○「富士銀行の百年」(富士銀行、昭和55年) p.466~
「給与振込制度の採用進む」の項で、昭和40年代に入って、「給与=現金」という考え方が徐々に変化していったこと、また昭和43年に起きた3億円事件をきっかけに、給与振込制度採用の気運が高まっていったことが説明されている。
○「銀行協会五十年史」(全銀協、平成9) p.587~
「第3編第2節 銀行事務の合理化・標準化」の項で、昭和49年に政府が給与支払事務の合理化の観点から、国家公務員の給与振込の導入を決定したことを受け、全銀協で給与振込事務取扱要領の検討を行い、「国庫金振込(国家公務員給与振込)の事務取扱要綱」を制定した旨が説明されている。また、民間の給与振込については、「民間の給与振込の事務取扱要領」の制定およびその後の改正内容についての説明がある。
○「給与の口座振込制」(ファイナンス、1975年1月号) p.48~
昭和49年の国家公務員の給与の口座振込制の導入について、大蔵省職員が解説した記事。昭和43年の3億円事件を契機として、現金輸送に伴う危険が一般に認識され、口座振込制に対する関心が急速に高まったこと、こうした民間企業における給与振込の普及に伴い、国家公務員についても導入の検討が始まった、という経緯が書かれている。