レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/11/21
- 登録日時
- 2020/10/27 00:30
- 更新日時
- 2023/03/26 11:55
- 管理番号
- 牛久-1610
- 質問
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解決
和ろうそくについて載っている資料はないか。和ろうそくの作り方ではなく、和ろうそくについてわかりやすい説明を知りたい。
- 回答
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次の資料を紹介する。
・『子どもに伝えたい和の技術 5 あかり』(和の技術を知る会/文溪堂/2016.2)…p10-13
・『くらしを変えてきたあかりの大研究』(深光富士男/PHP研究所/2010.11)…p34-37
・『日本の手仕事 [4]』( 遠藤ケイ絵と文/汐文社/2018.1)…p46-51
・『日本のくらしの知恵事典』(神野善治監修/岩崎書店/2008.9)…p128-129
- 回答プロセス
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1.一般件名「ろうそく」で自館資料検索し、キャンドルの作り方についての一般書が多数ヒット。和ろうそくについての資料は一般書1件のみ。
(1)『和ろうそくの世界』(大石孔[ほか]/文葉社/2002.7)…貸出中のため紹介できず。
2.フリーワード「和ろうそく」として再検索。(1)の資料に加え、児童書が1件ヒット。
(2)『子どもに伝えたい和の技術 5 あかり』(和の技術を知る会/文溪堂/2016.2)
…p10-13に「和ろうそく」の材料、作り方、日本各地の産地、洋ろうそくとの違い等が写真付きで記述あり。
3.(2)の検索結果より、学習件名「明かり」で自館資料検索し次の資料にあたる。
(3)『あかりのはなし』(小林卓二/さ・え・ら書房/1982.4)…記載なし
(4)『くらしを変えてきたあかりの大研究』(深光富士男/PHP研究所/2010.11)
…p34-35に「和ろうそく」は室町時代から生産され、ウルシやハゼの木の実からしぼり取ったロウを使ったが、完成するまでには労力が必要で、長らく高価な品だった。江戸時代になると、燭台や提灯などのろうそく用火具が発達し、「和ろうそく」の普及が急速に進み価格も下がったが、明治時代に安くて便利な洋ろうそくが外国から入ると「和ろうそく」の需要は急激に落ち込んだとの記述あり。
…p36-37にろうそくを立てる燭台の説明と「和ろうそく」は芯は燃えきらず残るので、芯が折れて下に落ち火災の危険性もあり、芯切りは必要との記述あり。
4.学習件名「ろうそく」として自館資料検索。書誌情報を確認し次の資料にあたる。
(5)『日本の手仕事 [4]』(遠藤ケイ絵と文/汐文社/2018.1)
…p46-49に絵入りで作り方の説明あり。
…p50-51に「和ろうろく」の誕生は室町時代。ハゼノキの実から採取した木ロウで作ったものが主流。江戸時代に一般に普及し、明治以降、洋ロウソクが普及するまで使用されたとの記述あり。
(6)『日本のくらしの知恵事典』(神野善治監修/岩崎書店/2008.9)
…p128-129に日本に昔からあるろうそくで、ハゼの実から絞った「木ロウ」という油から作り、燭台に立てたり、ちょうちんの中に入れて使うとの記述あり。ろうそくに絵を描いた「絵ろうそく」や赤い色をかけておめでたい時や法事などに使った「朱ろうそく」の種類があるとの記述あり。
→以上の結果より(2)(4)(5)(6)の資料を紹介する。
5.追加調査で、後日(1)の資料にあたる。
(1)『和ろうそくの世界』(大石孔[ほか]/文葉社/2002.7)
…「和ろうそく」の特徴、歴史、構造についての記述あり。日本各地の産地と製造工程について写真付きで説明あり。
6.次に、「和ろうそく」は古民具や民族関係の資料にあるのではと考え、「R38-」の棚をブラウジングし、次の資料にあたる。
(7)『絵引民具の事典』(岩井宏實監修/河出書房新社/2008.9)
…p214-215「蝋燭」の項目に「和ろうそく」の記述あり。戦国時代にウルシ・エゴマ・ハゼなどからとった木蝋で作られ普及していった。江戸時代には各地で生産が進み、京都・会津・越前・越後などの産地も出現したが、一般庶民にとっては贅沢品で特別な時だけに使い、日常では油皿の灯油を灯した。会津ではウルシ蝋を材料にして菊などの絵蝋燭がつくられ、祭事や仏事用または土産品として知られたとの記述あり。
(8)『住(すまい)の民俗事典』(森隆男編/柊風舎/2019.2)
…p503-504にろうそくの生産が本格化するのは戦国時代あたりからで、ウルシやハゼの実から木蝋を抽出する技術が確立した。江戸時代には、ハゼの栽培が増え、各地にろうそくの生産地ができ、江戸や大阪に専門の問屋ができた。江戸時代のろうそくは、地域によって原料に違いがあり、庶民にとっては贅沢な照明であったとの記述あり。
(9)『日本の生活環境文化大事典』(日本民俗建築学会編/柏書房/2010.6)
…p370-373の「照明」の項目の中に「蝋のあかり」として、「和蝋燭(木蝋燭)」は室町時代頃から作られるようになり、江戸時代には全国各地で作られるようになった。「和蝋燭」は漆や櫨(ハゼ)の実から取った蝋を原料とするもので、東北日本には漆蝋が、西日本のは櫨蝋が生産される。明治時代のはじめ西洋蝋燭が輸入され、国産の安価な西洋蝋燭が出回り、和蝋燭に変わって広まったとの記述あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 電灯.照明.電熱 (545 10版)
- 衣食住の習俗 (383 10版)
- 油脂類 (576 10版)
- 参考資料
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- B10337131 和ろうそくの世界 大石孔/[ほか]著 文葉社 2002.7 576.4 9784998090755
- B10676513 子どもに伝えたい和の技術 5 あかり 和の技術を知る会/著 文溪堂 2016.2 502.1 978-4-7999-0147-2
- B10610749 くらしを変えてきたあかりの大研究 深光富士男/著 PHP研究所 2010.11 545.02 978-4-569-78099-3
- B10758778 日本の手仕事 [4] 遠藤ケイ/絵と文 汐文社 2018.1 502.1 978-4-8113-2403-6
- B10586327 日本のくらしの知恵事典 神野善治/監修 岩崎書店 2008.9 382.1 978-4-265-05958-4
- B10585869 絵引民具の事典 岩井宏實/監修 河出書房新社 2008.9 383.93 978-4-309-22487-9
- B10805373 住(すまい)の民俗事典 森隆男/編 柊風舎 2019.2 383.9 978-4-86498-061-6
- B10605157 日本の生活環境文化大事典 日本民俗建築学会/編 柏書房 2010.6 382.1 978-4-7601-3818-0
- キーワード
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- 和ろうそく
- ろうそく
- 明かり
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 小中学生
- 登録番号
- 1000288676