(宮地正人,佐藤能丸,櫻井良樹編 吉川弘文館 2013.2 2106/MI71-1/3)
p.612-613 「めいじいしん 明治維新」
1853(嘉永6)年ペリー艦隊来航より1877(明治10)年西南戦争終結までの25年間に
生起した政治的社会的大変革。
《ゼロックスコピーの普及》
JapanKnowledge [契約DB]
「ゼロックス」 (『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
アメリカの大手事務機械メーカー。ゼロックスが飛躍的な発展を遂げたのは、1960年に普通紙
にコピーのとれる世界初の完全自動複写機「ゼロックス914」を市場に送り出したから。
日本ではランク・ゼロックスRank Xerox Ltd.(1956年設立のイギリスにおける子会社。
現、ゼロックス・リミテッド)と富士写真フイルム(現、富士フイルムホールディングス)との
折半出資による富士ゼロックスが1962年(昭和37)に設立され、国内生産および輸出に携わって
いる。
2.基本事項の確認 <分類:010(図書館学)>
JapanKnowledge [契約DB]
「図書館資料」 (『図書館情報学用語辞典 第4版』)
印刷・製本技術を始めとして,写真技術,視聴覚資料作製技術などを利用して大量に複製され配布
される記録物。
「文書館資料」 (『図書館情報学用語辞典 第4版』)
文書館が収集,整理,保存している資料。それ1点しかないユニーク性を持つもので,文書館で保存
するのは歴史的な考証の手がかりとするため。
「文書館」 (『図書館情報学用語辞典 第4版』)
公私の文書,記録類を保管して利用に供することを目的とした機関,施設。国や地方自治体などの
行政機関が職務上作成した文書類の原資料を保管..(中略).. 2011(平成23)年に「公文書等の
管理に関する法律」が施行され,公文書などの管理に関する基本的事項が定められた。
国立公文書館,東京都公文書館など。
「文書館」 (『世界大百科事典』)
中央の政府諸官庁,地方自治体などの公的機関,宗教団体,大学,研究所などの教育・研究機関,
私企業その他諸個人が,日々の業務執行上必要とされる文書・記録を保管する場所。これらの文書・
記録は〈保管文書archives〉と呼ばれ,手書き,タイプ印字,活版印刷のもの,さらにそれに付属
する付図や印章なども含まれる。…(中略)…
日本
1869年(明治2)明治天皇の沙汰書により大学校に国史編輯局が置かれ修史事業を開始
1893年編年史の形の史誌編纂事業を停止
1895年帝国大学文科大学史料編纂掛が設置(収集史料の編纂を行うため)
1929年史料編纂所と改称
1950年東京大学付置研究所の一つとなった
1947年文部省は近世以降の文書・記録類の収集事業を開始
1951年東京都品川区に文部省史料館(現,東京都立川市の国文学研究資料館)の発足
1971年総理府所管の国立公文書館が東京都千代田区に設置され,内閣文庫はその組織に組み入れ
中央官庁公文書を収集対象とするが、外務省,防衛庁には別個の施設があり
1987年12月議員立法によって公文書館法が成立,88年6月施行
「公文書」 (『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
「日本の公務所(役所)または公務員が、その名義(肩書)をもって職務権限に基づき作成する文
書。文書の名義が公務所または公務員である点でこれら以外を名義とする私文書とは区別される。
また、公務所または公務員の名義で作成された文書であっても、その職務権限内において作成され
ることを要するから、たとえば公務員の肩書による挨拶(あいさつ)状や辞職願などの私的な文書
は公文書に含まれない。」
「アーカイブ【archive】」 (『デジタル大辞泉』)
「《archives》公文書。古文書。また特に公共性が高く、のちに歴史的重要性をもち得る記録や資
料を、まとめて保存・管理する施設や機関および事業のこと。アーカイブズ。」
「マイクロフィルム」 (『世界大百科事典』)
文書,図面などを縮小撮影して保存するための写真フィルム。普仏戦争の際に用いられたのが最初
といわれるが,本格的な利用は1928年アメリカで小切手撮影用のロータリー式カメラが開発されて
以降であり,文献複写,保管スペースの節約,転記の合理化,情報検索など利用方法が発展してき
ている。
「マイクロ写真」 (『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
このマイクロフィルム化による利点として、〔1〕原稿とまったく同じ複写が、能率的かつ忠実
に行われること、〔2〕一定の大きさのフィルムに縮小することによる、整理・保存の簡易化、
〔3〕軽量小型なための運搬・検引の容易性、〔4〕保管に場所をとらない経済性、〔5〕保存の半
永久性(条件によるが数百年の保存も可能)、などがあげられる。さらに、内容の改竄(かいざん)
や変更が防止できるので、重要資料の保存としても有効であり、必要に応じてのプリント作成や再
複製もできる。
「青写真」 (『世界大百科事典』)
鉄(Ⅲ)塩の感光性を利用した写真法でシアノタイプcyanotypeともいう。1842年,イギリスの
