レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年09月16日
- 登録日時
- 2019/11/09 16:20
- 更新日時
- 2019/12/20 17:47
- 管理番号
- 企-190004
- 質問
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解決
『文豪ストレイドッグス』というマンガでは、文豪たちが自分の作品名にちなんだ能力名をつけている。国木田独歩の能力名は「独歩吟客」だが、この作品は存在するか?あれば読んでみたい。
- 回答
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所蔵している『国木田独歩全集』(全8巻)を調査したところ、『独歩吟客』という作品は収蔵されていなかった。
近いものでは、「独歩吟」という詩歌集が第4巻に収録されている。
『国木田独歩全集 第4巻』 国木田独歩著 改造社 1930年
『作家のペンネーム辞典』佐川章著 創拓社 1990年 を調査したところ、p.164-165に次のような記載があった。
「明治三十年(一八九七)、処女作『源叔父』脱稿、このとき、孤独の中を独り歩む気持ちより<独歩>と名乗る。二十六歳であった。かくして小説家国木田独歩が誕生。明治三十九年(一九〇六)、『運命』で作家的地歩を確立。早くから自然主義文学を提唱し、明治後期の文壇に君臨した。他のペンネームに<孤島生、鏡面生、鉄(てっ)斧(ぷ)生、九天生、田舎漢(いなかもの)、独歩吟客、鞠水、遠山雪子、白雲>などがある。」
また、『編集者国木田独歩の時代』黒岩比佐子著 角川学芸出版 2007年 のp.30にも、次のような記述があった。
「『独歩』という号を筆名に使い始めたのは、彼がこうした一連の新体詩を「独歩吟」と題して、『国民之友』に発表したときからである。「独歩吟」は郊外を逍遥するときに生まれた詩で、文字通り「独り歩く」という意味で「独歩」とつけたのだった。彼が「独歩吟客」と署名するのを見て、周囲の人々が「独歩君、独歩君」と呼ぶようになり、自然にそれが号になったという。」
- 回答プロセス
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全集で作品名ではないことを確認し、ペンネーム辞典をあたった。910.26と国木田独歩で検索し、関連資料を確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 作品集 (918)
- 日本文学 (910)
- 参考資料
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佐川章 著 , 佐川, 章, 1941-. 作家のペンネーム辞典. 創拓社, 1990.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002148142-00 , ISBN 4871381102 -
黒岩比佐子著 , 黒岩, 比佐子. 編集者国木田独歩の時代. 角川学芸出版, 2007. (角川選書, 417)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I007038729-00 , ISBN 9784047034174
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佐川章 著 , 佐川, 章, 1941-. 作家のペンネーム辞典. 創拓社, 1990.
- キーワード
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- 独歩吟客
- 国木田独歩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 人物 人物
- 質問者区分
- 高校生
- 登録番号
- 1000264956