レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2019/11/20 11:51
- 更新日時
- 2023/12/08 15:36
- 管理番号
- 2019.11-4
- 質問
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おでんについて。(歴史や、九州のおでん屋など)
- 回答
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下記の資料を紹介。お店については最新のタウン誌などもご参考下さるよう回答。
①『日本大百科全書 4 2版 おおつ-かき』小学館 1994 (4-09-526104-8)
→“おでん”の項目あり。おでんの名称や語源の説明あり。「…語源は田楽である。…鷺足の姿が、白い豆腐に色変わりのみそをつけた料理に似ているので、田楽のようだといったのがこの料理の名称となり、…」(p.262)
現在の形態に至る変化過程の説明もあり。(p.263)
②『たべもの日本史総覧』西山 松之助/ほか著 新人物往来社 1994.4 (4-404-02094-5)
→“おでん”の項目あり。「おでんはもともと豆腐田楽が祖である。南北朝のころに生まれている。…幕末になると江戸ではだしに醤油と砂糖で煮て味つけする「おでん」が登場し、…」とある。(p.62)
料理関係用語として“おでん(御田)”の項目あり。「…江戸時代前期、焼き豆腐に…、中期にはコンニャクの田楽も作られるようになった。…」(p.393)
県ごとに郷土料理の紹介があり、おでんは東京都(p.447)と大阪府(p.454)にある。
③『たべもの起源事典』岡田 哲/編 東京堂出版 2003.1 (4-490-10616-5)
→“おでん(御田)”の項目あり。おでん=煮込み田楽の変遷として『紀文鍋白書』(1999 福岡市内所蔵なし)から引用された図が掲載されている。 「・・・江戸初期…にコンニャク田楽が現れる」(p.85)とあり、豆腐田楽については「(おでんは)豆腐田楽の白田が転訛したとする説…もある」との言及あり。
1923年(大正12)の関東大震災の後に「・・・東京から移住した料理人が売り出す。この関東炊きは、関西風おでんとなり、2年後(大正14)に、神戸から東京に逆輸入する。」(p.86)として、現在の形態に至る説明あり。
安土桃山期『利休百会』(1587年版)や江戸中期『豆腐百珍』(1782年)等からの引用文あり。
④『日本の味探究事典』岡田 哲/編 東京堂出版 1996.1 (4-490-10410-3)
→“おでん御田(東京)”( p.235)と“かんとうだき関東煮(大阪)”(p.236)の項目あり。それぞれの具材の例が挙げられている。※③と編者・出版社が同じ
⑤『日本の食文化大系 16 とうふ通』 東京書房社 1983.6 (MARK 83-17938)
→①②より、豆腐を祖であるとする記述から“豆腐”を調べる。「…田楽はこの様に豆腐を材料とするのが始まりであるが…(略)なお、…田楽に「お」の字をつけて「お田楽」という言葉が使われるようになったが、下の文字の「楽」を取り去って「おでん」となったのである。」串に刺すよりも鍋で味噌煮にした方が能率が上がる、と続き「更に江戸の後期には、味噌煮から醤油煮にする方法が多くなった。いわゆる煮込みおでんである。」(p.38)とある。
⑥『こんにゃく史料』日本こんにゃく協会 1968 (MARK 92152118)
→③より、“コンニャク”について調査。本資料は古代以後~明治以後の史料等で「こんにゃく」に言及された部分や参考文献等を紹介。おでんに関して二か所あり。いずれも江戸後期、『市隠月令』(村田了阿,江戸の年中行事を日記体で著したもの)から「…おでん売声す、…」(p.142)と『浪花の風』(久須美佐渡守,随筆集)から「…此処にてもこん蒻の田楽を、おしなべておでんと呼故、…」(p.201)など引用あり。
⑦『文化としての食と旅』 周 達生/著 清水書院 1998.1 (4-389-50033-3)
→日本が統治していた時代があった為、韓国・台湾にも日本のおでんがある。韓国では日本語のまま「オデン」、台湾では「黒輪」(オデンを発音しやすく→閔南語/台湾語のオーデン→方言読みの漢字「黒輪」)と表記、その内容も多少紹介されている。(p.11-14)
⑧『とことんおでん紀行』 新井 由己/[著] 光文社 2002.12 (4-334-78198-5)
→北海道~九州沖縄~台湾まで各地の特色を歴史を織り交ぜつつ記載。巻末に著者がおでんを食べた店、取材した店、取材地(九州各地あり)、参考文献(上記②④を含む)、「とことんおすすめ全国おでん屋40店」(九州は長崎2軒、阿蘇1軒)の掲載あり。
⑨『おでん屋さんが書いたおでんの本』 船大工 安行/著 三水社 1989.3(4-915607-33-X)
→「ちょっと一服――おでんの歴史」の「おでんの名前」(p.99-109)のなかで歴史についての言及あり。
⑩『おしゃべり胃袋 マンガ・エッセー』鈴木 義司/著 報知新聞社 1996.10(4-8319-0116-4)
→「おでん、東と西」(p.170-171)と題し、関東と関西の違いについてのイラストあり。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383)
- 農産物製造.加工 (619)
- 参考資料
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日本大百科全書 4 2版. 小学館, 1994.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002800288-00 , ISBN 4095261048 -
西山松之助ほか著 , 西山, 松之助. たべもの日本史総覧 愛蔵保存版. 新人物往来社, 1994.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I010527834-00 , ISBN 4404020945 -
岡田哲編 , 岡田, 哲. たべもの起源事典. 東京堂出版, 2003.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I009430166-00 , ISBN 4490106165 -
岡田哲編 , 岡田, 哲. 日本の味探究事典. 東京堂出版, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I009253580-00 , ISBN 9784490104103 -
多田鉄之助/著. 日本の食文化大系 : とうふ通 16. 東京書房社, 1983.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I075778133-00 -
日本こんにゃく協会. こんにゃく史料. 日本こんにゃく協会, 1968.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001110954-00 -
周達生著 , 周, 達生. 文化としての食と旅. 清水書院, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I005406517-00 , ISBN 4389500333 -
新井由己 [著] , 新井, 由己, 1965-. とことんおでん紀行. 光文社, 2002. (知恵の森文庫)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003990068-00 , ISBN 4334781985
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日本大百科全書 4 2版. 小学館, 1994.
- キーワード
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- おでん
- 御田
- 田楽
- 食文化
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000265470