レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/12/26
- 登録日時
- 2017/12/27 00:30
- 更新日時
- 2017/12/27 00:30
- 管理番号
- 1000000932
- 質問
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解決
戦後沖縄におけるデイゴの植栽の状況が知りたい。
- 回答
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資料①より、沖縄戦を生き残ったデイゴは、比較的多くあった。
資料②~④より、デイゴは種で繁殖させる訳ではなく、挿し木で増やす。
資料⑤~⑦より、戦後、全琉緑化推進運動で、県内各地でデイゴが植えられている。
資料①より、今帰仁村崎山では、沖縄戦を生き残ったデイゴから挿し木用の枝を切り取り、村内にデイゴの木が植えられた。
また、資料⑧より、本土復帰後には、琉球漆器などの材料として、大量のデイゴ(約13万7千本)が植林された。
現在、資料④⑨より、デイゴは、観賞用として街路・公園・学校等に植栽する外、防風防潮林・用材林として植栽されている。
参考資料:
①
『おきなわふるさとの名木』(沖縄県緑化推進委員会∥編、沖縄県緑化推進委員会、2000.12)
p39 「崎山の大デイゴ」の項目で、「戦後の荒地に緑を取り戻そう村内の所々にデイゴの木が植えられた。その際この大木から挿し木用の枝を切り取り利用した」の記述がある。
→ 沖縄戦を生き残ったデイゴが多数掲載されている。
②
『沖縄四季の花木』(沖縄生物教育研究会∥著、沖縄タイムス社、1988.4)
p36 「デイゴ」の項目で、「沖縄ではあまり結実しないのでマメをみることができない。…さし木によって簡単にふえおおいにふやしたい花木である」の記述がある。
③
『沖縄有用樹木要覧』(沖縄県農林水産部、1981.3)
p63 「デイゴ」の項目で、「普通さし木によって繁殖が行われている。」の記述がある。
④
『沖縄園芸百科』(新報出版企画編集室∥編、新報出版、1985.2)
p490-492 「デイゴ」の項目で、p491 「繁殖は太い枝をさし木するだけでよく活着します。街路樹、公園木、学校庭園などに適し、鑑賞はもちろん、日陰樹にもなり、琉球漆器の素材にも使われています。」の記述がある。
⑤
『沖縄県緑化運動65年史』(沖縄県緑化推進委員会∥編、沖縄県緑化推進委員会、2014.5)
p161 「平良市森林都市植樹計画(1968年度)」
→ 5000本のデイゴを街路樹として植えている。
p164-167 「全琉緑化推進運動本部の取り組み」の項目で、北谷町緑化支部 5万本(モクマオウやデイゴなど)、北中城村緑化支部 5万本(モクマオウやデイゴなど)、他に西原町、南風原町、与那原町、那覇市、豊見城市、糸満市、渡名喜村でデイゴを植栽している。
→ 琉球政府による緑化大会は、1959.7.27に開催された。
p290-295 「軍官民合同記念植樹祭」
「「軍官民合同植樹祭」が起点となって、現在に引き継がれている」
→ 戦後の愛林週間は1951年から行われていた。愛林週間から全琉緑化推進運動に繋がる。
⑥
『今日の琉球 第9巻3号(通巻第89号)』(琉球列島米国民政府広報局出版部、1965.3)
p9-10 「緑化運動と花いっぱい運動」の項目で、p8 「樹種は多種多様でありますが主なるものを上げますと、モクマオウ、ソウシジュ、センダン、デイゴ…」の記述がある。
⑦
『戦後をたどる』(那覇市歴史博物館∥編集、琉球新報社、2007.2)
p285-288 「「観光の沖縄」と緑化」 焼失した樹木の復活」の項目で、p286 一九五八年十一月、住民運動として「全琉緑化推進運動」が発足し、大田政作副主席が本部長に着任した。観光都市を目指していた那覇市も、兼次佐一市長が就任した一九五八年以降、街路樹計画を立て、デイゴやモクマオウ、柳、プラタナスなど、各種の樹木を植えていった。」の記述がある。
⑧
『[沖縄県林業試験場]研究報告 No.43』(沖縄県林業試験場、[2000])
p8-14 「デイゴ造林地の生育調査結果」の論文で、p8 「デイゴは気乾比重が小さく、乾燥が容易で狂いが少ないため、材は琉球漆器の素地や、獅子頭、古酒を保存する瓶のフタに用いられる等、利用範囲は幅広い。…これらの荒廃林地に適する造林樹種の一つとして活着率が高く成長の早いデイゴが表1に示す基準表に基づき植栽され、1999年度現在の造林面積は91.84haに達する…」の記述がある。
→ 1ha当たり1500本のデイゴを植栽(さし木苗)
→ 約13万7千本のデイゴを植栽(グラフより)
⑨
『図鑑 琉球列島有用樹木誌』(天野 鉄夫∥著、沖縄出版、1989.9)
p110 「デイゴ 梯姑 梯梧 刺桐(台湾)」の項目で、「…木は観賞用として街路・公園・学校等に植栽する外、防風防潮林・用材林として植栽される。材は漆のつきがよいため輸出用琉球漆器の大型品素材に用いられる外、下駄箱・キクラゲの榾木に利用される。」の記述がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 1 おきなわふるさとの名木 沖縄県緑化推進委員会∥編 沖縄県緑化推進委員会 2000.12 K47/O52 p39
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2 沖縄四季の花木 沖縄生物教育研究会∥著 沖縄タイムス社 1988.4 K47/O52 p36 -
3 沖縄有用樹木要覧 沖縄県農林水産部∥[編] 沖縄県農林水産部 1981.3 K47/O52 p63 -
4 沖縄園芸百科 新報出版企画編集室∥編 新報出版 1985.2 K62/O52/1 p490-492 -
5 沖縄県緑化運動65年史 沖縄県緑化推進委員会∥編 沖縄県緑化推進委員会 2014.5 K62/O52 p161,164-167,290-295 -
6 今日の琉球 第9巻3号(通巻第89号) 琉球列島米国民政府広報局出版部∥[編] 琉球列島米国民政府広報局出版部 1965.3 K05/KO75/89 p9-10 -
7 戦後をたどる 那覇市歴史博物館∥編集 琉球新報社 2007.2 K23.01/N27 p285-288 -
8 [沖縄県林業試験場]研究報告 No.43 沖縄県林業試験場∥[編] 沖縄県林業試験場 [2000] K65/O52/43 p8-14 -
9 図鑑 琉球列島有用樹木誌 天野 鉄夫∥著 澤岻 安喜∥写真 沖縄出版 1989.9 K47/A43 p110
- キーワード
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- デイゴ
- 植栽
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000227729