レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/04/10
- 登録日時
- 2022/11/21 00:30
- 更新日時
- 2023/03/26 11:52
- 管理番号
- 牛久-1846
- 質問
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解決
数学で使われているxについて、どうしてxが使われているのか書かれている本はありますか(大人向けの資料でも良い)。
- 回答
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下記2冊を提供。
(11)『数学者たちはなにを考えてきたか』(仙田章雄/ベレ出版/2010.11)
…p81-82「xは未知数」の項目に「一説によると、はじめはzを未知数としていましたが、印刷所には活字のxがたくさんあったので、xから始めたといいます」(p81)との記載あり。
(15)『数学用語と記号ものがたり』(片野善一郎/裳華房/2003)
…p80「彼が原稿を書いて印刷所へ持って行ったところ、印刷所にはz、yよりxの活字の方がたくさんあったので、途中からxを多く使うようにしたという説があります」
p83「アラビア語のshay(ある物)がスペインで書き写されるとき、shの音に相当するxを使ってxayと訳したということです。そしてこの頭文字のxが未知数として使われたという説があります。この説は明治22年3月の『数学協会雑誌』の雑録のなかにも紹介されています」
p84 ドイツのルドルフの代数の本(1525年)では、未知数の1つであるradix(根)のrとxを続けて書いたものが使われており、それがxに似ていることから「xを使うヒントになったのではないかと考えられています」
- 回答プロセス
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1.自館資料検索のフリーワードに「数学 X」で検索。
→ヒットした資料の内容紹介を確認して、記号について記載のある以下の資料を確認するが記載なし。
(1)『数学、それは宇宙の言葉』(サム・パーク編/岩波書店/2020.8)
(2)『知性を鍛える大学の教養数学』(佐藤恒雄/講談社/2014.6)
(3)『xはたの<も>しい』(スティーヴン・ストロガッツ/早川書房/2014.6)
2.数学の歴史書や雑学書に記載がないか、数学の書架をブラウジングして以下の資料を確認。
(4)『面白くて眠れなくなる数学』(桜井進/PHPエディターズ・グループ/2010.8)…記載なし。
(5)『数学記号を読む辞典』(瀬山士郎/技術評論社/2013.11)…記載なし。
(6)『数学の歴史1・2』(メルツバッハ/朝倉書店/2018.4)…記載なし。
(7)『なっとくする数学記号』(黒木哲徳/講談社/2021.2)…記載なし。
(8)『数学大図鑑』(ニュートンプレス/2020.5)…記載なし。
(9)『なるほど!いっぱい中学数学』(熊倉啓之/日本評論社/2010.2)
…p92-94「文字使用の歴史」の項に未知数の歴史の記載はあるが(p92)、x採用の理由はなし。
(10)『デカルトの暗号手稿』(アミール・D.アクゼル/早川書房/2006.9)
…p128に、デカルトが他の記号も用いていたという記載はあるが、x採用の理由はなし。
(11)『数学者たちはなにを考えてきたか』(仙田章雄/ベレ出版/2010.11)
…p81-82「xは未知数」の項に「一説によると、はじめはzを未知数としていましたが、印刷所には活字のxがたくさんあったので、xから始めたといいます」(p81)との記載あり。
3.百科事典や数学の参考図書を確認するが、以下の資料には記載なし。
(12)『世界大百科事典 14 改訂新版』(平凡社/2007.9)
・・・p625-627「数学記号」の項に未知数の歴史の記載はあるが、x採用の理由はなし。
(13)『世界数学者人名事典』(A.I.ボロディーン編/大竹出版/1996.11)
(14)『数学史事典』(日本数学史学会編/丸善出版/2020.10)
…p322-325「数学記号法:西洋」の項に未知数の歴史の記載はあるが、x採用の理由はなし。
4.(14)の参考資料にあった
(15)『数学用語と記号ものがたり』(片野善一郎/裳華房/2003)
の内容を国立国会図書館NDL ONLINE(https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/)(最終アクセス日:2022年4月28日)で目次を確認したところ「2. 方程式の未知数がxになるまでの長い道のり」とあり。
→相互貸借で内容を確認。以下の記載あり。
・「彼が原稿を書いて印刷所へ持って行ったところ、印刷所にはz、yよりxの活字の方がたくさんあったので、途中からxを多く使うようにしたという説があります」(p80)
・「アラビア語のshay(ある物)がスペインで書き写されるとき、shの音に相当するxを使ってxayと訳したということです。そしてこの頭文字のxが未知数として使われたという説があります。この説は明治22年3月の『数学協会雑誌』の雑録のなかにも紹介されています」(p83)
・ドイツのルドルフの代数の本(1525年)では、未知数の1つであるradix(根)のrとxを続けて書いたものが使われており、それがxに似ていることから「xを使うヒントになったのではないかと考えられています」(p84)
※以下の資料には「デカルトがXの表記法を広めた」という記載はあったが、質問者は既に承知で不要とのこと。
(8)p59、(9)p93、(10)p128、(11)p81、(12)p626、(13)p325、(14)p323、(15)p79
5.(11)、(15)を提供。
- 事前調査事項
- NDC
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- 数学 (410 10版)
- 参考資料
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- B10611861 数学者たちはなにを考えてきたか 仙田章雄/著 ベレ出版 2010.11 410.2 978-4-86064-274-7
- B10405180 数学用語と記号ものがたり 片野善一郎/著 裳華房 2003.8 410 9784785315337
- NDL ONLINE https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/ 2022/4/28
- キーワード
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- 数学
- 未知数
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 小中学生
- 登録番号
- 1000324398