レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年05月14日
- 登録日時
- 2019/11/02 11:04
- 更新日時
- 2019/12/08 15:39
- 管理番号
- 神戸図–1502
- 質問
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未解決
フランスの家庭教師(カバネス)について書いてある資料はないか。また、どんなことを教えていたのか知りたい。
- 回答
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「カバネス」とは「ガヴァネス」(英・governess)のことか。
所蔵検索をするも、出てくるのはイギリスの家庭教師について書いたものが多い。
フランスの教育や文化史の本をブラウジングするも、なかなかお探しの内容の資料は見つからなかった。
『ゴンクール兄弟の見た18世紀の女性』より、教えていたのは読み書き、教理問答、ダンス、歌などではないか。
- 回答プロセス
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所蔵検索およびブラウジングをするが、フランスの「ガヴァネス」についての資料は見つからない。
『ゴンクール兄弟の見た18世紀の女性』
p10〜 乳母→家庭教師→修道院 家庭教師については、さほど詳しい記述なし。
p16〜「娘は、家庭教師に教えてもらったほんのわずかなことしか学ばない」
読むこと、教理問答、ダンス、歌など?
『有閑階級の女性たち』
修道院、寄宿学校は出てくるが、家庭教師については記述なし。
p185〜 教育についての項目あり。
『ガヴァネス ヴィクトリア時代の「余った女」たち』
イギリスのガヴァネス、海を渡ってイギリス外で活動したガヴァネスについて語られる。
フランスについては記述なし。
後日調査より
フランス語では「グーヴェルナント(gouvernante)」。
『ペンギン現代フランス語辞典』(仏英)によれば、「governess;housekeeper」の意がある。
『読む事典・女の世界史』
「ガヴァネス:イギリスの住み込みで教える女性の家庭教師。」との説明があり、当時の女子教育で重要視された「上品な嗜み・教養」を教えることのできる上中流階級出身の女性たちがなっていたとのこと。
フランスにおけるガヴァネスについては記載なし。
『フランス女性の歴史 1 ルイ14世治下の女たち』(2には特に記述なし。3、4は未所蔵)
p31〜「裕福な娘を教育している学校や修道院では、貴族の娘のためには、音楽、舞踏、絵画などのたしなみを第一の科目とし、町人階級の娘には手仕事を主な教科とした。」
p239〜 女子教育の開祖として、マントノン夫人について記載あり。養育係として生活していた(ことよりガヴァネスであったとされる?)こともあり、後に自身がひらいた学校で教育者として活躍したとの記述あり。夫人の生涯については、『王の小径 マントノン夫人の回想』に詳しい。(ただし当館は上巻のみ所蔵。)
前出の『ゴンクール兄弟の見た18世紀の女性』
p212〜「子供の教育」 母親や祖母自らが教育を行うこともある。
p230〜「母のそばで育つ娘」 市民階級の娘たちの教育について記述あり。
堅信礼のため教会などで教理問答を習い、11歳頃には教養を身につけるべく修道院や学校へ通うようになる。年頃になれば家へ戻ることもあり、p236〜「家に、ひとりの先生が別の先生を連れてくる(省略)」として様々な先生を家に呼んで教養とたしなみについて学んだ様子が書かれている。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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『ゴンクール兄弟の見た18世紀の女性』エドモン・ド・ゴンクール, ジュール・ド・ゴンクール 著 , 鈴木豊 訳 平凡社, 1994.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002333086-00 , ISBN 4582472265 (当館ID PV:0005216068 当館請求記号 3672=M4=) -
『フランス女性の歴史 1 : ルイ14世治下の女たち』アラン・ドゥコー著 大修館書店, 1980.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I024449967-00 (当館ID PV:0000548653 当館請求記号 3672=L0=1) -
『フランス女性の歴史 2』アラン・ドゥコー 著 大修館書店, 1980.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001461946-00 (当館ID PV:0000550592 当館請求記号 3672=L0=2) -
『ガヴァネス : ヴィクトリア時代の〈余った女〉たち』川本静子 [著] みすず書房, 2007.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009182437-00 , ISBN 9784622073352 (当館ID PV:0008002632 当館請求記号 B2==) -
『読む事典・女の世界史』原ひろ子 [ほか]編 新曜社, 1987.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001871560-00 (当館ID PV:0005009625 当館請求記号 3672=L7=) -
『王の小径 : マントノン夫人の回想 上』F・シャンデルナゴ−ル 著 , 二宮フサ 訳 河出書房新社, 1984.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I003736454-00 (当館ID PV:0000647157 当館請求記号 2893=L4=1) -
『ペンギン現代フランス語辞典 : The Penguin French dictionary』 Merlin Thomas[編]ペンギン・ブックス, 1999.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005846932-00 , ISBN 4888962235 (当館ID PV:7000055075 当館請求記号 853=M9=) -
『有閑階級の女性たち : フランスブルジョア女性の心象世界』ボニー・G.スミス 著 , 井上尭裕, 飯泉千種 訳 法政大学出版局, 1994. (りぶらりあ選書)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002334605-00 , ISBN 4588021567 (当館ID PV:0005214605 当館請求記号 3672=M4=) -
『歴史のなかのガヴァネス : 女性家庭教師とイギリスの個人教育』アリス・レントン/著 , 河村 貞枝/訳 高科書店, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I011382994-00 (当館ID PV:6000198225 当館請求記号 3672=M8=) -
『 フランス教育史 1』梅根悟 著 ; 志村鏡一郎 著 ; 松島鈞 著 講談社, 1975. (世界教育史大系 ; 9)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I077443318-00 (当館ID PV:0000291774 当館請求記号 3702=372=9) -
『フランス教育史 2』佐藤英一郎 等著 講談社, 1975. (世界教育史大系 ; 10)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I077439928-00 (当館ID PV:0000302490 当館請求記号 3702=372=10) -
『フランス文化史』ジャック・ル・ゴフ [ほか] 著 ; 桐村泰次訳 論創社, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I003099661-00 , ISBN 9784846011697 (当館ID PV:7200271172 当館請求記号 235=P2=) -
『規律と教養のフランス近代 : 教育史から読み直す』上垣豊 著 ミネルヴァ書房, 2016. (MINERVA西洋史ライブラリー ; 109)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027037218-00 , ISBN 9784623074679 (当館ID PV:7200473425 当館請求記号 3723=P6=) -
『教育の世紀』リチャード・オルドリッチ 編著 , 山内乾史, 原清治 監訳 学文社, 2011.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011278015-00 , ISBN 9784762022098 (当館ID PV:7200210615 当館請求記号 3723=P1=)
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『ゴンクール兄弟の見た18世紀の女性』エドモン・ド・ゴンクール, ジュール・ド・ゴンクール 著 , 鈴木豊 訳 平凡社, 1994.
- キーワード
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- 家庭教師
- ガヴァネス
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 書誌的事項調査 所蔵調査
- 内容種別
- 人物 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000263605