レファレンス事例詳細

「花手水」とは神社仏閣の手水屋（手水舎）に花を浮かべたもので、近年SNSなどで人気を集めている。
以下の資料が見つかった。

＜コトバンク＞※「花手水」では記載がない。
デジタル大辞泉「手水」の解説　ちょうず〔てうづ〕【▽手▽水】《「てみづ」の音変化》
「１ 手や顔などを水で洗うこと。社寺に参拝する前などに、手や口を水で清めること。また、その水。「手水を使う」」
https://kotobank.jp/word/%E6%89%8B%E6%B0%B4-568633　（2021/11/15　確認）　

デジタル大辞泉「手水舎」の解説　ちょうず‐や〔てうづ‐〕【▽手▽水▽舎】
「神社・仏閣で、参詣者が手や顔を洗い口をすすぐための水盤を覆う建物。水盤舎。水屋。」
https://kotobank.jp/word/%E6%89%8B%E6%B0%B4%E8%88%8E-568651　（2021/11/15　確認）　

＜参考図書＞
『日本宗教事典』小野泰博他編　弘文堂,1985.2
本館請求記号160.21-N71。
p.140-141「手水と修祓」
「なお、手水には水を用いるばかりではなく、時には植物その他のものをつかうこともある。榊の葉を用いる花手水、草の枯葉を用いる芝手水、青草の葉を用いる草手水、雪を用いる雪手水などがある。また、草や樹葉で手を清めることを手祓ともいった(『左経記』)。」
※花を浮かべた近年の「花手水」とは用法が異なる。

＜一般図書＞
『浅間神社の歴史』宮地直一,広野三郎著　名著出版 , 1973. - (富士の研究 / 浅間神社社務所編 ; 2)
本館請求記号：291.5 - Ka41 - 2
※初版は1929年
p.135　第六章「祭儀」の項目に「次に花手水の儀あり」との一文がある。
※儀式の詳細は不明。

『京都力: 人を魅了する力の正体』柏井壽　PHP研究所 , 2021.4
本館請求記号：000 - PHP新書 - 1256
p.191-193「花手水の危うさ」
※近年の「花手水」についての記述あり。疫病の蔓延を防ぐ本来的役割から外れた使用を批判的に解説している。
※崇神天皇が手水舎を作ったエピソードが紹介されているが、『日本書紀』（日本古典文学全集［2］日本書紀（1）巻五　　P.269　ジャパンナレッジ）では記載がなく、出典が確認できなかった。

＜新聞データベースでの検索結果＞
本館契約データベースヨミダス（読売新聞）、聞蔵（朝日新聞）で「花手水」で検索したところ、2019年7月以降から記事が見つかる。
「映える花手水　柳谷観音楊谷寺＝京都」2019.07.01　読売新聞　大阪　朝刊25頁

＜調査済資料＞
『カラー　石灯籠・蹲踞』重森完途　淡交社 , 1982.11
本館請求記号：629.61 - Sh28
※「花手水」の記述なし。