レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/06/09
- 登録日時
- 2021/07/02 00:30
- 更新日時
- 2021/07/27 10:17
- 管理番号
- 9778357
- 質問
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解決
「1923年の関東大震災の直後、南行徳村にあった汽船の発着所(江戸川沿い、深川区高橋へ向かう)で、自警団によって日本人三人が殺害されています。この発着所のあった場所を教えて下さい。」との質問を受けております。
当館の資料では、9月4日の夜、川崎で罹災し南行徳村に辿り着いた連合紙器株式会社の従業員3人が源心寺境内で虐殺される事件が起こり、後に源心寺境内に供養塔が建てられた旨の資料は見つかりましたが、それ以上の詳細な内容の資料は見つかりませんでした。
国会図書館に『関東大震災・虐殺事件 : 「秋田・三重・沖縄三県人虐殺」〈検見川事件〉の真相 : 附〈埼玉県妻沼事件〉〈千葉県南行徳村事件〉 』(東京本館:図書カウンター書庫1201601431307)という資料はあるようです。この資料に、殺害場所や汽船の発着所に関わる記載がありますでしょうか。
- 回答
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ご照会の次の資料の「千葉県南行徳村事件」の箇所を確認しました。「南行徳村一軒家と称する江戸川緑汽船発着所」から上陸して来た三名について、「同村源心寺門内に於いて内一名を、次で同門前から八幡町方面に向かって七、八間進んだ同村香取地内の県道に於いて他の二名を」殺害したとの記述があります。汽船発着所の具体的な場所を示す情報は見当たりませんでした。
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『関東大震災・虐殺事件 : 「秋田・三重・沖縄三県人虐殺」〈検見川事件〉の真相 : 附〈埼玉県妻沼事件〉〈千葉県南行徳村事件〉』島袋和幸 [著]. 沖縄の軌跡, [2013] 【当館請求記号Y93-L10158】
千葉県南行徳村事件 pp.29-30
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なお、上記の記述に関して、「『いわれなく殺された人々』(170頁)に『関東大震災の治安回顧』で記しているという文章が載っている。」との記述があり(p.29)、引用の引用ということになるようです。これら下記資料も確認しましたが、文面は同じであり、追加の情報は見当たりませんでした。なお、これらの資料では、発着所の名称はいずれも「江戸川縁汽船発着所」(「緑」ではなく)となっています。
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『いわれなく殺された人びと : 関東大震災と朝鮮人』
千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会 編. 青木書店, 1983.9 【当館請求記号GB481-38】
p.170
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『関東大震災の治安回顧 (特別審査局資料 ; 第1輯)』
吉河光貞 著. 法務府特別審査局, 1949.9 【当館請求記号AZ-357-42】
p.82
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- 回答プロセス
- 事前調査事項
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①『市川の歴史を尋ねて 郷土読本』(市川市教育委員会 1988)p.226-227
②『明解行徳の歴史大事典』(鈴木 和明/著 文芸社 2005)p.299-300
③『関東大震災の禍根 茨城・千葉の朝鮮人虐殺事件』(桜井 優子/著,五島 智子/著 筑波書林,茨城図書(発売) 1980)p.62→『現代史資料 6 関東大震災と朝鮮人』(姜 徳相/編,琴 秉洞/編 みすず書房 1978)p.437に同じ記載あり。
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- サービス企画課(レファレンス承認者)
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000301091