レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20210517
- 登録日時
- 2022/08/18 00:30
- 更新日時
- 2022/08/20 15:20
- 管理番号
- 中央-2022-19
- 質問
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解決
都立中央図書館特別文庫室所蔵の「渡辺刀水旧蔵諸家書簡文庫」の入手時期や経緯、閲覧可能になった時期について知りたい。
- 回答
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1 「渡辺刀水旧蔵諸家書簡文庫」の入手時期・経緯
時期:1945(昭和20)年3月中旬から4月10日の間(資料2 p.384)。
経緯:資料1、2に記載あり。
<調査経過>
「渡辺刀水旧蔵諸家書簡文庫」(以下「渡辺刀水文庫」)は、都立図書館特別買上図書の中の1コレクションである。「渡辺刀水文庫」の冊子目録(資料1)「序」には、以下のように記述されている。
「特別買上図書とは、散逸や亡失を防ぎ後世の資料として保存するために、昭和十九年に当時の東京都教育局が民間の学者や蔵書家から一括購入し、郊外への疎開等によって戦災を免れることのできた貴重な資料」
この特別買上事業に嘱託として関わった反町氏による「日比谷図書館の特別買上事業」(資料2)に特別買上の経緯が記されている。昭和20年3月中旬から4月10日までに購入した、主立った大口の文庫のひとつに「渡辺刀水文庫」が挙げられている(p.384)。
2 資料が一般公開され、閲覧が可能になった時期
明確な年月日は不明。
<調査経過>
特別買上図書は、1948~1949年(昭和23~24年)には疎開先から戻り、順次整理に着手し、冊子目録を刊行している(資料3 p.10)。
最後に整理されたのが「渡辺刀水文庫」で、目録(上記資料1)が刊行されたのは、1986年(昭和61年)3月である。したがって、この前後から公開・閲覧可能になったと思われる。
1985~1987年度(昭和60~62年度)の都立図書館の事業年報を確認したが、「渡辺刀水文庫」の公開についての記述は見出せなかった。
参考として、資料4および資料5の渡辺刀水への追悼文中に、書簡コレクションが整理中であることが記載されている。資料5の「編集後記」(p.515)に初出として資料4が挙げられている。
・【資料4】雑誌『日本古書通信』 30巻6号通巻431号復刊254号(1965.6)
p.15「渡辺刀水翁を憶ふ」(洗雲荘)
・【資料5】『森銑三著作集 第12巻 雑纂』
p.483-485「渡辺刀水翁を憶ふ」
「翁の蒐集としては、何といつても萬に上る古人の書簡を挙げなくてはならない。それらは戦時中に、都立日比谷図書館に譲られたのであるが、物が物だけに整理が後れて、やつと昨年からその整理が始まつて、現にその進行中である。」(p.484-485)
初出の資料4の発行年が1965年なので、引用文中の「昨年」は「1964年」を指している。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 【資料1】東京都立中央図書館蔵渡辺刀水旧蔵諸家書簡目録 / 東京都立中央図書館編・刊 / 1986.3
- 【資料2】雑誌:図書館雑誌 74巻8号通巻681号 (1980.8) / 日本図書館協会 / 1980.8
- 【資料3】雑誌:ひびや 5巻1~11号通巻48~58号 (昭37.4~38.3) / 東京都立日比谷図書館 / 1962.4~1963.3
- 【資料4】雑誌:日本古書通信 30巻 6号復刊254号 通巻431号 (1965年6月) / 日本古書通信社 / 1965.6
- 【資料5】森銑三著作集 第12巻 雑纂 / 森銑三/著 / 中央公論社 / 1971 <0818/192/12>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000320023