レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/05/12
- 登録日時
- 2012/12/29 02:15
- 更新日時
- 2013/01/17 11:10
- 管理番号
- 6000004124
- 質問
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解決
茨木市にある総持寺で包丁式を見学し興味を持った。この行事の由来などが詳しくわかる資料はあるか。
- 回答
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『大阪府の歴史散歩 上 大阪市・豊能・三島』『わがまち茨木 人物編』などに総持寺の包丁式についての記載があり。
- 回答プロセス
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大阪関連資料の書架、寺社仏閣関連資料の書架を探す。
『大阪府の歴史散歩 上 大阪市・豊能・三島』(山川出版社)p224「総持寺」に、藤原高房の子山蔭政朝(やまかげのまさとも)が890(寛平2)年に創建したとあり。毎年4月18日に行われる「山蔭流包丁式」では、全国から山蔭流の板前が集まり、タイやコイを真魚箸(まなばし)と包丁だけでさばいて包丁と生け作りを奉納する。これは山蔭政朝が本尊である千手観音像を彫る仏師のために1000日間にわたって自ら料理を作ったという伝承によるものとのこと。なお本尊の観音像は1571(元亀2)年の織田信長の焼き打ちの際にも上半身は焼けずに金色に輝いていたため、「火除け観音」として信仰をあつめたとの記述もあり。
『京阪神ご利益ガイド』(神戸新聞出版センター)p166「総持寺」には、政朝が父の救った亀に助けられたことから仏師を呼び寄せて本尊を作らせ、1000日間仏師を毎日違う料理でもてなしたため料理の神と仰がれるようになったとあり。4月18日の無縁経大法要の際に包丁式が行われるのは、魚介類の供養とともに、料理の創始者といわれる政朝を偲ぶ意味もあるとのこと。
『全国神社仏閣ご利益小事典』(燃焼社)p397「職業別による商売繁盛祈願 料理・和菓子業者」に「総持寺」があり。上記の亀の逸話が詳しく、また開基である料理四条流の祖、中納言藤原山蔭政朝の木像を祀った「山蔭流包丁式包丁道場」の堂が寺内にあること、包丁式の際には堂内が公開されることが記載されている。
このほか、『わがまち茨木 人物編』(茨木市教育委員会)p11「藤原山蔭」には、藤原山蔭中納言政朝の人物と総持寺の縁起、山蔭流包丁式についての記載があり。また『新修茨木市史第10巻 別編 民俗』(茨木市)p57-59には、総持寺の縁起と年中行事、包丁式、講組織と檀家についての記載があり。
なお総持寺のサイトhttp://www.sojiji.or.jp/cnt_eve2.html に包丁式の写真と説明があり。宴席で当主が座敷に俎板を設え、来賓を前にして料理したことに由来、また現在行われている包丁式の形体は室町時代からとの記載があり。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『大阪府の歴史散歩 上』大阪府の歴史散歩編集委員会/編(山川出版社)
- 『京阪神ご利益ガイド』神戸新聞出版センター/編集(神戸新聞出版センター)
- 『全国神社仏閣ご利益小事典』現代神仏研究会/編(燃焼社)
- 『わがまち茨木 人物編』茨木市/編集(茨木市)
- 『新修茨木市史 第10巻』茨木市史編さん委員会/編集(茨木市)
- キーワード
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- 包丁式(ホウチョウシキ)
- 総持寺(ソウジジ)
- 茨木市(イバラキシ)
- 大阪
- 寺院
- 伝説
- 料理
- 四条流(シジョウリュウ)
- 山蔭政朝(ヤマカゲノマサトモ)
- 藤原山蔭(フジワラノヤマカゲ)
- 藤原政朝(フジワラノマサトモ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000117782