レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年04月01日
- 登録日時
- 2012/06/06 10:57
- 更新日時
- 2012/06/22 13:43
- 管理番号
- 12-1
- 質問
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解決
雑誌『旅行満洲』から『観光東亜』への改題の辞、ならびに『観光東亜』から『旅行雑誌』への改題の辞を確認したい。
- 回答
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◆昭和13年4月 『観光東亜』 第五号第四号
【改題の辞】
本誌〞旅行満洲″ も発刊以来既に五ヶ年を閲した。この間満洲に於ける唯一の旅行雑誌として終始向上
の一路を辿り得たことは、一重に大方御声援の賜物である。然るに今や、東亜大陸は昨日の奮殻を脱して
画期的形態を現じ来り、百般の事態また脈脈として新生面に躍動してわが国の大陸政策は堂々その歩武
を進めてゐる。
顧るに昭和六年七月、本誌の創刊以来、満洲は幾度か社会情勢の変轉に遭遇した。この間に処して本誌
も次第にその内容を充実して来たが、昨年未来皇軍の北支粛清あり、本誌の使命も更にその範囲を拡大
すべき事態となった。茲に本誌は必然この四圍の新情勢に順応すべく、まづ従来の〝旅行満洲″ を一層拡
充し本号より〝観光東亜と改題し以て国策的観光事業に参輿せんとするものである。
想ふに東亜観光の事業たるや、一に平和の確立と東洋文化の復興に俟たねばならぬ。之が具現は東洋
民族の協力によるもの、各民族は相倚らねはならぬ。相倚るものは相識る。相識らんが為には東亜観光
の実践に努力せねばならぬ。即ち東亜平和の促進こそは本誌終局の念願に他ならぬ。
茲に改題に際し本誌の抱負を明にし、併せて諸賢倍奮の御支援を希ふ次第である。
(本学所蔵資料より)
◆昭和18年7月 『旅行雑誌』 第10巻第7号
【改題の辞】
大東亜戦三年の盛夏、わが「観光東亜」はここに創刊十周年を迎へる。満洲における最初の旅行雑誌「旅行
満洲」として生れた本誌は、諸賢の熱烈な御声援によって健かに成長し発展した。
去る昭和十三年四月本誌は東亜大陸を一貫する観光本業への挺身を誓って「観光東亜」と改題し観光理念
の普遍に孜々として不断の努力を続けた。しかるに先般本社は時局に即する躍進的改組により財団法人東
亜旅行社と改称し旅行部門による国民の厚生錬成と国情宣揚に専念することを声明した。本誌もまた之に応
じ東亜大陸に在って「旅行雑誌」と改題してこの使命に遭進せんとするものである。今後の本誌に対し折角御
期待を乞ふとともに諸賢の御声援を希ふ次第である(68頁)。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
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- 満洲
- 旅行
- 観光
- 東亜
- 旅行満洲
- 観光東亜
- 改題
- JTB
- ジャパン・ツーリスト・ビューロー
- ツーリズム
- 旧植民地
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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※『観光東亜』への改題の辞は本学所蔵資料より転記。
※『旅行雑誌』への改題の辞は以下の資料に拠った。
平成15年度科学研究費補助金(特定領域研究(A))「東アジアの出版文化」研究成果報告書
「日本国内現存『観光東亜』総目次稿」研究代表者 原山煌
【関連調査】
・雑誌『旅行満洲』の刊行の経緯、ならびに変遷について書かれた資料を探している。
https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000107100
・雑誌『旅行満洲』と継続後誌『観光東亜』では、折に触れて特輯が組まれている。
特輯号の内容は非常に濃いものとなており、資料的価値が高い。
どのような特輯が組まれていたのか、可能な限り知りたい。
https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000107275
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000106931
- 関連ファイル