レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年04月10日
- 登録日時
- 2015/04/22 16:40
- 更新日時
- 2015/04/22 16:41
- 管理番号
- いわき総合-地域310
- 質問
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解決
いわき市小川町上小川の「戸渡(とわだ)」、三和町の「渡戸(わたど)」の地名由来について知りたい。
- 回答
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◆小川町上小川の「戸渡」の地名由来
『自立・循環の村へ とわだリターンプロジェクトの取り組み』のP8に、次の記述がありました。
「戸渡の地名=戸は尖、渡りは稜線を渡る(山頂から山頂への稜線踏破)の意もある。当地区に入ろうとすると、まさに記載したような稜線を縫いながら山間を抜けるようにして至ることが実感できる。」
◆三和町の「渡戸」の地名由来
『角川日本地名大辞典7福島県』(角川書店)、『日本歴史地名大系7福島県の地名』(平凡社)で渡戸の歴史を確認すると、渡戸という地名は戦国期(天正5年あたり)から見える地名であることがわかります。
『ふるさといわき抄』(高木稲水∥著)のP170、198に「戸」のつく地名で渡戸が掲載されています。ここでは、「戸」のつく地名は、徳川時代に江戸が政治文化の中心地であったことにちなんで水戸、松戸という地名が生まれことを例に挙げ、これと同じように「渡戸」という地名がついたのではないか、という著者の見解が記されています。参考までにご紹介します。
また、『地名の語源』(角川書店)P172によれば、一般的に「渡戸」は「渡河点」であることがわかります。
この他、関連資料を確認しましたが、三和町渡戸の地名由来について明記されたものは確認できませんでした。
- 回答プロセス
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1.資料を調査
◆「戸渡」について
【資料①】『自立・循環の村へ』
P8に地名由来の記述あり。
本書は、戸渡地区の歴史や産業、民俗などが1冊にまとめられている。江戸時代初期に内藤氏が山番を置いたのが集落の始まりといわれていることや、皇室と戸渡の関係についてなど記述あり。
【資料②】『戸渡生活誌調査報告Vol.1』
戸渡についての記述がある『磐城郡村誌』(大須賀筠軒)についてや、福島県で最初の牧畜会社である「牧牛共立社」などについての記述あり。
【資料③】『潮流 第35報』
P35~66「牧牛共立社と戸渡牧場」あり。
◆「渡戸」について
【資料④】『角川日本地名大辞典7福島県』(角川書店)
渡戸の記述あり。これによると、戦国期から見える地名、天正5年閏7月23日の岩城親隆充行印判状に「一之渡戸」とあることなどがわかる。
【資料⑤】『日本歴史地名大系7福島県の地名』(平凡社)
P172に渡戸村の記述あり。【資料①】と同内容。
【資料⑥】『ふるさといわき抄』(高木稲水∥著)
上記回答のとおり。
【資料⑦】『地名の語源』(角川書店)
上記回答のとおり。
ほかに『地名の変化にみる、いわきの近代化』、『ふくしまの地名を拾う』、『いわき地方地名の研究』、『地名語源事典』などを確認したが、「渡戸」の地名由来は見当たらなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 社会.家庭生活の習俗 (384 9版)
- 参考資料
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- 【資料①】『自立・循環の村へ』[K/291/ト・1114610247]
- 【資料②】『戸渡生活誌調査報告Vol.1』[K/384/イ・1114620998]
- 【資料③】『潮流 第35報』[K/051/チ-35・1111954408]
- 【資料④】『角川日本地名大辞典7福島県』[K/291/カ・1111923387]
- 【資料⑤】『日本歴史地名大系7福島県の地名』[K/291/ニ・1110093240]
- 【資料⑥】『ふるさといわき抄』[K/291/タ・1110092994]
- 【資料⑦】『地名の語源』[K/291.0/カ・1110011499]
- キーワード
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- いわき 地名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000171379