レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年11月14日
- 登録日時
- 2018/01/25 19:44
- 更新日時
- 2020/02/25 11:14
- 管理番号
- 2017-055
- 質問
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解決
太平洋戦争時、敦賀にあった「第441連隊」は、通称「護京22653部隊」と呼ばれ、「第153師団」に属していた。昭和20年に同部隊は敦賀から渥美半島へ配置が変わったらしい。これらのことが確認できる国や軍の資料を探している。
- 回答
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国立公文書館アジア歴史資料センターのホームページにて公開されている「陸軍部隊(主として内地)調査表 昭和20年8月15日」の「第13方面軍(東海軍管区)」についての調査表内に「第153師団」に属していた「第441連隊」の配置換えの情報などが確認できました。
また、『地域別日本陸軍連隊総覧』(新人物往来社, 1990)のp.164でも「第441連隊」の情報を確認することができます。
こちらの資料は本学には所蔵がありませんので、図書館相互利用サービスなどでご利用ください。
- 回答プロセス
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1.本学OPAC検索(キーワード「本土決戦」)
・『大東亜戦争全史』(鱒書房, 1953)
→第4巻の附図第四「終戦時に於ける陸海軍主要部隊概見表」の陸軍の欄に「第百五十三師団」の記載あり。
師団が「第十三方面軍(東海軍管区)」に属していたことと、師団内に「護京」の部隊が属していたことが確認できた。(「二二六五三部隊」「敦賀」「第四四一連隊」の表記は確認出来なかった。)
また、本文p.55表、p.158下段、p.196上段にも「第十三方面軍」について記述があったが、上記以上の情報は得られなかった。
その他、以下の資料にも「第十三方面軍」についての記載のみで、探している情報は得られなかった。
・『戦史叢書51巻 本土決戦準備 関東の防衛』(防衛庁防衛研究所, 1971), p.276-279
・『戦史叢書99巻 陸軍軍戦備』(防衛庁防衛研究所, 1979), p.469挿表第二十九,p.502挿表第三十
→「防衛省(旧:防衛庁)防衛研究所」で資料を保管していないかホームページを確認する。
※『日本陸海軍事典』(新人物往来社, 1997)にて「通称」を探したところ、「通称号」の項目があり「敵に対して兵力を秘匿する目的で部隊につけた称号」と説明されていた。
2.防衛省防衛研究所のホームページにて資料検索
・「戦史史料・戦史叢書検索」のページにてキーワード「護京」と検索
http://www.nids.mod.go.jp/military_history_search/CrossSearch(参照:2018-2-21)
→「東海軍管区司令部隷下部隊作命綴 昭20.8.17~20.9.19」内の資料が3つヒット。その内の1つ『護京参第5号 隷下指揮下部隊配置図提出の件通牒 昭和20年9月17日』の5枚目「隷下指揮下部隊一覧表」に固有部隊名「歩兵第四百四十一朕隊」の表記あり。通称号「護京二二六五三」と所在地「渥美群福江町」の表記も確認できたが、敦賀のことについては記述なし。
※調査の過程で、防衛研究所では戦史史料(公文書)をデジタル化して国立公文書館アジア歴史資料センターに提供していることが分かる。
3.国立公文書館アジア歴史資料センターのホームページにて資料検索
https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/default(参照:2018-1-25)
・キーワード「護京」と検索
→検索結果の中に「師団(混成旅団)等部隊索引」(レファレンスコード:C12121071400)を確認。書誌情報内にある「陸軍部隊(主として内地)調査表 昭和20年8月15日」をクリックすると、「陸軍部隊(主として内地)調査表 昭和20年8月15日」の内容が件名ごとに表示される。
→調査表の端書には、この資料は復員業務開始時に陸軍省にて編纂されたものを元にしている、とある。
https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/listPhoto?NO=4&DB_ID=G0000101EXTERNAL&ID=%24_ID&LANG=default&image_num=3&IS_STYLE=default&TYPE=PDF&DL_TYPE=pdf&REFCODE=C12121071200&CN=1(参照:2018-1-25)
→調査表内に「第13方面軍(通称号秀第12480部隊)」あり。内容(PDF・JPEGにて公開)を確認したところ、2枚目に「第153師団」の各隊が列挙されており、その中に「歩兵第441連隊」の情報あり。通称号「護京22653」が敦賀から渥美半島に移ったこと、昭和20年9月20日に隊員が復員したことが確認できた。
https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C12121072900?IS_KIND=detail&IS_STYLE=default&IS_TAG_S1=InfoId&IS_KEY_S1=M2012122711450912429&(参照:2018-1-25)
4.CiNii Booksでキーワード「日本 陸軍 連隊」を検索
・『地域別日本陸軍連隊総覧』(新人物往来社, 1990)
→本学所蔵なし。所蔵している国際日本文化研究センターに、上記資料に「第441連隊」の情報が載っていないか参考調査を依頼。
→p164に「新設された本土防衛部隊」の1つとして第441連隊のことが記述されており、通称号、編成地、編成時期、終戦時の上級部隊、終戦時の所在地、最終連隊長の確認ができるとのこと。
- 事前調査事項
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【質問】の内容が、同部隊に所属していたと思われる隊員の当時の手紙に書かれてあった。【質問】の内容の裏付けとなる資料を探している。
- NDC
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- 陸軍 (396 9版)
- 参考資料
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服部 卓四郎 著, 大東亜戦争全史 第4巻. 1953.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I025116424-00 (NCID:BN15327407) -
防衛庁 防衛研修所 戦史室/著 , 本土決戦準備 : 関東の防衛 1. 朝雲新聞社, 1971. (戦史叢書51)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I012810392-00 (NCID:BN00954877) -
防衛庁防衛研修所戦史室/著 , 陸軍軍戦備 : 付図 付表. 朝雲新聞社, 1980. (戦史叢書 ; 99−2)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I021505542-00 (NCID:BN00711194) -
原剛, 安岡昭男 編 , 原, 剛, 1937- , 安岡, 昭男, 1927-. 日本陸海軍事典. 新人物往来社, 1997.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002627466-00 , ISBN 4404024614 (NCID:BA31700780) -
地域別日本陸軍連隊総覧 歩兵編. 新人物往来社, 1990. (別冊歴史読本特別増刊 ; 第24号. 戦記シリーズ)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I011016386-00 (NCID:BA59851057) -
『護京参第5号 隷下指揮下部隊配置図提出の件通牒 昭和20年9月17日』
防衛庁防衛研究所のホームページにて公開。
http://www.nids.mod.go.jp/military_history_search/CrossSearch(参照:2018-2-21) -
「第13方面軍(通称号秀第12480部隊)」(厚生省援護局業務第一課, 1965)
『陸軍部隊(主として内地)調査表 昭和20年8月15日』に所収。アジア歴史資料センターホームページにて公開。
https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C12121072900?IS_KIND=detail&IS_STYLE=default&IS_TAG_S1=InfoId&IS_KEY_S1=M2012122711450912429&(参照:2018-1-25)
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服部 卓四郎 著, 大東亜戦争全史 第4巻. 1953.
- キーワード
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- 陸軍
- 本土決戦
- 第二次世界大戦
- 大東亜戦争
- 通称号
- 太平洋戦争
- 第441連隊
- 照会先
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- 国際日本文化研究センター
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 陸軍
- 質問者区分
- 教員
- 登録番号
- 1000229111