レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/11/25
- 登録日時
- 2020/11/26 16:08
- 更新日時
- 2021/04/22 13:41
- 管理番号
- 2020_11_26
- 質問
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東京都 稲城市の地名の由来について
- 回答
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「稲城」という地名の由来について明確な事情を明らかにする資料は今のところ存在しない。
ただし『窪全亮と奚疑塾』、『武蔵野郷土地名稿(草稿)』という資料に地名の由来が書かれているが、
この2冊以外に地名の由来について書かれた資料がないため確証はない。
説①窪全亮による命名とする説(『窪全亮と奚疑塾』による)
『窪全亮と奚疑塾』という資料のなかに川島琢象によって書かれた「稲城の地名と窪先生」という文章がある。これによると明治22年の市制町村制により六つの村が合併する際、初代村長の森清之助が窪全亮に新しい村名を相談したところ、「稲城」と「稲穂」の2つの候補が示され「稲城」に決まったという説が記述されている。
説②地方豪族の稲毛氏を由来とする説(『武蔵野郷土地名稿(草稿)』による)
『武蔵野郷土地名稿(草稿)』はとある地域史の研究者が個人で所蔵している資料のため、現物を確認することはできない。稲城市ホームページによると『武蔵野郷土地名稿(草稿)』には「稲毛村」の名称が選ばれたが許可を得られず、字義の通じる「稲城」村に命名されたと記述されているらしい。
明治19年に発行された『地誌編輯取調簿』には鎌倉時代にこの地域を稲毛氏という地方豪族の所領であったとあり、当時の人々の歴史認識として「稲毛」を共有していた思われる。
- 回答プロセス
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まずは『角川日本地名大辞典』で稲城の地名の由来を調査した。
結果「市名の由来は成立直前の町名による」とある。
さらに稲城市の沿革をみると明治22年に稲城村成立、昭和32年に稲城町成立となっている。
そこで稲城村成立の歴史について調査を進めた。
『稲城町誌』、『稲城のあゆみ改訂版』、『稲城市の地名と旧道』を調査し、
上記の回答を得た。回答内で紹介された参考資料を確認した。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編. 『角川日本地名大辞典 13 東京都』. 1878. (当館請求記号 R291.03, 当館資料番号 111288807)
- 稲城町誌編纂委員会/編. 『稲城町誌』. 1967. (当館請求記号 K21/イ, 当館資料番号 110990836)
- 稲城市教育委員会生涯学習課/編. 『稲城のあゆみ』 改訂版. 2012. (当館請求記号 k21/.イ, 当館資料番号 650075392)
- 稲城市教育委員会教育部生涯学習課. 『稲城市の地名と旧道』. 2004. (稲城市文化財調査報告書 第20集) (当館請求記号 K28/イ, 当館資料番号 112093874)
- 稲城市教育委員会/編. 『地誌編輯取調簿』. 1975. (稲城市郷土資料集 3) (当館請求記号 K28/イ, 当館資料番号 110626472)
- 窪全亮先生頌徳碑建立委員. 『窪全亮先生と奚疑塾』. 1986. (当館請求記号 K372/ク, 当館資料番号 110654056)
- 稲城市ホームページ (https://www.city.inagi.tokyo.jp/kanko/rekishi/inagishibunkazai/timeinoyurai.html)
- キーワード
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- 稲城市
- 地名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000289877