レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年07月09日
- 登録日時
- 2012/07/26 09:44
- 更新日時
- 2012/07/26 09:59
- 管理番号
- r127
- 質問
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解決
童謡「あんたがたどこさ」に出てくる「せんば」とは、どんな漢字を書くのか。また、熊本の歌がどうして関東でも広く歌われているのか。
- 回答
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1.「せんば」について
『熊本宮崎のわらべ歌』(上村てる緒/〔ほか〕著 柳原書店 1982)p81-82に「あんたがたどこさ」が載っています。ここには「洗馬」とあり、歌の後半が
洗馬川には えみさがおってさ
それを漁師が 網さでとってさ
煮てさ 食ってさ うまかろさっさ
と紹介されています。また、『角川日本地名大辞典 43』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1987)の「せんばまち 船場町」の項に
手毱唄に見える船場川は当地あたりの坪井川を指す。上流厩橋あたりに藩の厩が置かれ、同所から当地付近へ馬を洗いに来たことか洗馬川とも書かれ、当町も洗馬とも書かれた。
とあります。
2.「あんたがたどこさ」の普及について
『思い出の童謡・唱歌200 明治、大正、昭和を彩る名曲200曲収載』(成美堂出版編集部/編 成美堂出版 2001)p22-23に「あんたがたどこさ」があり、
地方の歌ですが、その掛け合い言葉の面白さから子どもたちに親しまれ、全国的に普及しました。
とあります。ちなみに、こちらで紹介されている歌の後半は、以下のとおりです。
せんばやまには たぬきがおってさ
それをりょうしが てっぽうでうってさ
にてさ やいてさ たべてさ
それをこのはで ちょっとかぶせ
また、当館未所蔵の資料ですが、『童歌を訪ねて』(太田信一郎/著 富士出版 1988)p174-175に「あんたがた何処さ」があり、
九州熊本がその発生地のように思われていましたが、実は関東の歌で、埼玉県川越市喜多院裏の「仙波山」あたりがそもそもの発祥地であることが地元川越市の郷土史研究家によって明らかにされています。
と述べられています。幕末期の薩長連合軍が仙波山に駐屯した際に、地元の子どもたちとの問答からうまれたとのことです。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 参考資料
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- 『熊本宮崎のわらべ歌』(上村てる緒/〔ほか〕著 柳原書店 1982)
- 『角川日本地名大辞典 43』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1987)
- 『思い出の童謡・唱歌200 明治、大正、昭和を彩る名曲200曲収載』(成美堂出版編集部/編 成美堂出版 2001)
- 『童歌を訪ねて』(太田信一郎/著 富士出版 1988)
- キーワード
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- あんたがたどこさ
- 船場
- 洗馬
- 仙波
- 童謡
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000109298