レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/10/02
- 登録日時
- 2016/10/22 00:30
- 更新日時
- 2016/10/22 00:30
- 管理番号
- 6001017136
- 質問
-
解決
大阪におけるお月見泥棒の風習(起源や内容)について知りたい。
- 回答
-
●一般的な「お月見泥棒」について
起源については、詳しく記載されている資料が見つからず、以下のように一般的な起源を見つけるにとどまりました。
・『日本人の「しきたり」ものしり辞典』(豊島建吾編著 谷沢永一監修 大和出版 2000.6)
p.280「十五夜 …この日に月見団子を作り、芒(すすき)や果物を供える習慣は年から生まれたものである。昔はこれらの作物を子供たちがこっそり取っても叱られないというしきたりであった。これは神に捧げられたものは、広くみんなが分け合って共同飲食するという考えによる。…」
内容については、以下の資料に記述がありました。
・『日本風俗史事典』(日本風俗史学会編 弘文堂 1980)
pp.425-526「月見 …この夜は、子供が月見団子や芋を盗むことが公認され、十五夜団子は盗まれるほどよいなどともいう。…」
●大阪の「お月見泥棒」について
・『日本民俗地図 1 年中行事』(文化庁編集 国土地理協会 1972)
pp.429-475に「月見・月待ち」に関する項目があり、pp.461-462に「大阪府」各地の風習が記載されています。
・『近畿の歳時習俗』(堀田吉雄[ほか]共著 明玄書房 1976)
こちらには大阪府の河内長野、枚方、布施の風習が記載されています。また、奈良県についての記述もあります。
・『日本の民俗 27 大阪』(第一法規 1977)
p.231「芋名月 …子どもたちが竹串を持ってこれを盗んで回ったのも府下一円の風習であった。」
・『なにわ大阪食べものがたり』(上野修三著 創元社 2007.9)
pp.156-157 「土の恵みを供えて月見 …その供えもんの団子を近所のいたずらっ子は、竹竿の先に太い針金をつけて、突き刺して盗みとる。家のお人は見ぬ振りで、小芋の衣被(きぬかつ)ぎや枝豆で一杯やりながら、また団子を加えておく。認められた可愛い盗っ人。懐かしい子供の遊び…」
・『子ども物語』(「子ども物語」編集委員会編 池田子ども物語の会 2000.7)
p.129 「4.子どもの暮らし 2)農家の子どもの暮らし 北豊島の農家の暮らし 4.秋 …月見になると「だんごとり」にいった。よその家のお月見だんごを黙っていただいてくるのである。近所の家では取られることを見越して沢山だんごを置いていた。おおらかな時代だったのである。」
・『岸和田の人とくらし』(岸和田市教育委員会企画・編集 岸和田市 1993)
山間部・中山間部・近郊地域・市外地域・海浜地域すべての地域に記載がありました。
(参考)
「レファレンス協同データベース」に類似事例があります。
・「「お月見泥棒」について各地での風習を知りたい。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000039991 (最終確認日:2016.7.11)
[事例作成日:平成28年7月11日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
-
- 日本人の「しきたり」ものしり辞典 豊島/建吾∥編著 大和出版 2000.6
- 日本風俗史事典 日本風俗史学会∥編 弘文堂 1980
- 日本民俗地図 1 文化庁∥編集 国土地理協会 1972
- 近畿の歳時習俗 堀田/吉雄∥[ほか]共著 明玄書房 1976
- 日本の民俗 27 第一法規 1977
- なにわ大阪食べものがたり 上野/修三∥著 創元社 2007.9
- 子ども物語 「子ども物語」編集委員会∥編 池田子ども物語の会 2000.7
- 岸和田の人とくらし 岸和田市教育委員会∥企画・編集 岸和田市 1993
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 大阪
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000198603