レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年06月14日
- 登録日時
- 2011/07/29 02:00
- 更新日時
- 2014/09/04 00:30
- 管理番号
- 10-3A-201106-04
- 質問
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解決
明治18年、大阪で大きな洪水があったらしい。梅田停車場(現在のJR大阪駅)付近も被害を受けたのでしょうか?
- 回答
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下記資料に記述があったのでご紹介しました。
・「朝日新聞」1885年7月3日 大阪・朝刊記事「雑報 大水の概況<画>」の記事に、「~梅田停車場近傍まで残らず水に浸りけり」とあり、被害の状況がわかる図も掲載。
・「朝日新聞」1885年9月20日 大阪・朝刊・付録
「大阪市外浸水地之図」記載の図を確認すると、ステンショと書かれた駅付近が浸水地に含まれています。
・「朝日新聞」1885年9月20日 大阪・号外「大坂府下洪水澱川沿岸被害細図 」と当館所蔵資料『大坂府下洪水澱川沿岸被害細図 』( 朝日新聞社編 朝日新聞社,1885.9)もご紹介しました。
・『まがたま : 創祀二千年祭奉祝記念誌』(玉造稲荷神社編 玉造稲荷神社創祀二千年祭奉祝事業委員会,1988)と『淀川左岸水防図』淀川左岸水防事務組合/[編] 淀川左岸水防事務組合,1969)に『大坂府下洪水澱川沿岸被害細図 』(朝日新聞社編 朝日新聞社,1885.9)の複製が、付図としてついていました。
・『濁流が走る : 新聞記事にみる淀川・大和川の洪水』( 近畿地方建設局 [編] 近畿地方建設局,1981)p9に上記で紹介した、朝日新聞の記事やその他、明治18年の洪水の新聞記事が掲載されています。
・『洪水志』(大阪府編 大阪府,1887.2)「洪水志第二編」p11に、「梅田停車場浸水深サ四尺・・・」という記述があります。
・『北区史』(大阪都市協会 編集 北区制一〇〇周年記念事業実行委員会,1980)p122-123に梅田停車場とは確認できませんが、「北区で浸水を免れたのは、天満宮の周辺だけだった」「大阪-京都間の鉄道はすべて不通となり」などの記述があり、参考資料として紹介しました。
・『淀川百年史』(建設省近畿地方建設局/編集 建設省近畿地方建設局,1974)p306 「濁水は・・・大阪市の大部分を泥海化し、曾根崎新地梅田停車場付近は深さ1.21m・・・」と記述がありました。
・『大阪史話: 近代化うら話』(朝日放送/編 創元社,1965)p78 「曾根崎、梅田駅あたりが浸水一メートル・・・」と記述があります。
・『百年の大阪 第2巻』(大阪読売新聞社/編 浪速社,1967)p156 「曾根崎、梅田すてん所付近は1.2メートル・・・」と記述があります。
・『淀川治水誌』(武岡 充忠 編著 淀川治水誌刊行会,1931.7) p9「7月1日、2日、3日大出水曽根崎新地、梅田停車場付近は地上四尺に達した」と記述があります。
・国土交通省の淀川河川事務所のWEBサイト「100年前の大洪水と新しい川の誕生」 http://www.yodogawa.kkr.mlit.go.jp/know/rekisi/tanjyou.html (2011.07.28確認)に明治18年の洪水で浸水した地域の図があり、大阪駅も浸水地域に含まれていることが確認できます。
- 回答プロセス
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1.商用データベース「聞蔵Ⅱビジュアル(朝日新聞 一部記事写真閲覧可)」で、キーワード”梅田停車場×洪水” 発行年を「明治18年」のみで検索すると、1885年7月3日 大阪・朝刊 「雑報 大水の概況<画」 の記事があることがわかりました。
また、キーワード ”大阪市×洪水” 発行日 明治18年のみで検索。1885年9月20日 大阪 朝刊・付録「大阪市外浸水之図」という記事がみつかりました。
この図は『大坂府下洪水澱川沿岸被害細図 』(朝日新聞社編 朝日新聞社,1885.9)の図と同じものだと確認。(朝日新聞1885年の号外ではこの図名で刊行されています。)
