レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2010/09/24 12:44
- 更新日時
- 2012/12/26 15:36
- 管理番号
- 若松一般 159
- 質問
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解決
初釜の時に出てくる八寸とはどのようなものでしょうか。
参考になる資料があれば提供してください。
- 回答
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茶道で、新年に初めて炉に釜をかけて行う茶事(正式な茶会)のことを初釜と言います。
茶事では必ず酒と料理が出され、茶事のための料理のことを「懐石」と言い、懐石料理の中の酒の肴が八寸です。
八寸とは本来容器の名です。
一寸(約3.03cm)を単位とした、8倍の長さが八寸(約24cm)であり、
八寸四方の杉木地の四方盆(八寸)に盛って出すので、八寸と呼ばれます。
(会席料理なとでは、塗りの木皿を使ったり、形も四方に限らない場合があります。)
盛り付けは、海の生臭物と山の精進物を二種取り合わせて出すことを原則としますが、慶事や到来物があるときは三種にすることもあります。
盛り付ける際には、八寸によく水を含ませ、つぎ目が向こうになるようにして盛り付けます。
そして、青竹両細の取り箸を添えます。
ひととおりの料理が終わると、亭主は左手に八寸、右手に銚子を持って出て、正客の前に坐ります。
酒を注ぎ、八寸肴のうち海のものを吸物椀の蓋に取ってすすめ、末客まで同様にします。
正客に戻り、また酌をして他の一種の肴をつけ、亭主も酌を受けて末客まで献酬を繰り返します。
酒盃が正客の間を千鳥が飛ぶように回る故に、これを「千鳥の盃」と呼び、正式な盃事です。
- 回答プロセス
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「大辞泉」「新世紀ビジュアル大辞典」で『初釜』と引いたところ、茶道用語という事が分かりました。
そこで茶道の本を見ると、八寸が懐石料理の一品だという記述を発見。
また、懐石料理が元来茶事に出てくる料理という事も分かり、懐石料理・茶事・茶会などについて書かれた本を中心に探すことにします。
(一応 料理の本も見てみたが、日本料理、お祝いの料理などには八寸のことは載っていませんでした)
懐石料理・茶事・茶会について書かれたもの中には 八寸の事が書かれたものもあり、その時のお酒の飲み方を『千鳥の盃』と言う との事。
『千鳥の盃』からも探してみると、八寸の作法がより詳しく分かりました。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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『風炉の正午の茶事と朝茶〈表千家流〉』
堀内宗心指導
世界文化社、2004年
(43-49頁)、<791.7/ホ> -
『やさしい懐石料理 <炉編>』
千 澄子著
世界文化社、1986年
(32頁)、<791/セ> -
『やさしい懐石料理 <風炉編>』
千 澄子著
世界文化社、1986年
(15頁)、<791/セ> -
『茶の湯デザイン』
木村宗慎監修,ペン編集部編
阪急コミュニケーションズ、2009年
(156-161頁)、<791/ペ> -
『はじめての茶の湯』
入江宗敬監修
小学館、1999年
(12頁)、<791/ハ> -
『懐石料理』
NHK「美の壺」制作班編
日本放送出版協会、2009年
(61頁)、<791.8/エ> -
『角川茶道大事典 本編』
林屋 辰三郎〔ほか〕編集
角川書店、1990年
(八寸:1108頁,千鳥の盃:864頁)
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『風炉の正午の茶事と朝茶〈表千家流〉』
- キーワード
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- 八寸
- 千鳥の盃
- 初釜
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000071694