美術情報のデータベース[Oxford Art Online]及び資料1、2(中国語資料)と資料3~6により調査した。
1 Dong Yuan
[Oxford Art Online]を<Dong Yuan>で検索すると、当該人物の項目がヒットする。中国の宋代における山水画の先駆者であると考えられており、後の画家にも大きな影響を与えた旨が書かれている。(最終検索日:2009.12.23)
画家名は確認できたので、見出しがピンインで書かれている資料1を調査したところ、p.429に「Dong Yuan」の項目があり、「董源(?-962) 中国五代南唐画家」と冒頭に記載されている。
漢字名が判明したので資料3を見ると、p.927に「董源 とう・げん Dong, Yuan(五代~宋時代初期)」とあり、資料4ほかに導かれる。
資料4のp.1009に「董源(とうげん)Dong Yuan」の項目があり、「五代-宋初の画家。(中略)最もすぐれたのは山水画で、(中略)後継者の巨然(きょねん)とともに江南山水画様式の大成者とされる。」等の説明がある。なお、資料4には巻末に「欧文索引」があり、「Dong Yuan」からも引ける。
また、資料5、6にも同様の説明がある。
2 Mu ch'i
[Oxford Art Online]を<Mu ch'i>で検索すると、「Muqi」という項目への指示がある。当該項目を見ると、中国の禅僧でもあった画家で、法名が「Fachang」である旨が書かれている。(最終検索日:2009.12.23)
資料2を調査すると、p.140に「Fachang」の項目があり、「法常 (?-1282) 中国南宋画家。僧人。 号 牧渓。」と記載されている。
資料3には「法常」の項目はなく、p.935~936に「牧谿 もっけい MUXI(13世紀より活動)」という項目があり、資料4ほかに導かれる。
資料4のp.1483に「牧谿(もっけい)Muxi,Muqi」の項目があり、「中国、宋末元初(13世紀後半)の禅僧、画家。(中略)牧谿は号である。(中略)水墨で竜虎、猿鶴、禽鳥、山水、樹石、人物などの幅広い画題を描き、禅余画家とはみなせない画技の高さが認められる。」等の説明がある。なお、資料4の巻末の「欧文索引」では、「Muxi」から調べられる。
ほかに資料6のp.265-268に「法常 ほうじょう」の詳しい説明があり、法常の作品は多数日本に流布しており、日本の画家たちに大きな影響を及ぼしたことなどが書かれている。なお、生没年は「?-1280頃」となっている。
資料1:『中国大百科全書 5 di~duo』 第2版 (中国語資料※) p.429
資料2:『中国大百科全書 6 duo~fo』 第2版 (中国語資料※) p.140
※現在、都立図書館蔵書検索で、対象資料の「中韓図書」にチェックを入れて検索可能(最終検索日:2020年5月7日)。