レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年12月01日
- 登録日時
- 2010/11/20 16:33
- 更新日時
- 2018/01/22 09:32
- 管理番号
- edo2010-02
- 質問
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解決
江戸時代に褌(ふんどし)を貸し出すレンタル業があった?
- 回答
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「あった」とは断定できない。
大正時代に発行された【資料1】「こしかたばなし(2)」によると、文久年間江戸に暮らした老人から筆者が聴いた懐古談として、二百四十八文で店から褌を買い、汚れたら六十文添えて持っていくと、洗濯済みの代わりの褌を渡してくれる店があったと記している。これを褌の洗濯屋と取るか、褌を貸す商売と取るかによって、質問に対する答えは分かれるところである。
また、【資料1】は「其洗濯屋は何処であるのかを聴かなかったが、それらの洗濯屋はどの辺に何年頃まであったものであろうか」と締めくくっている。この商売が具体的に江戸のどの辺りで行われていたか、一般的なものだったのかは、他に裏付ける江戸時代の資料が見当たらない点、【資料1】の発行が大正時代である点、過去に人から聞いた話である点など、断定するには所蔵資料では材料不足である。
- 回答プロセス
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【資料2】『お江戸の意外な商売事情 リサイクル業からファストフードまで』は【資料1】を出典にしている。参考資料【資料3】~【資料10】の文献は江戸時代の諸職業について書いており、【資料3】『図説大江戸おもしろ商売』は損料屋(レンタル業のような商売)についても記述があるが、褌を貸す(洗濯する)商売については書いていない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会.家庭生活の習俗 (384)
- 商業史.事情 (672)
- 参考資料
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- 【資料1】『彗星 江戸生活研究』 第1巻(大正15年5月号) 雑誌叢書 5 ゆまに書房 昭和59年復刻(「こしかたばなし(2)」森沢瑞香著所収) (p.126)
- 【資料2】『お江戸の意外な商売事情 リサイクル業からファストフードまで』 PHP文庫 中江克己著 PHP研究所 2007年 3843/B134/007 (【資料1】を出典にしている)
- 【資料3】『図説大江戸おもしろ商売』 北嶋廣敏著 学習研究社 2006年 6721/103/006 (p.142に損料屋について記述あるが、褌については言及なし。)
- 【資料4】『大江戸商売ばなし 庶民の生活と商いの知恵』 PHP文庫 興津要著 PHP研究所 1997年 721/B77/97
- 【資料5】『定本江戸商売図絵』 三谷一馬著 立風書房 1986年 3843/79/86
- 【資料6】『守貞謾稿 第1~5巻』 喜多川守貞著 朝倉治彦,柏川修一校訂編集 東京堂出版 1992年 3821/212/1~5
- 【資料7】『商売往来風俗誌』 小野武雄編著 展望社 1983年 3843/74/83
- 【資料8】『江戸あきない図譜』 高橋幹夫著 青蛙房 1993年 6721/61/93
- 【資料9】『江戸商売往来』 興津要著 プレジデント社 1993年 6721/6/93
- 【資料10】『時代小説職業事典 大江戸職業往来』 歴史群像編集部編 学研教育出版 2009年 3843/138/0009
- キーワード
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- レンタル
- レンタル褌
- 褌
- 損料屋
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000073644