レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年05月07日
- 登録日時
- 2016/02/05 16:40
- 更新日時
- 2017/04/24 10:04
- 管理番号
- 京高図司-2015-B1
- 質問
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解決
「少年の日の思い出」(ヘルマン・ヘッセ著)はありますか?
- 回答
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『ヘッセ全集2 車輪の下』【資料1】を提供した。
- 回答プロセス
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「少年の日の思い出」は短編小説。
1.『ちくま文学の森3 幼かりし日々 』【資料2】所収の「クジャクヤママユ」を提供。(タイトルは違うがその作品であると判断した。)
後日『少年の日の思い出:ヘッセ青春小説集』【資料3】を購入して提供。
しかし、質問者によると、両方とも「教科書に載っていたのと違う」とのことであった。
2.【資料3】の「訳者あとがき」で、教科書掲載作品は高橋健二訳とわかり、
『ヘッセ全集2 車輪の下』【資料1】(「少年の日の思い出」を収録)を京都府立図書館より借り受けて提供。
「この訳です!」とようやく満足してもらえた。
【資料3】の「訳者あとがき」には、「少年の日の思い出」の稿の違いや、この作品が日本の教科書に掲載された経緯、原題や作中の昆虫名の日本語訳について、などが説明されている。これらを参考にして稿の違いについてまとめてみた。
『ヘッセ全集2 車輪の下』【資料1】所収の「少年の日の思い出」
原文は“Jugendgedenken”(1931)。初稿“Das Nachtpfauenauge”(1911)の改稿、改題。
高橋健二訳。中学校の国語教科書に掲載されている作品。
『ちくま文学の森3 幼かりし日々』【資料2】所収の「クジャクヤママユ」
原文は“Das Nachtpfauenauge” (1911)。“Jugendgedenken”(1931)の初稿。
岡田朝雄訳。
『少年の日の思い出:ヘッセ青春小説集』【資料3】所収の「少年の日の思い出」
作品末尾に初稿・改稿共に記載があるので、両作品より訳出したものと思われる。
岡田朝雄訳。
稿と翻訳者が違うため訳文は異なっているが、内容的にはあまり差がない。質問者は、登場人物の印象深いセリフの訳が違っていたので、教科書で読んだものではないとすぐ気付いたようだ。
- 事前調査事項
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中学校の国語で習って印象に残っているので読みたいと言ってきた。
- NDC
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- 小説.物語 (943)
- 参考資料
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【資料1】『ヘッセ全集2 車輪の下』ヘルマン・ヘッセ著, 高橋健二訳,新潮社,1982. (「少年の日の思い出」を収録)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I021899064-00 -
【資料2】『ちくま文学の森3 幼かりし日々』ヘルマン・ヘッセ著,岡田朝雄訳,筑摩書房,1988. (「クジャクヤママユ」を収録)
(元テクストは、『蝶』ヘッセ著、岡田朝雄訳、朝日出版社、1984 所収の「クジャクヤママユ」)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I013761613-00 -
【資料3】『少年の日の思い出:ヘッセ青春小説集』ヘルマン・ヘッセ著,岡田朝雄訳,草思社,2010.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011069518-00 , ISBN 9784794217912 - 『教科書名短篇:少年時代』中央公論新社編,中公文庫,2016.(「少年の日の思い出」ヘルマン・ヘッセ著,高橋健二訳を収録)
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【資料1】『ヘッセ全集2 車輪の下』ヘルマン・ヘッセ著, 高橋健二訳,新潮社,1982. (「少年の日の思い出」を収録)
- キーワード
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- 少年の日の思い出
- ヘルマン・ヘッセ
- クジャクヤママユ
- 教科書
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 高校生
- 登録番号
- 1000187897