当館書誌検索でフリ-ワード“大坂府下洪水澱川沿岸被害細図”で検索したところ、『まがたま : 創祀二千年祭奉祝記念誌』(玉造稲荷神社編 玉造稲荷神社創祀二千年祭奉祝事業委員会,1988)と『淀川左岸水防図』淀川左岸水防事務組合/[編] 淀川左岸水防事務組合,1969)もヒットしました。内容を確認したところ、『まがたま : 創祀二千年祭奉祝記念誌』(玉造稲荷神社編 玉造稲荷神社創祀二千年祭奉祝事業委員会,1988)と『淀川左岸水防図』淀川左岸水防事務組合/[編] 淀川左岸水防事務組合,1969)に『大坂府下洪水澱川沿岸被害細図 』(朝日新聞社編 朝日新聞社,1885.9)の複製が、付図としてついていました。
2.当館所蔵資料を確認。フリーワード“大阪×洪水 ” “淀川×洪水”などで検索すると下記資料に回答記載の記述がみつかりました。
『濁流が走る : 新聞記事にみる淀川・大和川の洪水』(近畿地方建設局 [編] 近畿地方建設局,1981)
『洪水志』( 大阪府編 大阪府,1887.2)
また、梅田が北区なので、『北区史』(大阪都市協会 編集 北区制一〇〇周年記念事業実行委員会,1980)も確認したところ、回答記載の記述が見つかりました。
3.大阪文献データベース http://refdb.library.pref.osaka.jp/cdb0100.asp (2011.07.28確認)で検索
キーワード“洪水”で検索。淀川―洪水で34件。
その中で、明治18年の洪水の記述がありそうなものを確認したところ、 『淀川百年史』(建設省近畿地方建設局/編集 建設省近畿地方建設局,1974)、『大阪史話: 近代化うら話』(朝日放送/編 創元社,1965)、『百年の大阪 第2巻』(大阪読売新聞社/編 浪速社,1967)に、回答記載の記述が見つかりました。
4.インターネット検索
Google検索 “洪水×大阪×明治”で検索。
国土交通省「淀川河川事務所」 http://www.yodogawa.kkr.mlit.go.jp/know/rekisi/tanjyou.html (2011.07.28確認)の「100年前の大洪水と新しい川の誕生」というページに、回答の記述がありました。
また、同ホームページのにおいて、「洪水の記録」が確認でき、明治18年をクリックすると、明治大洪水と称して、写真と詳細な説明があります。梅田停車場、大阪駅についての説明はありませんが、このページの説明に<淀川治水誌>からの引用があることがわかります。
当館の所蔵を確認したところ、『淀川治水誌』(武岡 充忠 編著 淀川治水誌刊行会,1931.7)に回答の記述がありました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 河海工学.河川工学 (517 9版)
- 近畿地方 (216 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0080223129> 大坂府下洪水澱川沿岸被害細図 朝日新聞社/編 朝日新聞社 1885.9
- 当館書誌ID <0080200873> 淀川左岸水防図 淀川左岸水防事務組合/編 淀川左岸水防事務組合 1969
- 商用データベース 「聞蔵Ⅱビジュアル(朝日新聞 一部記事写真閲覧可)」
- 『まがたま : 創祀二千年祭奉祝記念誌』 玉造稲荷神社編 玉造稲荷神社創祀二千年祭奉祝事業委員会,1988<当館書誌ID:0080232581>
- 『淀川百年史4』建設省近畿地方建設局/編集建設省近畿地方建設局,1974 <当館書誌ID:0000244962>
- 『大阪史話: 近代化うら話』朝日放送編創元社,1965 <当館書誌ID:0000330836>
- 『百年の大阪 第2巻』大阪読売新聞社編 浪速社,1967<当館書誌ID:0070052026>
- 『北区史』 大阪都市協会 編集 北区制一〇〇周年記念事業実行委員会,1980 <当館書誌ID:0070059801>
- 『淀川治水誌』 武岡 充忠 編著 淀川治水誌刊行会,1931.7 <当館書誌ID:0000244919>
- キーワード
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- 梅田停車場
- 洪水
- 淀川
- 明治
- 大阪府大阪市北区
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 大阪市立図書館商用データベース検定新聞編として出題しました。http://web.oml.city.osaka.lg.jp/topics/dbkentei2011.html(2011.6.21確認)
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000089330