レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/06/22
- 登録日時
- 2018/02/15 00:30
- 更新日時
- 2018/02/25 09:51
- 管理番号
- 茨城-2017-050
- 質問
-
解決
水戸八景と女人和歌大系に出てくる女性詠み人の一致していない部分について同一人物か知りたい。
「立原氏女夏」と「利子」,「和子」は同一人物か。
- 回答
-
『江戸期おんな表現者事典』(柴桂子/監修,現代書館,2015)
P388
和子 文化14年(1817)~弘化4年(1847)享年31
画・和歌・書。常陸水戸藩士で画家立原杏所の二女。画家春沙の妹。祖父は水戸藩随一の儒学者立原翠軒。夏子,利子とも。号,竹沙。・・・以下略。
→この資料からは,立原氏女夏は,利子と和子の名前を使用していた。和子は立原杏所の次女夏と同一人物であるとの記載がございます。
また,『江戸期おんな表現者事典』の上記記載中に「斉昭撰「弘道館梅花詩歌」に「春ことにかわらて咲るうめの華ゆく末人の愛はやすらん」が載る」と記載がございます。
「弘道館梅花詩歌」は,国文学研究資料館で彰考館の写が閲覧可能でございます。
国文学研究資料館 https://www.nijl.ac.jp/ (2017年6月21日最終アクセス)
〒190-0014
東京都立川市緑町10-3
IP電話 代表 050-5533-2900
請求記号 32-73-12,89コマ,E
C1276,89コマ,E
資料種別 マイクロ・紙焼
書名 弘道館梅花詩歌(こうどうかんばいかしいか),外
場所(状態) 〔100007600/〕
『弘道館・偕楽園』(茨城県観光課/編集・刊,1962)
P67
「現在弘道館に「梅花詩歌集」という1冊が保存されてあるが,これには詩26人分,歌69人分をまとめて収められている。」と記載がありました。
弘道館所蔵の「梅花詩歌集」に「春ことにかわらて咲るうめの華ゆく末人の愛はやすらん」の歌が収録されているか確認したところ,収録があるとのことでございます。
事前に弘道館に閲覧相談の連絡を頂ければ,閲覧は可能とのこと。
弘道館では,「梅花詩歌帖」の名称で登録してあるそうです。
くずし字で書かれているそうですので,直接,ご自身でご確認頂ければと思います。
弘道館
〒310-0011
茨城県水戸市三の丸1-6-29
電話 029-231-4725
その他調査資料の結果を記載いたします。特定出来る記載は見つかりませんでした。
1.『立原両先生』(無名居士/著,友部延吉,1915)
P38~P39 「二女夏子」「公名を利子」の記載あり
2.『水戸藩系譜外戚伝』(斉藤新一郎/編,水戸学振興会,1956)
P30 立原氏の箇所には「家臣立原甚太郎任。 女子 名ハ利子夏ト称ス 斉昭ノ侍女」との記載あり
3.『三百藩藩主人名事典 2』(藩主人名事典編纂委員会/編,新人物往来社,1986)
P78 徳川斉昭の側室として「立原利子」の記載あり。
4.『幕末日本と徳川斉昭』(茨城県立歴史館/編纂,茨城県立歴史館,2008)
P86 斉昭の側室として,「利子(水戸藩士立原杏所娘)」の記載あり。
5.『茨城の画人』(大内健二/著,川又書店,1988)
P91 「立原竹沙」の項に,「立原杏所の次女」「次女を夏子といった」との記載あり。
6.『大日本書画名家大鑑 伝記 上編』(荒木矩/編,第一書房,1980)
P642 「竹沙」の項には,「立原杏所の二女」「二女を夏子といふ」「藩主斉昭烈公の側室となり」との記載あり。
7.『書画骨董人名大辞典』(常石英明/編著,金園社,1975)
P163 「立原竹沙」立原杏所の二女との記載あり
8.『立原杏所とその師友』(立原杏所/ほか画,茨城県立歴史館,2010)記載なし
9.『水戸の南画 林十江・立原杏所とその周辺』(茨城県立歴史館/編,茨城県立歴史館,1978)記載なし
10.『立原杏所・林十江印譜』(牧大介/編,立原善重,1960)記載なし
11.『国書人名辞典 第3巻』(市古貞次/ほか編,岩波書店,1996)記載なし
12.「近世女人風土記(三)常陸国の巻(茨城県)」(柴桂子著)P182-185 所収『江戸期おんな考 第3号』
P183 斉昭の側室立原和子の記載あり
- 回答プロセス
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1.立原杏所関係の図書を確認
『立原両先生』(無名居士/著,友部延吉,1915)
P38-39 「二女夏子」「公名を利子」の記載あり
『立原杏所とその師友』(立原杏所/ほか画,茨城県立歴史館,2010)
→記載なし
『水戸の南画 林十江・立原杏所とその周辺』(茨城県立歴史館/編・刊,1978)
→記載なし
『立原杏所・林十江印譜』(牧大介/編,立原善重,1960)
→記載なし
2.徳川斉昭関係の図書を確認
『水戸藩系譜外戚伝』(斉藤新一郎/編,水戸学振興会,1956)
P30 立原氏の箇所には「家臣立原甚太郎任。女子名ハ利子夏ト称ス 斉昭ノ侍女」との記載あり
