レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年01月17日
- 登録日時
- 2014/01/17 11:37
- 更新日時
- 2014/01/17 11:54
- 管理番号
- 20140117-2
- 質問
-
解決
『おあむ物語』について知りたい。
- 回答
-
おあむ物語 【おあんものがたり】 コトバンク
http://kotobank.jp/word/%E3%81%8A%E3%81%82%E3%82%80%E7%89%A9%E8%AA%9E (2014/01/17確認)
世界大百科事典 第2版
おあんものがたり【おあむ物語】
聞書。1巻。石田三成の家臣山田去暦の女が雨森儀右衛門の妻となって土佐に下り,晩年美濃大垣籠城(1600)の体験を追憶した話を筆録した記録。正徳年間(1711‐16)の成立といわれる。女性による戦争体験記および武士の家庭生活について語った記録として,また近世初期の国語資料として貴重である。《おあん女咄》《安女戦話》など異名が多い。《女流文学全集》所収。
デジタル大辞泉
おあんものがたり【おあむ物語】
《「おあん」は尼の敬称》江戸前期の見聞記。1冊。享保初年(1716)ごろまでに成立か。石田三成の家臣山田去暦の娘が、美濃大垣城で見聞した関ヶ原の戦いのようすを、尼になってから子供たちに語った追憶談の筆録。
大辞林 第三版
おあんものがたり【おあむ物語】
〔「おあん」は尼の意〕
聞き書き。一巻。石田三成の家臣山田去暦の女(むすめ)が,関ヶ原の戦いの折,大垣城での体験を物語ったもの。「おきく物語」とともに,女性から見た戦争記録として注目される。
日本大百科全書(ニッポニカ)
おあむ物語
江戸中期に筆録された物語。1巻。関ヶ原の戦いに父に従い大垣城に籠城(ろうじょう)していた一女性が、年老いてから当時の体験を物語ったもので、筆録者については名前も明らかでない。この女性は石田三成(いしだみつなり)に仕えた山田去暦(やまだきょれき)という者の娘で、落城寸前に父とともに城を脱出して土佐(高知県)に逃れ、そこで結婚したが、夫に死別してからは甥(おい)に養われ、寛文(かんぶん)(1661~73)ごろ80余歳で死去したという。書名の「おあむ」は御庵で老尼の意味であろう。軽微なものながら、口語史上、参考になることが少なくない。
国史大辞典
おあむ物語
江戸時代中期に筆録された物語。一冊。慶長五年(一六〇〇)の関ヶ原の戦に、石田三成の大垣の城に籠城していた一女が親しく体験したことを記したものである。女は、三成に奉公した山田去暦という者の娘で、のち父とともに土佐に逃れ結婚するが、夫に死別し、甥に養われ、寛文ごろ八十余歳で死亡したという。そのころ八、九歳でこの話を聞いた男が、のちに筆録したことになっているが、筆録者の名は不詳。享保十五年(一七三〇)三月谷垣守の奥書のある本が伝わっている。書名については、天保八年(一八三七)朝川善庵刊本の跋文は、『御庵物語』すなわち老尼の物語としている。戦国時代末期の攻城戦と城中生活の模様を具体的に、しかも婦人の立場から描写した記録として貴重である。・・・
昭和十八年(一九四三)、湯沢幸吉郎の校訂で『岩波文庫』に収録された。その他『日本庶民生活史料集成』八などにも収める。
[参考文献]
杉浦明平『戦国乱世の文学』(『岩波新書』青五五七)
日本古典文学大事典 / 大曾根章介[ほか]編 明治書院 1998 ISBN:4625400740
p.142
日本古典文学大辞典 第1巻 / 日本古典文学大辞典編集委員会編集 岩波書店 1983 ISBN:4000800612
p.394
雑兵物語・おあむ物語 : 附おきく物語 / 中村通夫,湯沢幸吉郎校訂 岩波書店 , 1943 (岩波文庫 ; 黄-245-1) 4003024516
見聞記 / 原田伴彦{ほか}編 三一書房 , 1969 (日本庶民生活史料集成 ; 第8巻)
雑兵物語 : 雑兵のための戦国戦陣心得 / 吉田豊訳 ニュートンプレス , 1997 (原本現代訳 ; 22) 431540103X
おあむ物語 おきく物語
古典籍総合データベース 早稲田大学図書館
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/search.php?cndbn=%82%A8%82%AB%82%AD%95%A8%8C%EA (2014/01/17確認)
- 回答プロセス
-
日本古典籍総合目録データベース
項目 内容
著作ID 953
統一書名 おあん物語 ( おあんものがたり ), K, 1
巻冊 一冊
別書名
[ 1 ] おあん女物語( おあんじょものがたり )
[ 2 ] おあん女咄( おあんじょばなし )
[ 3 ] 於安女咄( おあんじょばなし )
[ 4 ] 於和武物語( おあんものがたり )
[ 5 ] 安女戦話( あんじょせんわ )
分類 戦記
著者 山田/去暦/女
著作注記 〈般〉版本は「おきく物語」と合。〈備〉日本古典文学大辞典に解説あり。〈欧〉欧州所在日本古書総合目録にもデータあり。
国書所在
【写】国会(好古堂漫録三)(土佐国群書類従伝記),内閣(四種奇賞の内)(土佐国群書類従伝記),静嘉(温古堂叢書一)(柳営夜話・本多忠勝聞書等を付す),宮書(二部)(古心堂叢書九八)(静幽堂叢書四二)(片玉集九四),大阪市大福田(年貢考と合),京大(土佐国群書類従伝記),教大(天保八版写),東大(弘化四写)(二部),東大史料(土佐国群書類従伝記),早大(群記類鑑九),愛媛伊予史,高知(土佐史料四〇六)(土佐国群書類従伝記),宮城小西(二巻一冊),金沢市稼堂(即位記・感状記と合),金沢市加越能(松雲公採集遺編類纂一六五),刈谷(蓬廬雑鈔の内),岩瀬(合一冊),蓬左,大橋(天保年間写),尊経,無窮神習(享保一五跋),旧彰考,[補遺]岡山大池田(おきく物語と合),日比谷諸家(むかしもの語と合),飯田(おきく物語と合)
【版】<享保一五版(谷垣守奥書)>東博,芸大美術,高知,三原,米本,[補遺]飯田<天保八版(朝川善庵跋)>内閣,静嘉,宮書,京大,京大潁原,教大,芸大美術,東大,早大,京都府,大阪市,栗田,神宮,尊経,無窮神習,[補遺]関大,京大谷村,日比谷諸家,松宇<弘化二版>国会,京大,慶大,教大,東大,東北大狩野,大阪府,岐阜,桜山,無窮織田,凌霄,礫川<刊年不明>国会,京大,東大,秋田,大阪市,茶図成簣,北野,羽中山,[補遺]国会亀田,九大,京女大,慶大幸田
【複】〔活〕岩波文庫・女流文学全集一・[補遺]高知大学教育学部研究報告一七
著作種別 和古書
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
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日本古典籍総合目録データベース 国文学研究資料館
http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/about.html (2014/01/17確認) - おあむ物語 ; おきく物語 山田去暦女 [著] 日本文化資料センター, 1985
- おあん物語・おきく物語・理慶尼の記 : 本文と総索引 菊池真一 編, 和泉書院, 1987 4870882248
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日本古典籍総合目録データベース 国文学研究資料館
- キーワード
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- おあむ物語 おあん物語 おあんはなし おあん女物語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000143626