レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年06月25日
- 登録日時
- 2020/06/29 09:51
- 更新日時
- 2020/07/09 13:52
- 管理番号
- 1935
- 質問
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解決
安城更生病院の「更生」はなぜこの字なのか。
- 回答
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明確な回答をみつけることはできなかったが、以下の資料を提供した。
・『五十年の歩み 更生病院』002543585(A498/コウ/A)
・『更生病院のあゆみ1935~1967』000974246(A498/コウ/A)
- 回答プロセス
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業務端末にて「すべて:更生病院」を検索し、資料にあたった。
▼『五十年の歩み 更生病院』(A498/コウ/A)P14に以下の文あり。
「病院の名称については当時は、農村、漁村、山林、商店街共に大不況の折であり、国をあげて経済更生の諸施策を講じていた時であり、山崎延吉先生の助言もあり「更生病院」ということになったのである。」とある。
⇒経済更生の意が込められていることが伺われる。
また病院設立時の時代背景について『更生病院のあゆみ1935~1967』(A498/コウ/A)P4にその時代背景に触れられている。
〈一部抜粋〉
・・・昭和4年、アメリカに始まった史上空前といわれる世界大恐慌は、たちまち日本にも波及し、ひきつづく5年、6年、7年の農村恐慌は、農民の健康と生活にはげしい打撃を与えた。...(中略)...昭和5年農林省農業経済調査によれば、赤字農家の割合は、自作農58%、自小作65%、小作77%に達している。赤字の原因は、農産物価格の値下がりと医療費支出の増加にあった。こういう時代背景の中で、農村医療のにない手として華々しく登場するのが、産業組合法による医療利用事業である。...(中略)...「農業の高い生産性、多角経営、発達した産業組合、これ恰もデンマークを見るの如し」とされた愛知県碧海郡地方の農村は、県下に並ぶもののない生産・販売実績をもつ、保証責任碧海郡信用販売購買利用組合聠合会(以下丸碧連合会という)の活動によって、恐慌の波を比較的には打撃少なく乗り切ったが、ここでも医療の問題は解決を迫られる重要な課題であった。
≪参考≫
▼『五十年の歩み 更生病院』(A498/コウ/A)P8に以下の文あり。
「.....多角的経営を提唱し、日本の農都としての地位を築きあげた命名者の山崎延吉氏の「農民の健康保持のために、組合病院を設けて、組合員が近代的な医療を受けられるようにすべきである。」という提言があったのであります。...(中略)...とくに岩瀬氏におかれましては、その回想録の中で「人間には、生病老死の四苦がある。早期に良い診断を受け、良い治療を施し、医師が親切で...(中略)...組合員の生活安定をはかることは共存共栄、相互共済の理念に生きる産業組合精神である。」とふれ、氏の連合会経営による総合病院に対するなみなみならぬ熱意と期待が感じられるのであります。」
▼『学研 現代新国語辞典 改訂六版』(813.1/キン)より「更生」を調べる=「更」は改める。新しくする意。また生き返る意もあり。
なお、安城更生病院のホームページを確認したが、病院名の文字についての説明(理由)は載っていなかった。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 更生病院/編. 五十年の歩み. 198500. (安城資料) (当館請求記号 AA498/コウ/, 当館資料番号 002543585)
- 更生病院/編. 更生病院のあゆみ 1935~1967. 196700. (安城資料) (当館請求記号 AA/498/コウ, 当館資料番号 000974188)
- キーワード
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- 安城更生病院
- 郷土
- 山崎延吉
- 碧海郡産業組合連合会
- 一般書
- AA
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000283708