レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007年12月26日
- 登録日時
- 2008/03/05 16:26
- 更新日時
- 2016/08/20 12:29
- 管理番号
- 町田-043
- 質問
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解決
冬至の日に柚子湯に入るようになったのはいつ頃からか、またどのような理由からか。
- 回答
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時期:室町時代後期の書物には記述がなく、江戸時代後期の書物には記述があることから、江戸時代からではないかと考えられる。
理由:柚子の成分が皮膚によい、風邪をひかないといわれていた。
また、香りが強いく邪気を祓うとも考えられていた。
湯は体を清める、火には儀礼的な意味合いがあり、このようなことを総合して柚子を入れた湯を沸かして入るようになったのではないかと考えられる。
- 回答プロセス
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『絵本江戸風俗往来』(東洋文庫)p.25「冬至に柚子湯に入る」とあり。
『日本大百科全書』“ゆず”の項
「起源は明らかではないが冬至の日に柚子を風呂に入れ柚子湯を楽しむ風習あり~『東都歳時記』にもみえる」と あり。
『東都歳時記(天保九年)』(東洋文庫)に記述を確認、江戸時代には風習があったことがわかった。
『江戸の庶民生活・行事事典』(東京堂出版)にも参考文献として『東都歳時記』あり。
『日本民俗大辞典』(吉川弘文館)“冬至”の項
「冬至には冷酒を飲み柚子湯に入ると風邪をひかないといわれ~」とあり。
参考文献として『催事百話』(ぎょうせい)あり。
『催事百話』“冬至祭り”の項
「風呂に入ること=身体を清めること。柚子には独特の香りがあり、柚子湯のはだざわりはすこぶる快適、刻んだ柚子で身体をこすればひびやあかぎれがなおるといわれ、薬湯として愛好され~ 柚子を縁の下に放り込んでおくと邪気が払われる~」とあり。
『日本風俗史事典』(弘文堂)“冬至”の項
「冬至にはあらゆる民族で太陽の復活儀式を行ったが、それは炉の日を更新することで示された~柚子湯につかり~新しい火によって衰えた身体を回復させるための迎春の儀式~」とあり。
『事物起源事典』(東京堂出版)“柚子”の項
「平安朝の人々は食用にしていた~いつの頃からか冬至の日に柚子湯に入るように~」とあり。
『和漢三才図会』(東洋文庫・出典は『本草綱目(1569)』)“柚”の項には風呂に入れるという記述は見当たらず。
上記を総合して回答した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 冬至
- 柚子
- 柚子湯
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000042268