レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/11/09
- 登録日時
- 2017/12/15 00:30
- 更新日時
- 2017/12/15 00:30
- 管理番号
- 6001027097
- 質問
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解決
「夏の七草」と「冬の七草」について、インターネット上では諸説見るが、書物に記載されているものがあれば見たい。
- 回答
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<1>
レファレンス協同データベースで検索すると、「夏の七草」については事例
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000046158
があり、『私の植物散歩』 木村/陽二郎∥著 (筑摩書房 1987.4)が紹介されている。
大阪府立中央図書館所蔵の同書を確認したところ、「春の七草」「夏の七草」「秋の七草」「新選 秋の七草」については記載されているが、「冬の七草」は記載されていない。
p.77-82「夏の七草」では、内閣情報局発行の『週報』(四四七・八号)に発表された「アカザ、イノコズチ、ヒユ、スベリヒユ、シロツメクサ、ヒメジョオン、ツユクサ」が紹介されるとともに、筆者自身が「先に述べた夏の七草はあまりにも風情がないから、ここに新しく私の好きな夏の七草を考えてみたい。」として、「マツムシソウ、ヤマユリ、キスゲ、ツリフネソウ、ツユクサ、クサフジ、オオマツヨイグサ」が紹介されている。
<2>
国立国会図書館デジタルコレクションで「冬の七草」をキーワードとして検索すると、次の3冊がヒットする。
(2017/11/9現在)
●『園芸十二ケ月. 続 』 久田 二葉 著 (読売新聞社 1908)
p.9-22「冬の七草」→p.9「植物学者伊藤篤太郎博士によりて、先年選定された冬の七草は次のいろいろであります。」として、款冬の薹(ふきのとう)、福寿草、節分草、雪割草、寒葵、寒菊、水仙が挙げられている。
●『植物の越冬(科学文庫)』 松村 義敏 著 (彰考書院 1947)
p.87-91「冬の七草と春の七草」→p.87上記『園芸十二ケ月. 続 』でも紹介されている「伊藤篤太郎氏撰の冬の七草」を挙げ、「春の七草として従来用いられてきた七種も、実は昔の春が、旧暦の正月に始まつたわけであるから、現在の冬であり、右に述べた冬の七草と大体習性を同じうするものが多い。」と述べられている。
また、p.91には「註」として、「夏の七草は、涼しさはよし、ゐ、おもだか、ひつじぐさ、はちす、かわほね、さぎさうの花(勧修寺経雄撰)。」とあり。
●『日本文学植物美観』 志田 義秀 著 (晴光館 1908)
p.111-114「夏冬の七草と花暦に就いて 上」では、「日本には春の七草と秋の七草といふものがありますが、夏の七草と冬の七草とがありません。(中略)此頃聞きますと、夢香島の百花園に、夏の七草といふものがあるさうですが、私は誠に面白い思ひつきかと感じたのであります。この様子では、冬の七草といふものもあるのでせうが、惜しい事には、まだ其れ等の花が、何々であるかといふ事は聞きませぬ。」と述べ、「吾々に於いても、夏の七草と冬の七草とを撰定して見ようではありませんか。(中略)多数決で決して見るといふ方法もあらうかと思ひます。」と読者に呼びかけている。
<3>
「夏の七草」についても、国立国会図書館デジタルコレクションで検索すると、複数ヒットする。
(2017/11/9現在)
●『懸葵』8巻6号(懸葵発行所 1911.8)
p.39-41「夏の七草を選定するの議」(つくも生)に、睡蓮、水葵(雨久花)、蒲、菱、狸藻、品字藻、ミズアサガホが挙げられている。
●『観賞植物大図鑑 8月巻』(謄写版) 安達 潮花 著 (安達良雄 1921.10)
生け花の本。
p.8の6「新撰 夏の七草」に、サハギキヤウ、ヒツジグサ、ホシクサ、ミソハギ、ミヅアフヒ、サンセウモ、デンジサウが挙げられている。
●『学習植物図鑑』 理科教育研究委員会 編 (保育社 1951.11)
および『学習植物図鑑(保育社の学習図鑑 6)』 實野 恒久 著 (保育社 1957.10)
p.11「夏の七草」に、ヒメジヨオン、シロツメグサ、アオビユ、スベリヒユ、ツユクサ、アカザ、イノコヅチが挙げられている。
●『週報』447-8合併号(内閣情報局 1945.6)
p.5-9「新選『夏の七草』」に、<1>に記載のとおり、アカザ、イノコズチ、ヒユ、スベリヒユ、シロツメクサ、ヒメジョオン、ツユクサが挙げられている。
●『植物図絵』 本田 正次 著 (国民図書刊行会 1948.5)
p.28-29「(13)夏の七草」に、ヒユ、アカザ、シロツメクサ、ヒメジョオン、スベリヒユ、イノコズチ、ツユクサが挙げられている。
●『夏の七草』 楓園 鈴木 重[タマ] 著 (伊藤小春 [1904])
床夏(瞿麦)、おもたか(野茨菰)、夕かほ(遍蒲)、ひるかほ(旋花)、はちす(蓮)、ゆり(百合)、あさみ(小薊)が挙げられている。
●『労働レーダー』2巻8号<通巻16号>(労働問題研究会議 1978.8)
p.26-27「野草園譚 夏の七草」(管野邦夫)に、ヨシ、イ、オモダカ、ヒツジグサ、ハチス、カワホネ、サギソウの花が挙げられている。
なお、「イ」は藺草のこと。
[事例作成日:2017年11月9日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 私の植物散歩 木村/陽二郎∥著 筑摩書房 1987.4 (p.77-82)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000226472