レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年02月18日
- 登録日時
- 2012/02/18 14:52
- 更新日時
- 2012/08/30 13:23
- 管理番号
- 97-B-25
- 質問
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解決
石鎚山の高山植物にはどのようなものがあるか。
- 回答
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・石鎚山は西日本の最高峰で、南側は太平洋にも面するので、北方系と南方系の植物が見られる。
九州中央部から、四国、紀伊半島、中部南半にかけての山地は植物地史学的にも重要な地域とされ、ソハヤ(襲速紀)地帯といわれる。石鎚山系のものは、火山活動にもかかわらず、第三紀以来残存する植物である。
・シコクベラ-山頂から最下限はご来光の滝下(1480メートル)まで分布。
・ハクサンシャクナゲ、コマガタケスグリ-上記の林中に見られ、その構成種と生態は、日本アルプスの亜高山帯とほとんど変わらない。
・ミヤマダイコンソウ、キバナノコマノツメ、タカネイバラ-さらに頂上付近の岩壁地にあり、日本アルプスの高山地帯にあるこれらの北方系種は、洪積時代の氷河期に北海道、本州の北・中部を経て石鎚山に入ってきた。
シコクシラベは本州中部のシラベに比し毬果が小さいが、それと同一種と見る人もいる。
・ダケカンバ、シコクイチゲ、イシヅチボウフ-四国の高地に隔離されて、多少とも特化したものである。
・ウラジロモミ-西条側で1400~1700メートル面河渓側で950~1700メートルの間に生育し、土小屋付近では純林をつくる。
・ブナ-南北両側で850メートルより出現し、上部でウラジロモミと、下部でツガと分布が重なっている。
・コウヤマキ-現存するのは日本だけで、面河渓には多く、パノラマ台などの岩峰に群落をつくる。前述のウラジロモミ、そのはかヒメシヤラ、ツクシシャクナゲ、イヨフウロソウなどもその例である。
・南方系の要素としては、二の鎖で発見されたサカバイヌワラビは第三紀の名残、面河渓の原生林に多いカヤラン、ムギラン、ベニシダなどは新しく北上したものである。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 一般植物学 (471 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 『愛媛県百科大事典』 愛媛新聞社愛媛県百科大事典編集委員室/編集 愛媛新聞社 1985年 <請求記号:R /K290 /63 /1><請求記号:R /K290 /63 /2>
- キーワード
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- 高山植物(愛媛県) こうざんしょくぶつ(えひめけん)
- 石鎚山 いしづちさん
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 事例出典『郷土資料に関する調査・相談事例集』 愛媛県図書館協会・愛媛県立図書館/編集 愛媛県立図書館 1997年
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000101924