レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年07月27日
- 登録日時
- 2020/08/28 00:30
- 更新日時
- 2020/10/04 00:30
- 管理番号
- 5220006625
- 質問
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解決
アルベール・カミュ著『ペスト』のような感染症やパンデミックを扱った小説があれば読みたい。著名な作家のものがよい。
- 回答
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新聞や雑誌、webサイトなどで掲載された、感染症について書かれた小説などの本の特集や記事で、下記の資料が紹介されていました。
(1)朝日新聞 2020年4月15日 夕刊 2面 「感染症扱う小説や歴史書に注目 カミュ「ペスト」15万部増刷」
紹介されていた作品:カミュ『ペスト』、高嶋哲夫『首都感染』、小松左京『復活の日』、吉村昭『破船』
(以下4冊はノンフィクションや人文書です)村上陽一郎『ペスト大流行』、内務省衛生局『流行性感冒「スペイン風邪」大流行の記録』、ウィリアム・H・マクニール『疫病と世界史』、山本太郎『感染症と文明』
(2)朝日新聞 2020年3月25日 夕刊 2面 「(新型コロナ)脅威と向き合うために 読むべき一冊、6人が寄稿」
紹介されていた作品:篠田節子『夏の災厄』、澤田瞳子『火定』、皆川博子「疫病船」(短編)、小林照幸『検疫官』、川端裕人『エピデミック』、ホーフマンスタール「騎士バッソンピエールの奇妙な冒険」(短編)
(3)読売新聞 2020年4月13日 夕刊 8面 「感染症 名作が記す道標」
紹介されていた作品:ボッカッチョ『デカメロン』、ダニエル・デフォー『ペスト』、カミュ『ペスト』、A・マンゾーニ『いいなづけ』、チェーホフ「チフス」(短編)、小松左京『復活の日』、高嶋哲夫『首都感染』
(こちら1冊は人文書です)山本太郎『感染症と文明』
(4)産経新聞 2020年7月27日 朝刊 5面 「【コロナ 知は語る】 日本文学研究者 ロバート・キャンベル氏 江戸時代に学ぶ 社会の底力 テレワークは革命的。若い人に起業のチャンス」
紹介されていた作品:式亭三馬『麻疹戯言(ましんきげん)』、(作者不明)『麻疹癚語(ましんせんご)』、金屯道人『安政箇労痢流行記(あんせいころりりゅうこうき)』(※記事中の表記は『安政頃痢流行記』)
(5)産経新聞 2020年6月29日 朝刊 13面 「「隔離の島」文庫化 感染症の極限状況描く 翻訳の中地さん「感覚的描写も素晴らしい」」
紹介されていた作品:カミュ『ペスト』、ル・クレジオ『隔離の島』
(6)日本経済新聞 2020年5月5日 朝刊 24面 「疫病の文明論(2)文学の力-沼野充義、仕事を果たす「誠実さ」描く、必要な勇気とモラル示す(文化)」
紹介されていた作品:トゥキュディデス『戦史』(※歴史書)、カミュ『ペスト』、カレル・チャペック『白い病』(※戯曲)、小松左京『復活の日』
(7)日本経済新聞 2020年5月2日 夕刊 6面 「注目集まる「疫病文学」―心のよりどころ求めて(ホビー人国記)」
紹介されていた作品:カミュ『ペスト』、マンゾーニ『いいなづけ』、ボッカッチョ『デカメロン』、ダニエル・デフォー『ペストの記憶』、トーマス・マン『ヴェニスに死す』、志賀直哉「流行感冒」(短編)、武者小路実篤『愛と死』、尾崎紅葉「青葡萄」(短編)、砂川文次『臆病な都市』
(8)日本経済新聞 2020年3月31日 夕刊 14面 「感染症との戦い書籍から学ぶ-歴史・教科書やSF小説に注目」
紹介されていた作品:小川一水『天冥の標(しるべ)Ⅱ』、高嶋哲夫『首都感染』、カミュ『ペスト』、小松左京『復活の日』
(以下4冊はノンフィクションや人文書です)ウィリアム・H・マクニール『疫病と世界史』、村上陽一郎『ペスト大流行』、山本太郎『感染症と文明』、押谷仁・瀬名秀明対談『パンデミックとたたかう』
