レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/09/12
- 登録日時
- 2020/10/16 00:30
- 更新日時
- 2020/10/16 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-200121
- 質問
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解決
「地方新税」,「法定外普通税」,「法定外目的税」について概要や実例を知りたい
- 回答
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「地方新税」について記載のある資料は見当たりませんでしたが,「法定外普通税」や「法定外目的税」に関する資料を以下の通りご案内します。
資料1 『知恵蔵 2007』朝日新聞社, 2007.1【813.7/チ1/07ABR】
p.0374「法定外新税」の項
「固定資産税や住民税など、地方税法に規定のある地方税のほか、地方自治体に許される地方税としては、法定外普通税と法定外目的税がある。地方分権推進一括法(2000年4月1日施行)により,法定外普通税の新設や変更に際しては,総務大臣の許可制から「同意を要する事前協議」制に変わった。また自治体が同様の手続きによって,法定外目的税を創設できるようになった。(中略)法定外目的税では、三重県が全国初の産業廃棄物税について総務大臣の同意を得て実施。法定外普通税では、神奈川県の臨時特例企業税の導入に総務省は同意したが、横浜市の勝馬投票券発売税には同意せず、国地方係争処理委員会で審査の後、市は新税を断念した。(後略)」と記載があります。
資料2 税務研究会∥編『税務便利事典』税務研究会出版局, 2008.11【336.98/2008.Y/R】
p.580「法定外地方税 (地方税)」の項
「「地方分権関連法」が成立し,「法定外普通税」の新設等の要件が緩和され,「法定外目的税」の新設を認める規定が創設された。この法定外普通税は,道府県及び市町村が独自に普通税を創設することができる(地法259,699)もので,創設するときには,「総務大臣に協議し,その同意を得なければならない」ことになっている。また,実例としては,沖縄県の「石油価額調整税」,福井・福島県の「核燃料税」,君津市,山北町などの「砂利採取税」,熱海市の「別荘等所有税」などがあり,地域によって様々な税目がみられる。一方,法定外目的税は,道府県や,市町村が独自に目的税を創設することができる税である。この税は,今まで課すことが認められていなかったが,地方分権関連法の制度に伴う地方税法改正で,新設が認められるようになった(地法731)。新設する場合には,法定外普通税同様に「総務大臣の同意」が必要となる。(後略)」
pp.580-581「法定外目的税 (地方税)」の項
「東京都・豊島区において,放置自転車の対応策として導入を目指した「放置自転車等対策推進税」は,JRなどの鉄道機関に負担を課す目的で課税をするというもので,一時,注目を集めていた(両者歩み寄りで廃止)。この放置自転車税に代表されるように,地方自治体(都道府県・市区町村)が,特定の費用に充てるため独自に税目を設定する地方税は,"法定外目的税"といわれている。(中略)平成12年4月1日から,『地方分権一括法』が施行されたことに伴い,地方税法も改正され市区町村についても"法定外目的税"が創設された。これにより全ての地方自治体は,税収の使い道を特定した新たな税目を設定することが,一定の要件の下で可能となったわけだ(地法731)(後略)」と記載があります。
その他,以下の資料にも関連する記載がありました。
資料3 水谷/守男著,菊池/裕子著『地方財政を学ぶ』勁草書房, 2017.6【349/2017.6】
pp.87-88「4-6 地方税の体系」の項中「4-6-1 地方税の分類」
資料4 林 宏昭/著『これからの地方税システム』中央経済社, 2001.8【349.5/2001.8】
pp.34-35「法定外目的税の創設」の項
資料5 黒田/武一郎∥編著 滝野/欣弥∥編集代表『三位一体の改革と将来像』ぎょうせい, 2007.1【349.5/2007.1】
p.153「(2)法定外税の新設・変更に関する自由度の拡大」の項
なお,参考までに以下のウェブサイトに「法定外普通税,目的税の概要及び実施状況」の掲載がありましたのでご案内します。
・「総務省」ウェブサイト http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/ichiran01.html (最終アクセス日:2020/09/05)
「○法定外税の概要」の項中
「ア 法定外税の新説等の手続き」の項
「法定外税,新設等の手続き」が掲載されています。
「イ 法定外税の状況」の項
「 都道府県,市町村ごとの法定外普通税,法定外目的税の平成30年度決算額」が掲載されています。
「ウ 法定外税の実施状況」の項
「都道府県,市町村ごとの法定外普通税,法定外目的税の実施状況」が掲載されています。
・NII学術情報ナビゲータ CiNii https://ci.nii.ac.jp/ (最終検索日:2020/9/6)で「法定外目的税」のキーワードを検索したところ,以下の論文がありました。
信澤由之『法定外目的税の特徴と課題』
本文は,作新学院大学・作新学院大学女子短期大学部の学術情報リポジトリでインターネット公開されています。
https://sakushin-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=256&item_no=1&page_id=13&block_id=21
(最終アクセス日:2020/09/06)
「2.法定外目的税の課税対象」,「3.産業廃棄物に関する法定外目的税の導入事例」,「4.法定外目的税の課題」の項があります。
また「おわりに」の項に以下の記述があります。
「法定外目的税は,地方自治体の自主性と自立性を十分に確保することを目的とした「地方分権一括法」の施行により創設された。これによって地方自治体は財政基盤を確立するために必要な課税自主権が拡大し,政策実現のための税の導入が可能となった。(中略)法定外目的税では,税収をもって政策目的を実現するための施策費用に充てることが意図されるにもかかわらず,税収不足によって十分な施策が実現できなくなる可能性がある。(中略)税収を積み立てる基金をつくり,そこから施策のための費用に充てるなどの工夫を講じていく必要がある。」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 経営管理 (336 9版)
- 参考資料
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- . 知恵蔵 2007. 朝日新聞社, 2007.1【813.7/チ1/07ABR】:
- 税務研究会∥編. 税務便利事典. 税務研究会出版局, 2008.11【336.98/2008.Y/R】:
- 水谷/守男?著 菊池/裕子?著. 地方財政を学ぶ. 勁草書房, 2017.6【349/2017.6】:
- 林 宏昭/著. これからの地方税システム. 中央経済社, 2001.8【349.5/2001.8】:
- 黒田/武一郎∥編著 滝野/欣弥∥編集代表. 三位一体の改革と将来像. ぎょうせい, 2007.1【349.5/2007.1】:
- 小坂/紀一郎∥著. 一番やさしい自治体財政の本. 学陽書房, 2003.9【349/2003.9】:
- 肥沼/位昌∥著. 図解よくわかる自治体財政のしくみ. 学陽書房, 2002.2【349/2002.2】:
- 日本都市センター∥編. 分権時代の自治体税制. 日本都市センター, 2003.3【349.5/2003.3】:
- . 日本大百科全書 21. 小学館, 1994【031/1994.Y/21タR】:
- 矢内/一好?著 高山/政信?著. 税務・会計用語辞典. 財経詳報社, 2009.4【336.98/2009.4/R】:
- 松村/明?監修 小学館大辞泉編集部?編集. 大辞泉 下巻. 小学館, 2012.11【813.1/2012.Y/2R】:
- キーワード
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- 法定外普通税
- 法定外目的税
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000288326