レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2017/10/13 16:40
- 更新日時
- 2017/12/09 15:11
- 管理番号
- 相橋-H29-018
- 質問
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解決
A)明治期に発明された日本語について研究した国語学者や、それらの著作を知りたい。
B)(追加)明治期に新しい言葉を最初に作った人がわかる資料はないか。
- 回答
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A)資料①~⑧を閲覧後、①⑧を貸出した。
B)③⑨⑩⑪⑫を貸出した。
- 回答プロセス
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A)について
自館OPACでキーワード“翻訳語”“外来語”“明治”などで検索した結果、次の資料が見つかった。
①『翻訳語成立事情』 柳父章/著 岩波書店 2000 (自館請求記号:S801)
「社会」「個人」「近代」「美」「恋愛」「存在」「自然」「権利」「自由」「彼、彼女」の翻訳語の成立についての記載がある。
奥付の著者略歴に「東京大学教養学部教養学科卒業 専攻-翻訳論 現在-評論家」とある。また、翻訳に関する著書が複数ある。
②『明治のことば辞典』 惣郷正明・飛田良文/編 東京堂出版 1986 (自館請求記号:R813.7)
明治時代に誕生した語や、変化した語、時代的特色を示す語などが収録されている。また、あとがきに「明治ことば」の研究書が紹介されている。
編者の一人である飛田良文は、奥付の著者略歴に「文学博士。現在、国際基督教大学教授、国立国語研究所名誉所員。国語学会評議員。」とある。
③『明治のことば』 齋藤毅/著 講談社 2005 (自館請求記号:810.25)
「社会」「個人」「会社」「保険」「銀行」などの語句の成立についての記載がある。
奥付の著者略歴に「東京大学文学部国文学科卒業。建国大学助教授、国立国会図書館副館長、国立図書館短大学長などを歴任。」とある。
④『明治・大正新語俗語辞典 新装版』 樺島忠夫・飛田良文・米川明彦/編 東京堂出版 1996 (自館請求記号:R813.9)
明治より使われるようになった言葉が幅広く網羅されている。
奥付の編者略歴で、樺島忠夫は「神戸学院大学教授。国語学。」、米川明彦は「学術博士。梅花女子大学助教授。国語学。」とある。
⑤『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』 米川明彦/編著 三省堂 2002 (自館請求記号:814.7)
明治元(1868)年から平成元(1989)年までの流行語や新語が年毎に収録されている。編著者は④の編者でもあるが、奥付の略歴には「専門は、俗語研究・手話研究・聖書研究。」とある。
⑥『日本語の近代』 小森陽一/著 岩波書店 2000 (自館請求記号:810.26)
明治時代の「言文一致体」を基礎として現在にいたる「日本語」の成り立ちについて論じられている。
奥付の著者略歴に「日本近代文学専攻。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。成城大学助教授を経て、現在、東京大学教授。雑誌『漱石研究』の編集に携わる。」とある。
⑦『外来語の総合的研究』 石綿敏雄/著 東京堂出版 2001 (自館請求記号:814.7)
南蛮船時代(16世紀)からの、主にカタカナの外来語を扱った研究書。奥付の著者略歴に「現在 国立国語研究所名誉所員、茨城大学名誉教授 専攻-言語学」とある。
⑧『概説現代日本のことば』 佐藤武義/編著 朝倉書店 2005 (自館請求記号:810.26)
明治以降大きな変化を遂げた日本語についての各論(外来語、漢語、方言など)がまとめられている。
奥付の編著者略歴に「東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学 現在 東北大学名誉教授」とある。
B)について
上記の検索結果と、②の資料のあとがきで紹介されていた研究書から、さらに下記の4点の資料を追加した。
⑨『近代訳語考』 広田栄太郎/著 東京堂出版 1969 (横浜市立図書館請求記号:814/56)
「彼女」「恋愛」「接吻」「汽車」「鞄」「悲劇」「映画」「世紀」「常識」「燐寸」「頁」「倶楽部」「背広」「冒険」「的」などの訳語の文献上の履歴が記載されている。また後半では、西周、福沢諭吉、前島密、福地源一郎、加藤弘之、井上哲次郎、柳河春三、川本幸民、津田真道、箕作麟祥などが造った訳語についての記述がある。
⑩『翻訳の思想』 加藤周一・丸山真男/校注 岩波書店 1991(自館請求記号:121)
明治時代に、福沢諭吉、加藤弘之、中江兆民、坪内逍遥、森鴎外などが翻訳した西洋の文献を、対訳式で掲載している。
⑪『翻訳語の論理』 柳父章/著 法政大学出版局 2003 (自館請求記号:810.4)
⑫『近代日本語の思想』 柳父章/著 法政大学出版局 2004 (自館請求記号:816)
⑪⑫とも、①資料の著者の著作で、⑪は二葉亭四迷や福沢諭吉などの翻訳語について、⑫明治時代に翻訳から生まれた新文体について論じられている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 語彙 (814)
- 参考資料
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- 『翻訳語成立事情』 柳父章/著 岩波書店 2000
- 『明治のことば辞典』 惣郷正明・飛田良文/編 東京堂出版 1986
- 『明治のことば』 齋藤毅/著 講談社 2005
- 『明治・大正新語俗語辞典 新装版』 樺島忠夫・飛田良文・米川明彦/編 東京堂出版 1996
- 『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』 米川明彦/編著 三省堂 2002
- 『日本語の近代』 小森陽一/著 岩波書店 2000
- 『外来語の総合的研究』 石綿敏雄/著 東京堂出版 2001
- 『概説現代日本のことば』 佐藤武義/編著 朝倉書店 2005
- 『近代訳語考』 広田栄太郎/著 東京堂出版 1969
- 『翻訳の思想』 加藤周一/校注 岩波書店 1991
- 『翻訳語の論理』 柳父章/著 法政大学出版局 2003
- 『近代日本語の思想』 柳父章/著 法政大学出版局 2004
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000223085