調査の結果「さんがい」に関する記述がある資料が見つかりましたので、紹介します。
・『綜合日本民俗語彙 改訂2』(民俗学研究所/編 平凡社 1970.10)
p.653の「サンガイ」という項目に以下のように記されています。
香川県高松市付近の特殊民をいう。竹細工を業とし、蓮根掘り貝類、鰻、泥鰌などを捕って売り歩く(民歴五ノ二)。特殊民ほどは賤しめられず、山窩ほどは獰猛でないともいい、明治維新ごろまでは、亀甲山の下に家を構えて住んだものもあるという(郷研四ノ一〇)。語の起こりは、やはり山窩からであろう。
引用文献「民歴」:雑誌『民族と歴史』5(2)(日本學術普及會 1921)中之島図書館所蔵(請求記号:雑/520/#)
引用文献「郷研」:雑誌『郷土研究』4(10)(郷土研究社 1916)中之島図書館所蔵(請求記号:雑/3510/#)
・『サンカ社会の深層をさぐる』(筒井功/著 現代書館 2006.10)
p.186の2行目に「・・・香川県中部の木田郡や、徳島県北部の香川県境に近い阿波郡の山間地には、非定住の川漁師のことを指した「サンガイ」という言葉があった。この語を知っている人は、おおかた相当の年齢であり、しかも彼らを見たことがあるわけではない。父母とか祖父母から聞いたのである。昭和初年ごろには、すでに姿を消していたのではないか。」と記されています。
・『漂泊の民サンカを追って』(筒井功/著 現代書館 2005.7)
上記資料と同一著者の著作。p.130に同じような記述があります。「・・・香川県中部の木田郡や、徳島県北部の香川県境に近い阿波郡の山間地には、非定住の川漁師のことを指した「サンガイ」という言葉があった。彼らもやはり、差別の対象になっていた。いまではそれを、被差別民を意味する隠語のように受け取っている人もいる。」と記されています。
なお『日本国語大辞典』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2006.2 813.1/66N)などの国語辞典、『日本民俗大辞典』(福田アジオ/[ほか]編 吉川弘文館 1999.10)などの民俗関係の事典などを調査しましたが、調査した範囲内では「さんがい」に関する記述は見つけられませんでした。