レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/07/18
- 登録日時
- 2016/12/04 00:30
- 更新日時
- 2016/12/04 09:17
- 管理番号
- 千県中参考-2016-29
- 質問
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解決
若山牧水の歌「石越ゆる水のまろみをながめつつこころかなしも秋の渓間に」の「渓間」は何と読むのか。音数から考えて「たにま」ではないかと思う。
- 回答
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問合せの歌は、歌集『渓谷集』(その中の一編「秩父の秋」)に収録されています。次の資料で「渓間」の読み方が「たにま」と記載されていることを確認しました。
【資料1】『牧水歌集』(若山牧水著 金園社 1971)p.202
【資料2】『日本の詩歌 4 与謝野鉄幹 与謝野晶子 若山牧水 吉井勇』(中央公論社 1979)p.255
- 回答プロセス
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まず、自館所蔵の資料を調べました。
『若山牧水全集 補巻』(若山牧水著 増進会出版社 1993)「初句索引」より、同全集第6巻『渓谷集』の中の一編「秩父の秋」に問合せの歌を確認しましたが(p.133)、「渓間」の読み方は載っていませんでした。下記資料に収録の『渓谷集』にも、読み方が載っているものはありませんでした。
『若山牧水歌集』(若山牧水[著] 岩波書店 2004)
『若山牧水歌集』(若山牧水[著] 岩波書店 1997)
『現代日本文学全集 33 若山牧水 島木赤彦 中村憲吉 木下利玄集』(筑摩書房 1967)
『若山牧水全集 第2巻』(若山牧水著 雄鶏社 1959)
また、検索エンジンで「渓間」「たにま」でフレーズ検索をしました。「青空文庫」(http://www.aozora.gr.jp/)収録の2作品がヒットし、「渓間」または「谿間」と書いて「たにま」と読んでいる例が見つかりましたが、若山牧水に関連するものは見つかりませんでした。
山田美妙『武蔵野 下』(http://www.aozora.gr.jp/cards/000843/files/42349_23567.html)
文章中の一節に「遠近(おちこち)の渓間(たにま)からは朝雲の狼煙(のろし)が立ち昇る」とあります。
山村暮鳥『風は草木にささやいた』(http://www.aozora.gr.jp/cards/000136/files/42754_34853.html)
「自分はいまこそ言はう」という文章中の一節に「谿間(たにま)をながれる泉のやうに」とあります。
続いて、『渓谷集』を収録する他館所蔵の資料を確認したところ、【資料1】【資料2】に「たにま」の読み方が振ってあるのが見つかりました。その他の2点には読み方の記載はありませんでした。
『若山牧水歌集』(若山牧水著 岩波書店 1979)p.152
『現代短歌全集 第4巻』(増補版 上田三四二[ほか]編集委員 筑摩書房 2001)p.24
(インターネット最終アクセス:2016年9月28日)
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『牧水歌集』(若山牧水著 金園社 1971)(9104119918)
- 【資料2】『日本の詩歌 4 与謝野鉄幹 与謝野晶子 若山牧水 吉井勇』(中央公論社 1979)(1100367557)
- キーワード
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- 和歌(ワカ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉,一般
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000200804