(9)『Newsweek ( ニューズウィーク日本版 ) 2020-4・7 / 第35巻 14号 / 1688号 コロナ危機後の世界経済』 CCCメディアハウス 2020.04
p.50-51「パンデミック文学から学べること──コロナ禍をどう生きるか」
紹介されていた作品:ホメロス『イリアス』(叙事詩)、ジョバンニ・ボッカッチョ『デカメロン』、スティーブン・キング『ザ・スタンド』、メアリー・シェリー『最後のひとり』、エドガー・アラン・ポー「赤死病の仮面」(短編)
日本では未翻訳の作品:Deon Meyer『Fever』、Ling Ma『Severance』、N. K. Jemisin「The Broken Earth Trilogy: The Fifth Season, The Obelisk Gate, The Stone Sky」、Claire G. Coleman『Terra Nullius』
こちらの記事はwebサイトでも読むことができます。
Newsweek(ニューズウィーク日本版)「パンデミック文学から学べること──コロナ禍をどう生きるか」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/03/post-92939.php (2020.8.19確認)
(10)P+D MAGAZINE「いまこそ読みたい、「感染症」や「パンデミック」について考えられる本」
https://pdmagazine.jp/works/pandemic/ (2020.8.19確認)
株式会社小学館が運営する、本の紹介サイトです。
紹介されていた作品:カミュ『ペスト』、マンゾーニ『いいなづけ』、モーム『サナトリウム』
また、上述(2)の記事にて「かつて疫病小説全集を提唱した澁澤龍彦(略)」との一文がありましたので、澁澤龍彦氏の著作を確認したところ、下記の評論が見つかりました。
(11)『澁澤龍彦西欧文芸批評集成(河出文庫 し1-61)』 (澁澤 龍彦/著 河出書房新社 2011.1)
「暗黒文学・怪奇文学」の章、p.111-112「疫病文学」にて、「旧約のヨブ記からはじまって、ルクレティウスの『万象論』の最後の部分、ジロラモ・フラカストロの『ジフィリデス』、ボッカチオの『デカメロン』の序、デフォーの『疫病流行記』、ポーの『赤死病の仮面』、ユイスマンスの『スヒーダムの聖女リドヴィナ』、リラダンの『ポートランド公爵』(古代のレプラを扱っている)、マルセル・シュオッブの『黄金仮面の王』(これもレプラ)、ルノルマンの『モロッコの春』(天然痘)、ミシェル・レリスの『癲癇』、ジョゼフ・デルテイユの『コレラ』、それにホーフマンスタールの『バッソンピエール元帥綺譚』にいたるまで、あらゆる難病や悪疫をテーマ作品を集めて疫病文学選集というのを作ったらおもしろかろう(略)」と記述がありました。
また、小説ではありませんが、ノンフィクションの特集も見つかりましたので、あわせてご紹介いたします。
(12)読売新聞 2020年6月1日 東京夕刊 夕書評 p.7 「感染症の本 相次ぎ復刊 闘いの歴史 生々しく」
紹介されていた作品:金森修『病魔という悪の物語』、リチャード・プレストン『ホット・ゾーン』、ロバート・ウェブスター『インフルエンザ・ハンター』、小林昭幸『死の虫』、大島みち子・河野実『愛と死を見つめて』
こちらの記事にて、下記岩波書店のホームページでの特集も紹介されていました。
岩波書店ホームページ 「〈特集〉感染症を考える」 https://www.iwanami.co.jp/news/n33924.html (2020.8.19確認)
- 回答プロセス
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1.Googleにて、“感染症”ד小説”で検索、 (資料9)のweb版と(資料10)を見つける。
2.商用データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」を“感染症”ד小説”で検索、(資料1)(資料2)を見つける
