レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/05/06
- 登録日時
- 2011/01/28 02:02
- 更新日時
- 2011/03/20 18:02
- 管理番号
- 長野市立長野-10-003
- 質問
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解決
千曲川と犀川の名の由来について知りたい。
- 回答
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・千曲川の名前の由来について
千曲川の上流域に伝わる、大昔の神々の戦いにまつわる伝説に由来するものが多数あった。
また、各資料により、伝説で出来た川の漢字表記が異なっている。
『千曲川の今昔』 p247~p249 →血隈川
『川上村のお話どんぶり』 p29~31 →血汲川
『信州の民話伝説集 東信編』 p296 →千久保川
『定本千曲川』 p184~p185 →血汲川・血隈川
なお、“ちくまがわ”の漢字表記については、
『角川日本地名大辞典20 長野県』 p720では、文献上の初見は万葉集の東歌「信濃なる筑摩の 川の細石も」とあるが、名の表記については、「江戸初期までは、川名の表記は一定せず、慶長16年初めて千曲川の文字が使われ、以後これが定着した」とある。
『千曲川の今昔』 p249では、文献での表記の変移が一覧で掲載されている。
万葉集での表記については『日本傳説叢書 信濃の巻 復刻版』 p386~p387では万葉仮名で「知具麻」の表記が使われている。
・犀川の名前の由来について
松本地方に伝わる泉小太郎伝説を由来とする資料が多数あった。
泉小太郎は資料によっては、犀竜小太郎、犀川小太郎と、呼び名が相違するが、同一の登場人物である。
『信濃の民話11 筑摩野の民話』 p166~p172
『千曲川の今昔』 p321
『日本傳説叢書 信濃の巻 復刻版』 p257~p259
また、泉小太郎伝説のほか、
『千曲川の今昔』 p321では、駒ヶ岳付近の犀川の源流域に群生するヤマユリのアイヌ語の「サイ」をとって、犀川と呼んだ説が記載されており、
『日本傳説叢書 信濃の巻 復刻版』 p257~p259では、昔、安曇野の辺りにあった大きな湖水を、穂高見命(一名宇都志日金拆命)が山を拆(さ)いたので今の犀川となり、犀川は拆川(さきがわ)の訛った名であるとも伝えられている旨の記載もある。
- 回答プロセス
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当館に各河川についてまとめてある郷土資料が複数所蔵されているため、まずそこから各河川の名前の由来に関する記事がある資料で確認し、更に流域の伝説についての資料も確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 河海工学.河川工学 (517)
- 参考資料
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- 『千曲川の今昔』国土交通省北陸地方整備局千曲川工事事務所 北陸建設弘済会 2001年 <N517チ>
- 『川上村のお話どんぶり』中嶋初女 櫟 1995年 <N388ナ>
- 『信州の民話伝説集成 東信編』和田登 一草舎出版 2006年 <N388シ4>
- 『定本千曲川』市川健夫 郷土出版社 2003年 <N517テ>
- 『角川日本地名大辞典20 長野県』「角川日本地名大辞典」編纂委員会 角川書店 1990年 <R291.03カ20>
- 『日本傳説叢書 信濃の巻 復刻版』藤沢衛彦 すばる書房 1977年 <N388フ>
- 『信濃の民話11 筑摩野の民話』上條倭子/著,信州児童文学会/編集 信濃教育会出版部 1981年 <N388シ11>
- キーワード
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- 千曲川
- 犀川
- 川
- 由来
- 伝説
- 長野県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000077281