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宮沢賢治は、生前は大正13年（1924）に詩集『春と修羅』と童話集『注文の多い料理店』を刊行したのみで、作家としては無名の存在だった。昭和8年(1933)の没後、全集等が発行されるに連れ、徐々に評価が高まった。戦前発行の全集・選集の中で、特に広く読まれたものとして、昭和14年(1939)発行の『宮澤賢治名作選』(松田甚次郎∥編 羽田書店∥発行)がある。このほか昭和15年(1940)公開の映画「風の又三郎」も、賢治の名を広める一因となった。宮沢賢治没前後から戦前期の、賢治作品全体あるいは宮沢賢治そのものの受容・普及について記述のある下記資料を紹介。

◆『宮澤賢治イーハトヴ学事典』天沢退二郎∥[ほか]編集委員 弘文堂∥発行 2010年
⇒p.283～285「戦前・戦中の享受・評価」

◆『宮澤賢治研究資料集成 別巻1』続橋達雄∥編 日本図書センター∥発行 1990年
⇒p.5～26「宮澤賢治研究史-受容と評価の変遷(1)-」(続橋達雄)

◆『宮沢賢治初期研究資料集成 別冊』国書刊行会∥発行 1987年
⇒p.5～28「『宮沢賢治初期研究資料集成』解説」(小倉豊文)
　p.52～79「座談会『宮沢賢治初期研究資料集成』をめぐって」(小倉豊文・内田朝雄・栗原敦)

◆『修羅はよみがえった』宮沢賢治没後七十年「修羅はよみがえった」刊行編集委員会∥編集 宮沢賢治記念会∥発行 2007年
⇒p.67～193「第一章 「賢治像」の形成と評価の変遷(その一)」

◆『宮沢賢治を創った男たち』米村みゆき∥著 青弓社∥発行 2003年
⇒p.151～195「盛岡発・偉人のプロデュース―宮沢賢治を創った男たち」

◆『賢治研究 43』宮沢賢治研究会∥発行 1987年
⇒p.41～45「資料“松田甚三郎編『宮沢賢治名作選』目次”など」(続橋達雄)

◆『宮沢賢治研究史 : 日本における宮沢賢治の受容に関する考察』山下聖美∥著 2001年
※当館未所蔵。「国立国会図書館デジタルコレクション」で閲覧可能(最終アクセス日2018.12.22)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3184637