レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/11/29
- 登録日時
- 2008/12/09 02:10
- 更新日時
- 2008/12/09 14:44
- 管理番号
- 10-RE-200811-02
- 質問
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解決
ゲームなどでハンディをつけられる子のことを大阪では「ごまめ」というらしいが、出典や根拠が知りたい。
- 回答
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・「河内弁大辞典 やぃわれ!」(リブロ社)の「ごまめ」の項に、「遊びの際にルールも分からないような半人前の子どものこと」とあり。
・「大阪弁『ほんまもん』講座」(新潮社)p178に、大阪弁における「ごまめ」は、東京の「みそっかす」に相当する言葉であることと、室町時代の儒者・清原宣賢が編纂した辞書「塵芥」にも「ごまめ」の項があるらしい、とあり。
・「大辞泉」「日本国語大辞典」で「ごまめ」をつかった慣用句を2件発見。
両方とも、「ごまめ」を「つまらないもの・弱いもの」の意味で使用している。
「ごまめのととまじり」=「つまらない者が、りっぱな人々の中に交じって一人前の顔をしていることのたとえ」
「ごまめの歯軋り」=「力のない者がいたずらに憤慨し、悔しがることのたとえ」
・論文「ごまめ・みそっかすの研究 : 伝承文化としての異年齢の仲間集団における特別なルールに関する調査」
CiNiiで本文が閲覧可能。
以上の資料を紹介。
- 回答プロセス
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1.商用データベース「ジャパンナレッジ」で「ごまめ」を見出し検索
「日本大百科全書」「デジタル大辞泉」がヒットするが、質問者のおたずねのような文意の紹介はなし。
ただし、「デジタル大辞泉」では「ごまめのととまじり」という慣用句が、「つまらない者が、りっぱな人々の中に交じって一人前の顔をしていることのたとえ」として、「ごまめの歯軋り」が「力のない者がいたずらに憤慨し、悔しがることのたとえ」紹介されており、「ごまめ」の語を「つまらない者」として使うことが分かる。
2.方言辞典に「ごまめ」の項がないか、その中にお探しの用例がないか探す。
「河内弁大辞典 やぃわれ!」p67「ごまめ」の項に、「遊びの際にルールも分からないような半人前の子どものこと」とあり。出典・根拠はなし。
3.こどもの遊びについての当館資料を確認
「鬼遊び -日本の子どもの遊び」p34に「「ミソッカス」ルール」という項があるが、あげられている大阪での呼び名は「ハンパ」
4.当館職員より、「大阪弁『ほんまもん』講座」8章が「ごまめはかいらし」だったという情報が寄せられる。
p178に、室町時代の儒者・清原宣賢が編纂した辞書「塵芥」にも「ごまめ」の項があるらしい、と記載あり。
「国書総目録」で「塵芥」の刊本が出版されているかを確認するが、写本のみ。
5.大阪弁に関するサイト「全国大阪弁普及協会」の検索画面から「ごまめ」を探すが、項目なし。
6.CiNii論文情報ナビゲータ フリーワード「ごまめ」で検索
「ごまめ・みそっかすの研究 : 伝承文化としての異年齢の仲間集団における特別なルールに関する調査(1)」を発見。
CiNii上で本文をpdfとして公開
- 事前調査事項
- NDC
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- 方言.訛語 (818 9版)
- 参考資料
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商用データベース「ジャパンナレッジ」
「河内弁大辞典 やぃわれ!」富田林河内弁研究会/編(リブロ社、2003、ISBN4-915697-28-2、当館書誌ID:0010519679)
「鬼遊び -日本の子どもの遊び」かこ さとし/著(青木書店、1986、ISBN 4-250-86044-2、当館書誌ID:0070099401)
「大阪弁「ほんまもん」講座」札埜 和男/著(新潮社、2006、ISBN 4-10-610160-2、当館書誌ID:0011167977)
「全国大阪弁普及協会」(http://www.osakaben.jp/osakaben/bunpou.html)2008.11.29確認
CiiNI論文情報ナビゲーター(http://ci.nii.ac.jp/)2008.11.29確認
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商用データベース「ジャパンナレッジ」
- キーワード
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- ごまめ
- 大阪
- 方言
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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以下の資料には、ごまめの項そのもの、もしくは質問者がお探しの用例はなし。
「大阪ことば辞典 新版」牧村 史陽/編(講談社、2004 ISBN4-06-212386-X 当館書誌ID:0010865148)
「日本の方言大研究 3 遊びの方言大集合」(ポプラ社、1997 ISBN 4-591-05339-3 当館書誌ID:0000606619)
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000049566