レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 1998/08/19
- 登録日時
- 2007/03/24 02:11
- 更新日時
- 2008/06/03 15:48
- 管理番号
- 埼浦-1998-049
- 質問
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解決
太宰治が「走れメロス」の着想を得たというシルレル(シラー)の「担保」という詩を探している。
- 回答
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『太宰治 2 日本文学研究資料叢書』より、該当の詩はシラーの「Die Burgschaft」で、「担保」あるいは「人質」という題名で邦訳されており、『走れメロス』の粉本となったのは、小栗孝則訳「人質」(「新編シラー詩抄」改造文庫 1937 所収:国会図蔵)と判明。なお、同書には小栗孝則訳「人質」の全訳が掲出されている。
また、この詩の邦訳はこのほかに、木村謹治訳「担保」(「シラー選集 1」冨山房 1941 所収:国会図ほか蔵)、手塚富雄訳「人質」(『世界文学大系 18』筑摩書房 1959 所収)がある。
以上を回答する。
- 回答プロセス
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自館所蔵のシラーの著作にあたるが、「担保」は見あたらず。
太宰治の関係資料を探索すると、『太宰治 2 日本文学研究資料叢書』の「『走れメロス』材源考」に、シラーの「人質」と「担保」について記述あり。手塚富雄訳「人質」では、途中が省略して訳出されているとのこと。
また、「太宰治その風土」(小野正文 洋々社 1986:県内公共図)にも、「走れメロス」の筋書と構成はシルレルの詩「人質」(でデ・ベルグシャフト)を骨子とする旨の記述あり。
追記:「明治翻訳文学全集 新聞雑誌編35」(大空社 1999)にも、柴田守中訳「人質」が収録されている(2007/03/20確認)。
- 事前調査事項
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情報源:新潮文庫版「走れメロス」の解説によると、この詩は、「ギリシアのダーモンとフィジアスという古伝説によったシラーの『担保』という詩から題材をとっている」とのこと。
- NDC
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- 小説.物語 (913 9版)
- 詩 (941 9版)
- 特種目録 (027 9版)
- 参考資料
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- 「新編シラー詩抄」(改造文庫 1937) (国会図蔵)
- 「シラー選集 1」(冨山房 1941) (国会図ほか蔵)
- 『世界文学大系 18』(筑摩書房 1959)
- 「明治翻訳文学全集 新聞雑誌編35」(大空社 1999) (国会図ほか蔵)
- 『太宰治 2 日本文学研究資料叢書』(日本文学研究資料刊行会 有精堂出版 1985)
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「太宰治その風土」(小野正文 洋々社 1986)
(県内公共図蔵)
- キーワード
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- 太宰 治(ダザイ オサム)
- Schiller Johann Christoph Friedrich von(シラー フリードリヒ)
- 日本文学-小説
- ドイツ文学-詩
- 翻訳書目
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000034123