レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年10月21日
- 登録日時
- 2021/10/21 17:29
- 更新日時
- 2021/10/24 15:23
- 管理番号
- 県立長野-21-154
- 質問
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解決
昭和2年に長野県岡谷市の山一林(やまいちはやし)組の製糸工場で起きた工女の労働争議(ストライキ)について、現地である長野県の新聞報道を読みたい。長野県の主要なローカル紙である「信濃毎日新聞」は調査済み。
- 回答
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昭和2年当時、長野県内で刊行されていた新聞は多々あったが、信濃毎日新聞以外で当館で保存されているものはほとんどない状態だった。信濃毎日新聞はすでに調査済みとのことだったので、「東京日日新聞(現・毎日新聞)」の地方版のマイクロフィルムを紹介した。
昭和2年当時の地方面には「信州版」と「南信版」の2種類があり、山一組のあった岡谷の記事は、「南信版」が詳細なものになっていた。
『東京日日新聞(現・毎日新聞)』 南信版
8月18日朝刊 第8面 「資本家に対抗するため 工女の秘密結社」
8月30日朝刊 第8面 「山一組対職工の啀み合ひ 同盟罷業を誘発」
8月31日朝刊 第8面 「将来の浮沈に関するとて 製糸家、林組を後援」「県当局では」
9月 1日朝刊 第8面 「清算の出来次第にさっさと退場せよ 争議いよいよ深刻化」
「争議団本部 林氏を告発」「断わられながらも労農党の応援」
「二時間に亘って実況を陳情」「同情罷業」
9月 2日朝刊 第12面 「他の工場の組合加入従業員 同情罷業に出る形勢あり」
「創業者の喪服で罷業戦線へ」「病に悩む女工を乱暴な取扱ひ」
9月 3日朝刊 第8面 「強硬な会社側 千余名に解雇を申し渡す罷業団一歩も譲らず」
「解雇の条件」「問題の解決するまでは清算も取らぬ、工場も退かぬ」
「罷業雑感」
9月 4日朝刊 第8面 「清算を長引かせてその間に切り崩しか」「賃金も取らぬ、工場も退かぬ」
「争議団と警官 正面衝突」「知事に調停依頼」
9月 6日朝刊 第8面 「突如、鮮人団体が調停を申込む」「多少鈍ってきた会社側の態度」
9月 7日朝刊 第12面 「双方ともに疲労の色」
9月 8日朝刊 第8面 「賃金を受け取った上八日午後五時迄に退場せよ」
「不安裡にある岡谷の町民」「林組は工場を閉鎖」
9月 9日朝刊 第12面 「会社側の侮蔑的字句に一騎当千の面々詰よる」
「契約解除の方法が無効だ」
9月10日朝刊 第8面 「又かとばかりに落ち着き払った本部」「今度退場せねは断乎法の力で」
「親父が出動して娘の取りもどし」「調停するには時期総省尚早」
9月11日朝刊 第8面 「御慶事のため休養気分」
9月13日朝刊 第8面 「面目丸潰れの林組 遂に糧道を遮断す」「更に行政処分で立退を強制」
「切崩に着手」
9月14日朝刊 第8面 「補助憲兵百名 出動の準備」「食物と寝起の場所は心配してやる」
「取締の要求と抗議を提出」
9月15日朝刊 第12面 「追ひ出し策が成功して会社側に会心の笑み」「争議の一切は総同盟が」
「『母の家』に対し厭迫の手」
9月16日朝刊 第12面 「相抱いて暖をとる 岡谷林組の争議」「各婦人団体立たん」
「社会局長官に調停を依頼」「この所女工様々」
「製糸家も林組の後援を喜ばず」
なお、当該期間の『南信日日新聞』を諏訪市図書館が所蔵しているので紹介した。
- 回答プロセス
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1 当館所蔵の新聞のうち、昭和2年のものを調査する。原紙、マイクロフィルム等。契約データベースのうち、全国紙の地方版の収録年限を確認したが、昭和2年は含まれていなかった。
2 マイクロフィルムで地方版を確認する。当該記事を含むものは、『東京日日新聞(現・毎日新聞)』のみ。
3 『南信日日新聞』の当該期間を所蔵する諏訪市図書館へ照会する。
- 事前調査事項
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信濃毎日新聞は調査済み
- NDC
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- 日本 (071 10版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 山一林組
- 製糸業
- 工女
- 労働争議
- ストライキ
- 信州学
- 照会先
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- 諏訪市図書館
諏訪市湖岸通り5-12-18
Tel 0266-52-0429
- 諏訪市図書館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000306327