ハーシェルJohn Herschel(1792-1871)が発明し,1950年ころまで土木,建築,機械などの設計
図面の複製用として広く使われた。青写真の感光紙は,安価で工業用感光紙として適性はあるが,
感度が低く,また水でぬらして仕上げる必要があるため,近年はジアゾタイプに置き換えられた。
「青写真」 (『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
化学的感光材を用いる複写法の一種。シアノタイプともいう。1842年イギリスのハーシェルにより
発明された。この種の方法としてはいちばん古く、安価であり、土木、建築、機械などの図面の複
写に多用されてきた。…(中略)…青地部分への書き込みが見にくいことや、水洗い、乾燥という
操作をしなければならない不便な面もあって、現在ではジアゾ複写や普通紙複写機(PPC=Plain
Paper Copier)などの複写技術の発達により、実務として利用されることはほとんどなくなってい
る。ジアゾ複写は、光分解反応をしやすいジアゾ化合物を感光材に使う。…(中略)…光分解した
ジアゾ化合物は無色なので、白地の上に色線が残り、光に対しても安定している。
「軽印刷」 (『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
「迅速性と経済性をねらった簡便な印刷。官公庁、学校、会社内で使用するおもにモノクロの文字の
印刷物を手軽につくる目的で発達した。古くは、ゼラチンや寒天を用いたこんにゃく版、ろう原紙を
用いた謄写版が利用され、素人でも容易に印刷できる方法として歓迎されていたが、その後タイプラ
イターで印字し、オフセット平版印刷する方法に移行した。」
「複製」 (『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
「もとのものと同様なものを製作すること、またその製作されたもの。法律においては、印刷、写
真、録音、録画などの方法によって著作物を形のあるものにそのまま再製するすべての行為をさし、
複製権は著作権から派生する諸権利中もっとも基本的かつ重要な権利になっている。」
「複写機」 (『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
(略)…複写する方法には、光化学的方法(ジアゾ複写など)、静電的方法(電子写真)、熱的方法
などがある。ジアゾ複写機はジアゾ化合物の光分解を利用して複写する装置で、一般的な複写用とし
ては1950年代後半から1960年代まで用いられた。1960年代後半から1970年代前半にかけては専用
の感光紙を用いる電子写真(直接)方式による複写機が用いられ、1970年代後半からは普通紙に
コピーする電子写真(間接)方式が用いられるようになった。…(略)
「複写機」 (『世界大百科事典』)
(略)…複写機の開発は,1920年ジアゾ乾式の発明,同27年ジアゾ湿式,38年ゼログラフィー法の
発明,41年拡散転写複写法,50年ゼログラフィー方式複写機の発売,サーモグラフィックプロセス
複写機の発表,53年ダイトランスファーの発表,54年エレクトロファックス(EF)法の発表という
歴史をたどり,電子技術の革新により高性能,高速,低価格を実現させている。日本では1951年に
ジアゾ複写機が開発された。設計図面などの焼付に使用した青写真(陰画)を陽画に改良したもの
で,現在でもランニングコストが安いこと,機械そのものも安いことで利用されている。…(略)
『印刷事典 第5版』(日本印刷学会編 印刷朝陽会 2002.1 749/N77-1/ア)
p.5 「青写真」
鉄塩類の感光性を利用した印画の一種。ポジーネガ型の青地白線法のものを青写真と呼ぶのが普通
だったが、ポジーポジ型の青地白線法のものやジアゾ法によるポジーポジ型のものまでを広く青写
真という。
p.427 「非銀塩写真」
青写真やジアゾ写真法を含む非銀塩写真と銀塩写真、それぞれの特長について記載されている。
『文書館用語集』(文書館用語集研究会編 大阪大学出版会 1997 018/MO33)
p.131「文書館」
史料が保存され、閲覧利用できる建物。…略…日本では文書館のほかに公文書館、資料館、史料館
等のさまざまな呼び名がある。
『最新図書館用語大辞典』(図書館用語辞典編集委員会編 柏書房 2004 010/TO722-2/ア)
p.122「公文書館法」
1987年12月公布、翌年6月施行
1959年日本学術会議会長兼重寛九郎から内閣総理大臣に宛て「公文書散逸防止について」の勧告
1960年代を迎えると全国の自治体で文書館の設置が相次ぐ
1971年外務省外交資料館、国立公文書館の2つの国立の文書館が設置
参考文献あり
以上
<Web最終確認日:2023/01/23>
- 事前調査事項
- NDC
-
- 図書館.図書館情報学 (010 10版)
- 印刷 (749 10版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 資料保存
- 図書館
- 文書館
- 公文書
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 資料保存
- 質問者区分
- 教員
- 登録番号
- 1000327783