まず、いぬいとみこさんの略歴や受賞作を調べるために以下の参考図書を調べました。
『日本児童文学大事典 第1巻:人名あ~と』によりますと、
「1924(大3)年3月3日~作家。本名乾富子。東京生まれ。日本女子大学国文科中退。平安女学院保育科卒(44年)。45年山口県柳井で敗戦をむかえた。50年同人誌「豆の木」を佐藤暁、長崎源之助らと創刊。同年岩波書店入社。石井桃子の下で「岩波少年文庫」の編集に従事、これらの仕事が作家としての基礎を作った。…後略…」とあります。
『現代日本児童文学作家事典』の「いぬいとみこ」の項目には主な作品として
『ながいながいペンギンの話』(理論社・昭32毎日出版文化賞)『北極のムーシカミーシカ』(同・昭39 国際アンデルセン賞優良作品次席)他8つ計10作品(評論を含む)が紹介されています。
『児童文学事典』(54p)、『児童文学者人名事典-日本人編・上巻(あ~さ行)-』(129-131p)でも「いぬいとみこ」の項目で紹介されています。
雑誌『日本児童文学 第24巻10号(通巻277号)』では「特集:いぬいとみこの世界」が組まれています。
また雑誌『日本児童文学 第48巻4号(通巻540号)』(115-117p)には「追悼・いぬいとみこ」の記事があり、2002年1月16日に享年77歳で死去されたことが掲載されています。
以上のものについては、貸出のできない資料となります。複写をご希望の際には改めてお申込みください。
貸出のできる資料としましては、以下の3点があります。
『現代児童文学作家対談6:いぬいとみこ・神沢利子・松谷みよ子』には、各対談者の年譜・著作目録・研究文献目録(92-137p)があります。
『ムーシカ文庫の伝言板:いぬいとみこ文庫活動の記録』では、文庫活動について知ることができます。
『日本女子大学に学んだ文学者たち』でも「いぬいとみこ」(289-301p)が紹介されています。コンパクトに幼少期のことから紹介されています。
以上の参考図書や貸出できる資料をご参照いただければ、研究文献目録や参考文献なども紹介されているので、いぬいとみこさんについての情報を得ることができます。
また「色々な賞を取られておられるようですが、どの本が代表作なのでしょうか?どの本から有名になられたのでしょうか?人気のある本はどの本でしょうか?どの本から読んでいけばいいでしょうか?」と本についてもお尋ねなので、前掲の『ながいながいペンギンの話』『北極のムーシカミーシカ』以外にも『児童文学事典』(54p)で紹介されている主な作品をご紹介させていただきます。以下、引用です。
『木かげの家の小人たち』(59)、『空からの歌ごえ』(63)、『うみねこの空』(65 野間児童文芸賞)、『みどりの川のぎんしょきしょき』(68)、『くらやみ谷の小人たち』(72)、『山んばと空とぶ白い馬』(76)、『あけみとひみつのおともだち』(79)、『白鳥のふたごものがたり』三部作(85)など多数。ほかに『リラと白樺の旅』(70)などのエッセイ、『かぜのおまつり』(72)など絵本の仕事もある。
これ以外にも、当館蔵書検索で著者「いぬいとみこ」で検索すると97件ヒットします。『トビウオのぼうやはびょうきです』は紙芝居もあります。(『児童文学事典』で紹介されている『あけみとひみつのおともだち』は、『現代児童文学作家対談6:いぬいとみこ・神沢利子・松谷みよ子』などによると『あゆみとひみつのおともだち』と思われます。)
貸出しできる作品も多数ございますので、ご利用ください。