レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年07月15日
- 登録日時
- 2021/02/26 11:13
- 更新日時
- 2021/02/26 11:13
- 管理番号
- 福参-1157
- 質問
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解決
①「人一倍、努力する」と言うが、人一倍の努力であれば、数学的に考えれば他人と同じだけの努力でしかない。意味的には二倍の努力だと思うのだが、一倍というのは何故か。
②明治8年に発令された「人一倍」に関係するお触れ(太政官布告)とは何か。
- 回答
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①「人一倍」について
◆参考資料1『日本国語大辞典 第11巻(第二版)』p.364に下記の記述あり。
【人一倍】人の倍であること。普通の人以上であること。副詞的にも用いる。
◆参考資料2『日本国語大辞典 第1巻(第二版)』p.1093に下記の記述あり。
【一倍】
①(二倍の古い言い方)ある数量にそれと同じだけのものを加えること。また、その結果の数量。ばい。いちへ。
②(副詞のようにも用いる)他と比較して数量、程度が大きいこと。いっそう。ひとしお。
③数学で、ある数に一をかけること。また、その数。かける前の数と同じになる。
◆参考資料4『大辞泉 上巻(第二版)』p.220に下記の記述あり。
【一倍】
①ある数量に1を掛けること。また、1を掛けた数量。同じ数量。
②ある数を二つ合わせること。2倍。
③他よりも数量・程度が大きいこと。副詞的にも用いる。いっそう。
◆参考資料3『悩ましい国語辞典』p.222-223に下記の記述あり。
【人一倍】
「一倍」だと数学的には同等のことでは?(中略)『日本国語大辞典』によれば、「一倍」は「二倍の古い言い方で、ある数量にそれと同じだけのものを加えること」とある。一番古い用例は奈良時代のものなので、かなり古くから2倍の意味で用いられていたことがわかる。(中略)しかし、実際の日常語としてはそんな厳密なものではなかったのかもしれない。だから、やがてそれが転じて、「人一倍」のように正確な数量を表すのではなく、ほかと比べて程度が大きいという、「いっそう」「ずっと」の意味になったものと思われる。
②「人一倍」に関係するお触れ(太政官布告)について
◆参考URL1 国立国会図書館デジタルコレクション 『太政官布告、明治8年 第101-207号』
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787675 161コマ インターネット公開(保護期間満了 2020.12.1最終確認)に下記記述あり。
「第百八拾三號
自今公文中總テ計算上一倍ノ稱呼ヲ止メ 從前ノ諸規則等ニ一倍ト記載有之分ハ二倍ト改正候條此旨布告候事
但譬ハ原金高一圓ノ二倍ハ二圓十倍ハ十圓ト計算候儀ト可心得事
明治八年十二月二日 太政大臣三條實美」
- 回答プロセス
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調査方法は、以下の通り。
①「人一倍」の正確な意味を辞書で確認。言葉の変遷に関する資料の調査
②「国立国会図書館デジタルコレクション」から明治8年の太政官布告を検索
日本語の変遷に関す資料を当館資料から検索しブラウジング等をした。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (810 10版)
- 参考資料
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- 日本国語大辞典 第11巻 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.11 813/1R/96-11 p.364
- 日本国語大辞典 第1巻 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2000.12 813/1R/96-1 p.1093
- 悩ましい国語辞典 神永 曉/著 時事通信出版局 2015.12 810/4/397 p.222-223
- 大辞泉 上巻 松村 明/監修 小学館 2012.11 813/1R/89 p.220
- 国立国会図書館デジタルコレクション 『太政官布告、明治8年 第101-207号』https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787675/161 第183号 明治8年12月2日 2020.12.1最終確認
- キーワード
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- 人一倍
- 一倍
- 倍
- 太政官布告
- 明治8年
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000294186