3.商用データベース「ヨミダス歴史館」を“感染症”ד小説”で検索、(資料3)を見つける
4.商用データベース「産経データベース」を“感染症”ד小説”で検索、(資料4)(資料5)を見つける
5.商用データベース「毎索」を“感染症”ד小説”で検索、特集記事見つからず
6.商用データベース「日経テレコン」を“感染症”ד小説”で検索、(資料6)(資料7)(資料8)を見つける
7.プロセス2で見つけた記事「脅威と向き合うために」に「かつて疫病小説全集を提唱した澁澤龍彦」とあったため、当館書誌検索にて、キーワード“疫病”ד澁澤龍彦”で検索、(資料11)が見つかる
8.プロセス1で見つかったNewsweekの雑誌記事を確認。(資料9)
8.プロセス3で見つかった記事「感染症の本 相次ぎ復刊 闘いの歴史 生々しく」に記載のあったwebサイトを確認(資料13)
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913 9版)
- 内科学 (493 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <5114844214> [巻号] Newsweek ( ニューズウィーク日本版 ) 2020-4・7 / 第35巻 14号 / 1688号 コロナ危機後の世界経済 CCCメディアハウス 2020.04 (資料9)
- 当館書誌ID <0012214557> 澁澤龍彦西欧文芸批評集成(河出文庫 し1-61) 澁澤 龍彦/著 河出書房新社 2011.1 978-4-309-41062-3 (資料11)
- 朝日新聞 2020年4月15日 夕刊 2面 「感染症扱う小説や歴史書に注目 カミュ「ペスト」15万部増刷」 (資料1)
- 朝日新聞 2020年3月25日 夕刊 2面 「(新型コロナ)脅威と向き合うために 読むべき一冊、6人が寄稿」 (資料2)
- 読売新聞 2020年4月13日 夕刊 8面 「感染症 名作が記す道標」 (資料3)
- 産経新聞 2020年7月27日 朝刊 5面 「【コロナ 知は語る】 日本文学研究者 ロバート・キャンベル氏 江戸時代に学ぶ 社会の底力 テレワークは革命的。若い人に起業のチャンス」 (資料4)
- 産経新聞 2020年6月29日 朝刊 13面 「「隔離の島」文庫化 感染症の極限状況描く 翻訳の中地さん「感覚的描写も素晴らしい」」 (資料5)
- 日本経済新聞 2020年5月5日 朝刊 24面 「疫病の文明論(2)文学の力-沼野充義、仕事を果たす「誠実さ」描く、必要な勇気とモラル示す(文化)」 (資料6)
- 日本経済新聞 2020年5月2日 夕刊 6面 「注目集まる「疫病文学」―心のよりどころ求めて(ホビー人国記)」 (資料7)
- 日本経済新聞 2020年3月31日 夕刊 14面 「感染症との戦い書籍から学ぶ-歴史・教科書やSF小説に注目」 (資料8)
- 読売新聞 2020年6月1日 東京夕刊 夕書評 p.7 「感染症の本 相次ぎ復刊 闘いの歴史 生々しく」 (資料12)
- パンデミック文学から学べること──コロナ禍をどう生きるか https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/03/post-92939.php (資料9)web版
- P+D MAGAZINE 「いまこそ読みたい、「感染症」や「パンデミック」について考えられる本」 https://pdmagazine.jp/works/pandemic/ (資料10)
- 岩波書店ホームページ 「〈特集〉感染症を考える」 https://www.iwanami.co.jp/news/n33924.html (資料13)
- キーワード
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- 感染症
- 疫病
- 疫病文学
- パンデミック
- 澁澤龍彦
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000286318