1 当該市町村の変遷を確認する。
『角川日本地名大辞典20 長野県』角川日本地名大辞典編纂委員会編 角川書店 1990 【N293/18】で当該町村名を引くと、前後の合併等の変遷がわかる。また、平成前期の合併も含んだものとして、『信州ふるさと変遷史』長野県図書館協会編集 一草舎2006 【215.2/ナガ】がある。これは長野県図書館等協働機構が運営する「信州地域史料アーカイブ」のコンテンツ「
市町村変遷史一覧」として、インターネット公開されている。
2 県史を調べる。
『長野県史』については、まず、「通史編」で概略を確認し、史料を調べる際には時代によって、「近世史料編」(江戸期のもので、藩、所領別で内容ごとに年代順に掲載)「近代史料編」(明治期から終戦直後まで、内容別に年代順に掲載)を使い分ける。
また、江戸期より前の史料は、年代順に巻構成された『信濃史料』(全28巻補巻2索引1) 信濃史料刊行会編・刊【N208/28a】を調べる。索引巻は「人名」「事項」「地名」から引くことができる。本文については、長野県立歴史館が「
信濃史料データベース」として、インターネット公開している。サイト上でも検索できるが、人名については、官位、職名など表記の揺れから、検索漏れがおこりやすいので、索引巻を利用するとよい。
3 市町村の史誌を調べる。
1で判明した市町村の地名で、当館ホームページの蔵書を「
詳細検索」をする。その際に、「市」「町」「村」の文字を入れずに地名のみで書名検索する。旧村名の場合、村誌(または村史)ではなく、区誌(または区史)として発刊される傾向があるので、検索漏れを防ぐために、地名のみで検索する。
さらに、請求記号欄の別置枠の次の枠(左から2つ目、右から3つ目にあたるもの)に「N24」と入力すると、長野県の「南信地域の歴史」の分類を表すため、南信地域に絞ることができる。
「N21」は北信、「N22」は東信、「N23」は中信、「N24」は南信となる。
また、長野県図書館協会の「
長野県市町村史誌目次データベース」で、長野県内の史誌類の目次検索や、目次をウェブ上およびPDFファイルで確認できる。ここに収録されている市町村史誌は刊行されているものすべてではないので、注意が必要。登録済み史誌名を確認すること。
4 大正期に各郡役所が編纂した郡史、昭和期に信濃教育会の郡支部で編纂した郡誌も調査する。
5 戦前までの記録は、各町村史誌類に記載があるが、戦後については、発行時期や編集方針によって収録されていない場合がある。戦後の災害については、
『長野県の災害と気象 昭和20年-39年』 長野県総務部消防防災課編 長野県 1965 【N451/19/1】
『長野県の災害と気象 昭和40年-45年』 長野県総務部消防防災課編 長野県 1965 【N451/19/2】
などの記録や、各災害ごとに被災地区でまとめられた記録集などがある。
6 地区単位の歴史については、学校史に記載がある場合もあるので、調査対象に加えることもある。