レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年06月20日
- 登録日時
- 2013/10/16 18:25
- 更新日時
- 2013/10/16 18:26
- 管理番号
- 相橋-H25-025
- 質問
-
解決
「スズメノコ ソコノケ ソコノケ オウマガ トオル」
上記の小林一茶の句の「トオル」の箇所は、原句ではどういった表記がされているのか知りたい。
- 回答
-
「トオル」の箇所は、「通る」と表記されているものが多い。
また、「通る」は旧仮名遣いでは「トホル」と読まれる。
- 回答プロセス
-
小林一茶に関連した棚をブラウジングし、次の資料を確認した。
①『一茶集』 創美社/編 集英社 1970 (自館請求記号:911.308)
発句編のp161に「雀の子 そこのけへ(くの字点[踊り字])御馬が通る」、出典の項に「八番日記、おらが春 文政版句集」と記述されていた。
選集編のp680に、上の記述と同様のものが見つかった。p12にある解説の中で、選集編について「本編では、それらの自筆本もしくは刊本に拠って、正確な本文の掲出に努め…(中略)欄外注記や句点・丸点の類もそのままに記し(以下略)」とある。
②『小林一茶』 丸山一彦/著 桜楓社 1986 (自館請求記号:911.35/コバヤ)
p93に、「雀の子そこのけそこのけ御馬が通る」と記述されていた。①の資料のようにくの字点は使われていないが「通る」と表記されていた。
『一茶事典』 松尾靖秋/編 おうふう 1995 (自館請求記号:R911.3)
①の資料と同様の記述があった。
『一茶大事典』 矢羽勝幸/著 大修館書店 1993 (自館請求記号:R911.3)
①の資料と同様の記述があった。ひらがなの当時の読み方及び書き方に関する棚をブラウジングし、次の資料を確認した。
③『かな墨場必携 俳句編』 植村和堂/編 二玄社 1999 (自館請求記号:728)
p70に「雀の子 そこのけ そこのけ 御馬が通る」とあり、「通る」の箇所には「とほる」とルビが付いている。
また、p6の凡例に「漢字はすべて新字を使用し、仮名は歴史的仮名遣いとした。難字や読み誤りがちな文字についてはルビを付した」とある。オンラインデータベース ジャパンナレッジプラス(http://www.jkn21.com/top/corpdisplay 2013/06/20 最終確認)でキーワード“歴史的仮名遣い”で検索した結果、次の情報がヒットした。
・歴史的仮名遣い→ 仮名遣い
”歴史的仮名遣い”, 日本大百科全書(ニッポニカ), ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.jkn21.com>, (参照 2013-06-23)
市内OPACでキーワード“キュウカナ”で検索した結果、次の資料を含む6件がヒットした。
④『旧字旧かな入門』 府川充男/著 柏書房 2001 (自館請求記号:811.2)
p82に、通、遠いなど、すべて「とほ」(大概)とある。
⑤『全訳全解古語辞典』 山口尭二/編 文英堂 2004 (自館請求記号:R813.6)
p12から歴史的仮名遣い一覧が収録されており、p15に「通る とほる」と記述されている。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 詩歌 (911 9版)
- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
-
- 『一茶集』 創美社/編 集英社 1970 (自館請求記号:911.308)
- 『小林一茶』 丸山一彦/著 桜楓社 1986 (自館請求記号:911.35 コバヤ)
- 『かな墨場必携 俳句編』 植村和堂/編 二玄社 1999 (自館請求記号:728)
- キーワード
-
- 小林一茶
- 旧かな遣い
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000138780