レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年02月14日
- 登録日時
- 2014/11/27 15:55
- 更新日時
- 2015/01/08 13:23
- 管理番号
- 埼熊-2014-080
- 質問
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解決
NHKのテレビ番組「永平寺」(1977年初放送)の中で行われた禅問答の中で、修行僧が「いかなるか、これ仏」(「仏とはどのようなものですか?」の意)と尋ねたのに対し、老師が「サリハンリ チクジャクカクジャク」と答えていたが、この意味と漢字表記が知りたい。
- 回答
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該当する問答はなかったが、以下の資料で表記、意味等を確認し、これを紹介した。
漢字表記は、「茶裏飯裏 築著磕著」となる。
意味は、以下の通り。
『禅学大辞典』(禅学大辞典編纂所編 大修館書店 1985)
p387「茶裏飯裏不向別處(さりはんりべっしょにむかわず)」の項より、「茶裏飯裏」は「茶を飲む時も飯を喫する時も」とあり。
p844-845「築著(ちくじゃく)」の項の引用に、「築著磕著(ちくじゃく・かつじゃく)」あり。「あちらに打ちあたり、こちらにつきあたる。行履が自由自在でとらわれるもののないこと。磕著とは、石などの打ち合う音。またつきあたること。一説に築は【「祝の旧字の下に土」の漢字】と同義。一杯に塞ること。眼に充ち耳に満つること。佛性の法界に充満して隙間のないこと。」
『禅の思想辞典』(田上太秀編著 東京書籍 2008)
p354「築著磕著(ちくじゃくかっちゃく)」の項に、「ちくじゃくこうじゃく」「ちくじゃくかつじゃく」とも読み、「公案(こうあん)の参究をひたすらつづけるうち、頭からがつんと禅の核心にぶち当たること」とあり。
『正法眼蔵用語辞典』(中村宗一著 誠信書房 1975)
p273「築著磕著(ちくじゃくかくじゃく)」の項に、「この語意は、至る処に充満して此れに触れ、彼に触れ、面前背後その物と相対し鼻をつき合わせること。諸法に充満して隙間のない意。」とあり。
- 回答プロセス
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禅宗や禅語の参考図書を確認した。
『禅学大辞典』
p387「茶裏飯裏不向別處(さりはんりべっしょにむかわず)」の項より、「茶裏飯裏」の記述あり。
p844-845「「築著磕著(ちくじゃく・かつじゃく)」あり。
『禅の思想辞典』
「サリハンリ」「サリ」「ハンリ」なし。
p354「築著磕著(ちくじゃくかっちゃく)」の項あり。
『正法眼蔵用語辞典』
「サリハンリ」「サリ」「ハンリ」なし。
p273「築著磕著(ちくじゃくかくじゃく)」の項あり。
その他、以下の辞典にも記述があった。
『新釈禅林用語辞典 平仄付』(飯田利行著 柏美術出版 1994)
『禅宗小事典』(石川力山編著 法蔵館 1999)
『禅宗辞典』(山田孝道著 国書刊行会 1974)
『禅語辞典』(古賀英彦編著 思文閣出版 1991)
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 参考資料
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- 『禅学大辞典』(禅学大辞典編纂所編 大修館書店 1985) , ISBN 4-469-09108-1
- 『禅の思想辞典』(田上太秀編著 東京書籍 2008) , ISBN 978-4-487-73334-7
- 『正法眼蔵用語辞典』(中村宗一著 誠信書房 1975)
- キーワード
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- 公案 (禅宗)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000163687