探し方ガイド:図形楽譜を探し、調べるには?
1.探すときのキーワード(例)
「図形記譜法」 "graphic notation"
当館OPAC
→注記 「図形記譜法」 と入力、検索
(当館「前方一致」検索 43件 「フレーズ」検索 53件 主に国内楽譜がヒット 2013.7.17現在)
→注記 "graphic notation" と入力、検索
(当館「前方一致」検索 66件 「フレーズ」検索 110件 2013.7.17現在)
*上記、検索を各々実行してください。
◆「OPACで探せていますか・・・ガイダンス担当 5.図形楽譜を探したい」
当館コミュニケーション誌『ぱるらんど』275号(2012年6月)p.4
http://www.lib.kunitachi.ac.jp/pub/parlando/2012/Parlando275-5.pdf をご参照ください。
2.調べるときのキーワード(例)
「図形楽譜」
①『楽譜の本質と歴史』 NHK交響楽団編 皆川達夫監修 (楽譜の本質と歴史 1) 東京 :
日本放送出版協会, 1974 請求記号:C21-706他
②『20世紀の作曲 : 現代音楽の理論的展望』 ヴァルター・ギーゼラー著 ; 佐野光司訳 東京 :
音楽之友社, 1988 請求記号:C63-735
③『現代音楽の記譜』 エルハルト・カルコシュカ著 ; 入野義朗訳 東京 : 全音楽譜出版社, 1978
請求記号:C27-628
*図形楽譜を含む現代音楽の記譜について、理論研究や多くの実例を収載。事項索引や人名、作品
索引も付いているので、実践的にも使用できます。
④「展示・図形楽譜の世界」(桐朋学園大学音楽学部附属図書館ホームページ、展示スクエア、展示
期間2005.11~12)
*「図形楽譜とは」と題された記事や年代順リスト、 作曲家紹介、 所蔵資料リスト等、充実しており、
大変参考になります。
⑤『楽譜を読む本 : 感動を生み出す記号たち』(参考資料1参照)
*図形楽譜について書かれているのは、"演奏者に解釈が任された図形楽譜"p.35-36です。
しかし、「これも本当に楽譜 -なんの記号も書かれていない究極の楽譜たち」(沼野)p.34-35
の中で読み、又、この章「第1章 さまざまな楽譜の世界」の一節として、もっと言えば
この本全体の中の一節として読むとおもしろさも倍加します。もちろんこの部分だけでも
図形楽譜についての重要な知識を得ることができます。第2章以下の章立ては以下のように
なっています。第2章 楽譜の基礎知識、第3章 楽譜の関する20のQ&A[作品番号って何?他]、
第4章 大作曲家と楽譜[大作曲家と楽譜-J・S・バッハ モーツァルト ベートーヴェン
シューベルト ブルックナー ブラームス マーラー ベルクとショスタコーヴィチ 現在の作曲家他]
◆図形楽譜と注記
楽譜には、数字が書き込まれた表だったり、抽象的な模様の紙が入っているだけだったり、図案の
書かれた透明なプラスティック板だった……などという場合があります。こういった五線譜と音符で
なく、図形や図表、図案を用いて記譜された楽譜(五線譜と組み合わせる場合もありますが)を「図
形楽譜」といいます。ジョン・ケージやモートン・フェルドマンなど偶然性の音楽の作品によく見られ
ます。
「図形楽譜」を検索したいときは、「注記」という項目を利用すると良いでしょう。
「注記」とは、データに必ず記載される項目(著者(作曲者)、書名(曲名)、出版社、出版年、ページ数、
大きさなど)以外に、特に補って説明する必要がある事項をいいます。
上記項目以外の演奏手段とか、何語で歌われているかとか、演奏者、録音データ、演奏時間、曲目
内容などなど…、その資料に特筆すべき事柄を図書館のデータ作成者が適宜判断して記入します。
図形楽譜は、図形や図案を用いた記譜であることが特徴なので、その旨の「図形記譜法」、"graphic
notation"と注記にデータ入力します。
ですので、注記に「図形記譜法」、"graphic notation"と入力し、検索する!そうすると、
そうした注記データをもつ楽譜が検索される仕組になっています。
◆ネットで、「図形楽譜」と検索すると、様々な美しい図形楽譜を収載するホームページを見ることがで
きます。中でも「素晴らしき図形楽譜の世界」は、美しい楽譜Luce Antonii Junte 'Cantorinus ad Eorum
Instructionem', 1540を冒頭に置き、「図形楽譜(もしくは図形譜、Graphic Notation)とは、五線譜などの
定形化された記譜法を使用せず、楽曲をコード化・視覚化したものである。その起源は、楽譜を考案した
すべての試みと捉えられるため、紀元前の石版に記された文譜やタブラチュア(タブ譜)にまで遡る。」と
書き出して、現代音楽との関連から述べられることの多い図形楽譜の見方に一石を投じ、独自の視点か
ら次々と素晴らしい図形楽譜を紹介してくれています。その多彩な美しさに魅了され、是非、実物を見た
いと、当館OPACでも探してみましたが、ヒットは数点しかありませんでした。検索は、「作曲者」「作品名」
で行いました。このホームページの楽譜例を見ると、注記に通常つけられる「図形記譜法」、"graphic
notation"は使用できない資料もあるので、やはり「作曲者」「作品名」で丹念に検索し、それでなければ当
館未所蔵ということになります。(2013.7.22現在)