レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年2月22日
- 登録日時
- 2015/01/21 16:46
- 更新日時
- 2021/01/10 00:30
- 管理番号
- PML20110222-03
- 質問
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謄写版の用語について
版の基になっているものを「原紙」、原紙を基にして印刷・製本したものを「製本版」と呼んでいるが正しいか?
- 回答
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「原紙」または「謄写版原紙」 印刷版を作るための用紙。(後略)
原紙を切ったりタイプライター等で製版したものが「版」
「謄写印刷」謄写版原紙で作った版を用いる孔版印刷の一種。謄写版ともいう。(後略)
・日本印刷学会編『印刷事典 第5版』(印刷朝陽会 2002年)
・須永襄 編『『昭和堂月報』の時代 : 戦前戦後「ガリ版」年代記』(大日本印刷 2000年)
p.166-167 謄写印刷用語集 より
「謄写印刷」
「謄写版」謄写印刷に用いる印刷器をいう。また、製版から印刷に至る謄写印刷システム全体も、謄写版と呼ぶ。(後略)
・志村章子『ガリ版文化を歩く : 謄写版の百年』(新宿書房 1995年)
p.298-302 ガリ版用語集
「原紙を基にして印刷・製本したもの」については、特定の総称は無く、それぞれ雑誌、書籍、などの名称になると思われる。
「製本版」という言葉は用語としては載っていない。
例えば、比較として、例えば未綴版と製本版、のような区別のための使い方はあり得るが、特定の印刷用語としては無い。
なお、「版」(「印刷版」「刷版」)という語は、印刷用語としては、印刷の原版や版材を指す。
- 回答プロセス
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印刷用語事典と謄写印刷(謄写版、ガリ版)用語事典の確認
- 事前調査事項
- NDC
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- 印刷 (749 9版)
- 参考資料
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日本印刷学会 編 , 日本印刷学会. 印刷事典 第5版. 印刷朝陽会, 2002.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003623736-00 , ISBN 4900175064 (S303 N) - 須永襄/編 , 須永襄 , 大日本印刷. 昭和堂月報の時代 : 戦前戦後「ガリ版」年代記. 大日本印刷ICC本部, 2000. (HONCOレアブックス
-
2)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I026694983-00 , ISBN 4887521278 (S652.1 Su73) -
志村章子 著 , 志村, 章子, 1939-. ガリ版文化を歩く : 謄写版の百年. 新宿書房, 1995.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002390223-00 , ISBN 4880082031 (S652.1 Sh56) -
「謄写原紙の自動製版について」の回答に対する再質問
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000166417
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日本印刷学会 編 , 日本印刷学会. 印刷事典 第5版. 印刷朝陽会, 2002.
- キーワード
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- 謄写印刷-用語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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「謄写原紙の自動製版について」の回答に対する再質問
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000166417
(学芸員から質問者への回答文)
版の材料としての紙を「原紙」、ガリ切りした原紙の総称として「版」、
刷り上がったものをどう呼べば良いのかはその最終形態にもよるとは思います。
刷り上がったものをどう呼ぶかは正式な名称としてはないと思いますが、
例えば、比較をする場合として、「原紙=印刷前」「製本版=最終製品」というような呼び方をするという使い方でしょうか。
間違ってはいないと思いますし、文脈次第ではあると思いますが、
「版」は印刷について書く場合は多く出てくる言葉ですので、誤解が生じる可能性もあり、私自身は慎重に使うようにしています。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人 当館学芸員
- 登録番号
- 1000166428