『三百藩藩主人名事典 2』(藩主人名事典編纂委員会/編,新人物往来社,1986)
P78 徳川斉昭の側室として「立原利子」の記載あり
『幕末日本と徳川斉昭』(茨城県立歴史館/編・刊,2008)
P86 斉昭の側室として,「利子(水戸藩士立原杏所娘)」の記載あり
3.書画の事典で確認する
『茨城の画人』(大内健二/著,川又書店,1988)
P91 「立原竹沙」の項に,「立原杏所の次女」「次女を夏子といった」との記載あり
『大日本書画名家大鑑 伝記 上編』(荒木矩/編,第一書房,1980)
P642 「竹沙」の項には,「立原杏所の二女」「二女を夏子といふ」「藩主斉昭烈公の側室となり」との記載あり
『書画骨董人名大辞典』(常石英明/編著,金園社,1975)
P163 「立原竹沙」 立原杏所の二女との記載あり
4.人名事典で確認する
『国書人名辞典 第3巻』(市古貞次/ほか編,岩波書店,1996)
→記載なし
5.女性関係の図書で確認する
「近世女人風土記(三)常陸国の巻(茨城県)」(柴桂子著)P182-185 所収『江戸期おんな考 第3号』
P183 斉昭の側室立原和子の記載あり
『江戸期おんな表現者事典』(柴桂子/監修,現代書館,2015)
P388
和子 文化14年(1817)~弘化4年(1847)享年31
画・和歌・書。常陸水戸藩士で画家立原杏所の二女。画家春沙の妹。祖父は水戸藩随一の儒学者立原翠軒。夏子,利子とも。号,竹沙。
6.『女人和歌大系』の原本「弘道館梅花詩歌」を所蔵機関を調べる
→国文学研究資料館 彰考館の写しを所蔵
→弘道館 「梅花詩歌帖」の資料名で所蔵
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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無名居士 著 , 友部鉄軒 校訂 , 友部, 鉄軒, -1917. 立原両先生. 友部新吉, 1915.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000563897-00 (P38,P39) -
斉藤 新一郎/編 , 斉藤 新一郎 , 斉藤 新一郎. 水戸藩系譜外戚伝. 水戸学振興会, 1956-12.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I063065200-00 (P30) -
藩主人名事典編纂委員会 編. 三百藩藩主人名事典 第2巻. 新人物往来社, 1986.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001815374-00 , ISBN 4404013833 (P78) -
茨城県立歴史館 編 , 茨城県立歴史館. 幕末日本と徳川齊昭 : 平成20年度特別展. 茨城県立歴史館, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009773783-00 (P86) -
大内健二 著 , 大内, 健二, 1909-. 茨城の画人 : ふるさとの画家をたずねて. 川又書店, 1988.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001971828-00 (P91,P252) -
荒木矩 編 , 荒木, 矩, 1865-1941. 大日本書画名家大鑑 索引編. 第一書房, 1991.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002140969-00 , ISBN 4804200193 (P642) -
常石英明 編著 , 常石, 英明, 1911-. 書画骨董人名大辞典. 金園社, 1994.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004212671-00 , ISBN 4321145023 (P163) - 江戸期おんな考桂書房 一括平2.10~平7.9 (P183)
- 江戸期おんな表現者事典柴 桂子/監修現代書館 (P388)
- 弘道館・偕楽園茨城県観光課/編集茨城県観光課 (P67)
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無名居士 著 , 友部鉄軒 校訂 , 友部, 鉄軒, -1917. 立原両先生. 友部新吉, 1915.
- キーワード
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- 立原夏子(タチハラナツコ)
- 立原利子(タチハラトシコ)
- 立原和子(タチハラカズコ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土,人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000230649